明治四十年十一月二十日の琉球新報には『「観海楼」の開業に伴い福建省出身のコックを雇い入れたいので来店を乞う』旨の広告が掲載されているが、それには「支那そば」と記されており、沖縄そばのルーツは福建省とつながっていることが示唆される。
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世界に広がる沖縄SOBA
1,200円
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2013年に、「Dr.平川の 沖縄・アジア麺喰い紀行」を著した平川宗隆さん。本書の肩書は「獣医師、調理師」の後ろに「旅食人(がちまいたびんちゅ)」とついていて、沖縄の食として山羊や豚、ステーキに関する書物も表している方。
本書では沖縄そばのルーツをまとめると共に、世界に広がる沖縄そばを紹介。沖縄のメーカーが卸しているシンガポールを皮切りに、沖縄からの移民がコロニアを形成しているブラジルやボリビア、2015年のミラノ万博で紹介された沖縄そば、ハワイやニューヨークの沖縄そばについてまとめ、最後はトロントで、沖縄そばの「りょう次」と「鏡花ラーメン」を巡っている。
ラーメン好きとしてのこの書の注目点は、序章に書かれた沖縄そばのルーツについて。沖縄では、日本本土(ヤマトゥンチュ)にルーツを持つそばを「ヤマトゥソバ」と呼び、福建省や台湾にルーツを持つ沖縄そばは「支那そば」と呼ばれてきた。冒頭の引用部は、沖縄そば発祥のエピソードが、福建省からの支那そばとして表現されていたというエビデンスになっている。大正時代には、警察からその呼称を「琉球そば」に改めるように指導があったというが、ウチナンチューは「支那そば」と呼び続けていたという。沖縄独自の歴史を持ちつつ、日本本土と同じ名前が使われてきたという点に興味を感じる。
また、アメリカでの麺事情を紹介した中では、ハワイに本社を置く「サンヌードル」が重要な役割を果たしている。沖縄そばも生産している同社だが、主力商品はラーメンで、ハワイ特有の麺料理「サイミン」も紹介している。ハワイの「沖縄フェスティバル」での沖縄そばの人気ぶりや、ニュージャージー州に開設されたサンヌードルの工場を紹介している。
沖縄そばを中心にまとめた本だがラーメンも紹介されていて、南北アメリカ大陸での沖縄そばとラーメンの模様が掴めるものになっている。オールカラーで写真が豊富なのも嬉しい。
