拝啓 『ポポ』
メールありがとう。
残念だけれども、私が今回の貴女の質問に答えられる事は少ないと思います。
御存じのように今の私は若くもなく、更にずっと無職で「仕事に就ける」だけでありがたい状況で、『職安』の追求から逃げる為にもある程度決められた時間以上に働くことさえ出来れば良い、というのが最優先という現実です。
今の私が一番望んでいるのは「有給であればいいから、一日でも早くキチンと働きたい」ということであり、故に自分から給料について「あの」二人(注;もちろん『ナッツ』と『クリ』)に問い合わせたことも無いからです。
それでも貴女の言っていること、特に貴女が心配している内容は当然の事だと思うし、キチンと貴女に説明しない二人の方が悪いと私は思います。
そんな今の私が貴女に何より言える事は、今回の貴女の心配事がキチンと解決され、尚且つ『店』が開店し仕事というものがキチンと始まるまで、『貴女のレシピ』を二人に渡してはいけない、ということです。
キチンと料理をして来た貴女なら理解してくれると思いますが、『貴女のレシピ』は貴女の個人財産です。
『私のレシピ』は安易に他人には教えませんし、私も貴女に安易に教えろとは言いません。
そのレシピに行きつくまで、貴女自身が何度も試作して来ただろう時間と労力を理解するからです。
「今」向こうに渡してしまったら、それはもうタダで『店のレシピ』になってしまう、ということです。
もちろん最終的にどうするかは貴女個人の自由ではありますが、彼らが貴女の時間と労力を理解しているとは思いませんし、それに見合うだけの何の保障もされないまま『貴女のレシピ』を渡す義務は、少なくとも「今の貴女」には無い、と私は考えます。
私も貴女に会えて嬉しいし、特に前回貴女の動きを見て直ぐ、
「この人となら一緒に働ける!」
…と心から思いました。
次の試食会では『鶏の唐揚げ』を実践する予定です。
日曜日に会えるのを楽しみにしています。
リオ
そんな感じのメールを書き上げ、送信してホッとした直後に新たにメールが入って来た。
『店』=『ナッツ』から……!