2000年代前半、少年チャンピオンで連載されていた「虹色ラーメン」のレビュー。5回目は、いよいよ神宮寺雷蔵との最終決戦。そして、そこに繋がるために様々な物語がまとめられていきます。

第1期:イントロダクション(1~4巻)
第2期:ラーメン甲子園(5~8巻)
第3期:麺王杯・前編(9~12巻)
第4期:裏切りと信頼と(13~15巻)
第5期:父との最終決戦(16~18巻)<今回>
 父であり最強のラーメン職人、神宮寺雷蔵との最終決戦。
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 16巻から18巻は、2004年1月から7月にかけて。連載から丸3年をかけて、太陽たちも卒業が目前に迫ってきます。15巻最後で「ラーメン与田」を失い、太陽は失意のまま、ぼんやりと受験勉強を進めていたが、「ラーメン部のラーメン」を求める常連さんたちに励まされて再起。

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 そんな中、与田から「麺仙王」の元に預けられた仲谷内と、太陽が麺王杯で対決する事が決定。「インスタントラーメン王」の安藤清福が審判になり、カップ麺に乗せる具材で勝負する事に。

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 インスタント麺の発明物語が漫画の中で紹介されているが、そのストーリの中でも、屋台を引いた若き日の与田が登場し、インスタント麺の発明にも付き合っている。

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 仲谷内との対決では、油を垂らして店の香りを再現した太陽が勝利。この頃、ラーメン界では「油の重要性」が語られ始めた頃だったので、その意見を引用したものと思われます。

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 与田はまた太陽の前から姿を消すが、麺仙王から素晴らしい一言をかけられます。

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 そんな中、今までほのかに語られていた、ひかりと太陽の恋愛模様も新展開。それを後押ししたのは、イタリアからやってきたパスタ職人のアンジェロ。初対面でひかりに求婚する彼と太陽が麺料理で対決。太陽は、3年前に初めて作り、ひかりに食べさせた失敗作のラーメンを出して、二人の絆を表現。これを食べて喜ぶひかりもどうかと思うけど、これは味ではなく想いの勝負だからね(笑)。
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 アンジェロが来日した本来の理由は、神宮寺雷蔵に「虹を見せる」ため。1対1の勝負で神宮寺を喜ばせたものの、神宮寺は自ら手打ちしたうどんでアンジェロを絶望させ「黒い虹」を見せてしまう。

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 神宮寺は麺王杯準決勝として、麺仙王と対決。麺仙王を病院送りにした上、その場にいた仲谷内にも「黒い虹」を見せ、ラーメン店を休業させてしまう。


 そんな神宮寺に、師匠だった与田が挑む。二人ともラーメンを作りきったものの、そこで二人は互いの衰えを知る。神宮寺はほぼ視力を失った状態で、与田は舌が利かない。与田が神宮寺の助手にき、太陽と戦う麺王杯決勝戦が決定した。


 太陽は「ラーメン与田」を再建させ、東雲高校ラーメン部は4年目へ。新入生は長井・高峰・取手・春日部の4人だが、この4人に関しては本編ではほぼ触れられていない。太陽は新装された「ラーメン与田」に遅れて現れ、「黒い虹」に怯える仲谷内とアンジェロの二人にラーメンを提供。二人の闇を取り除いた後、麺王杯決勝戦へと向かう。
 

 麺王杯決勝戦では、乾が助手につき、鳳は麺を提供。その一方で、与田を慕う全国の食材提供者が名乗りをあげ、皇も神宮寺には逆らえないとして、太陽が圧倒的不利な状況で、決勝戦が始まる。

 

 

 最終の18巻は、麺王杯決勝戦が描かれる。会場は日本武道館で、期間が一か月。そのスケールの大きさに圧倒されます(笑)。神宮寺と与田の完成度の高いラーメンに、太陽たちは24時間営業で売上数を確保しようとするが、苦労する中、ラーメン部や、ラーメン甲子園でのライバルが集ってくる。神宮寺グループのスタッフの津久井は、かつてラーメン職人だったが神宮寺に「黒い虹」を見せられて挫折していた。そんな彼が、太陽がラーメンで虹をかける様子を描写していき、彼もラーメン職人として復活を果たす。

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 太陽と神宮寺は互いに相手のラーメンを食べ、様々な想いがこみ上げてくる。

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 実は太陽は子供の頃、神宮寺の思いが込められたラーメンを一杯だけ食べた事があった。その後神宮寺は規模を拡大したが、神宮寺は孤独を深めていった。そんな神宮寺は素手で麺あげをしたり、厨房内に嵐を起こすなどやりたい放題。

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 1か月にわたった麺王杯決勝戦は、投票によって太陽が勝利。その後、太陽や神宮寺らは、途中で倒れた与田が入院する病院に駆けつける。与田は「職人は一生が修行…。ラーメンなんかより、人間を作るのが一番難しい…」という言葉を遺し、息を引き取る。

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 最終回は、その与田が眠る墓に立つ太陽に、老婆が声をかける。第1回ラーメン甲子園決勝戦で、太陽のラーメンを食べて涙ぐんでいた彼女のもとに、乾家のシェフが訪れる。この兄妹が、戦争直後に与田のラーメンを食べた二人の今の姿である事を読者に悟らせるようになっている。第3回ラーメン甲子園は皇が優勝し、東雲高校の藤堂晶は準優勝。


 賑わう「ラーメン与田」の元に集まるラーメン部の面々が心配する中、太陽はひかりには手紙を送っていた。海水浴場で乾と2人でラーメンを出し、そこに集まるお客さんの言葉には、1巻でラーメンと出会った太陽が聞いたセリフがリフレインされている。そして、近づくほどに遠ざかって見える虹、そしてその虹を越えていこうとする太陽の思いで、この物語は締められている。
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 …はずなんですが、実は「虹色ラーメン」はその後3回の読み切りを、少年チャンピオンに掲載しています。単行本未収録なので確認できないのですが、覚えている限りのストーリーはこんな感じ。
・北辰高校に転校してきて、周囲から浮いている皇を応援し、ラーメン甲子園ではメイド服を着て手伝う委員長。
・東雲高校ラーメン部の新入生4人をめぐるストーリー。
・太陽と乾は、日本から「麺のシルクロード」を経て、最後はローマへ。「SAMURAI NOODLE」の暖簾を掲げている所に、ひかりが偶然訪れる。


 少年誌に似合った痛快なストーリーの中に、「麺の時代」「油の効用」など、様々なラーメンの知識がちりばめられていて、今読んでも楽しめる「ラーメンドラマ」でしたね。2018年の現在に「虹色ラーメン」があったら、どんなストーリーになるのか、それも気になります。