「モト」という人の経済観念 21 引越関連編 「ヒトの労力」はタダ 4 | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

  

  「父」と同じだ……!

 

 

 

 …真っ先に私の頭に浮かんだ言葉。

 

 

  父も自分が気に入らなくなると「直ぐ」大声で恫喝したりモノを投げたりする事が「普通」の人だったから。

 

 

 

 

   ただ、「モト」が違ったのは

 

 

   「モノには当たるが、壊さない」

 

 

 

  …正確に言うと

 

 

 

  「当たって、壊れるようなモノには当たらない」

 

 

 

  …もっと言えば

 

 

 

   「壊れたモノでも、取って置く」

 

 

 

 …だって、

 

 

  「直せば使える」

 

  「これは高かった」

 

  「これはとても価値がある」

 

 

 

  …というような『正当な理由』が山ほどあったのだから。

 

 

 

 

 

 

   さて、不愉快ながらも「言い返す」すべを知らなかった私はそのまま黙って支度を続けた。

 

   

  考えてみれば「モト」にだってやるべき事は山程あった訳なのだけど、

 

 

  『元祖・他力本願』

 

 

 

  …「誰かが助けてくれる」ということは「自分がやりたくない事を丸投げ出来る」と同意、という人にとっては、自分にとっての「いつもの朝」と同じ朝が過ごせない、という事が耐えられなかったのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

   やって来た「上司御夫婦」はほぼ同年代、とてもテキパキした人達で特に旦那=上司さんは「いつも通り」重い荷物を運ぼうとしていた私に向かって

 

 

 

  「リオさん! アナタはそんなもの運んじゃ駄目だよっ!」

 

 

 

  …と、サッサと私の手から奪って運んでしまうような人だった。

 

 

 

 

   元々荷物が少なかったから普通乗用車で3回も往復した後、4回目には人間が乗って荷物の移動は完了!……という引越。

 

 

 

  荷物を全部運び入れ、やれやれ一息……となった時、私がお茶を入れ、御握りとオムレツを出すと奥さんが

 

 

  「用意してくれたの~? ありがとうね~!

 

  ●●!(旦那の名前) リオさんが御握り作ってくれたよ~!」

 

 

  「わお~っ‼‼  御握りだ~っ!」

 

 

  …と、旦那さんも大喜びしてくれた。

 

   

 

 

  すると。

 

 

 

 

 

 「そうだろ~、リオは皆の為に朝から用意してくれたんだよ!」

 

 

 

 

   …「モト」はそう言って例の「ヘラヘラした笑顔」を私に向けると、二人の前でいきなり私の肩を抱き、撫で回した。

 

 

 

 

 

   正直に言おう。

 

 

 

 

 

 

   ゾッとした。

 

 

 

   その顔とその態度は、まさに「アノ母」を思い出させたから。

 

 

 

 

 

 

   何の事はない、私は『毒親の家』を飛び出したつもりが、一人で両方の要素を持つ人間と『自分の家』を持つ事になった訳だ。

 

 

  それも、『毒親の家』では取り敢えず感じなかった、

 

 

  「日常的なオカネの苦労」

 

 

 

  …という項目まで加えて…。