気を取り直した(⁉)私がまた黙ってノートに
「『切替手数料』だけの金額です」
…と書くと、『ア××』は一瞬ムッとした顔になったのだが、『ラージ』が彼女に何やらゴニョゴニョと耳打ちをし、しばし二人でヒソヒソと何か囁き合っていた。
多分「コノ女はカネが無いのよ」とか何とか言われたのだろう。
そして『ア××』は私の方を向き直すと
「アナタ、〇〇(今回の会社の名前)の連絡先はある?」
…と少し不機嫌な顔で言った。
そこで私は黙って電話番号が書かれたメール(を印刷したもの)を指差した。
しかしそれは会社(本部)の番号ではなく担当のマネージャーに連絡する為の番号だったのだけど、私だって正直それしか知らなかったのだから仕方ない。
『ア××』はそのメールを確認しつつ、私のパスポート、そして移民局からの「手紙」をコピーし始めた(正確には『ラージ』に指示してやらせて?いたのだけど)。
それら一連の仕事が終わると『ア××』は改めて私の方に顔を向け
「とにかく、今回の件は私達には『全く責任が無い』けれども
アナタも就職するのに問題は無いんだから、
今回は私が会社の方に電話をして『やる』わね!」
…とドヤ顔で言い放ってくれた。
『ア××』に関しては本当にまあ、その日
「こっちには全く責任は無い!」
「全部アナタの責任!」
…という言葉を何回使ってくれただろう?
これもコノ国の人達に深く関わるようになってからつくづく感じるのだけど、コノ国の人達は本当に
「如何に他人に『自己』の『責任』を押し付けるか?」
…ということに日頃から異常にエネルギーを注いでいる、と思ってしまう。
しかし、「自分で自分がやった事の責任が取れない」ということは、
自分は無責任な人間で、一人では何も出来ない人間で~す!
…と、自分から暴露しているだけだよね?…という私の考えはコノ国の人達の理解をはるかに超えているらしい。
とにかく、コピーされた資料を持って『ア××』がサッサと自分の場所に戻ってしまうと、それまで彼女と一緒になって立ったままでいた『ラージ』が再び己の椅子にドッカリと座り直し
「…そういうことよ、判った?」
…と「いつも通り」の威圧的な態度と口調で口を開いた。