「ラーメン発見伝」をレビューするシリーズ、第4回になります。

第1期:イントロダクション(1巻・2巻)
第2期:芹沢への挑戦期(3巻~6巻)
第3期前半:芹沢対藤本の構図に変化(7巻~8巻)
第3期後半:ラーメンマニアキングへ(9巻~10巻)<今回>
 藤本がテレビ番組で「ラーメンマニアキング」へ。一方で芹沢から新たな課題を与えられる
 

第4期:芹沢との拮抗期(11巻~15巻)
 芹沢との「大地」新作コンペでは互角の戦いを見せる。勤務先では上司が変わり、ラーメンテーマパークを企画へ
 

第5期:全国遠征期(16巻~20巻)
 テーマパークとの関連で全国のご当地ラーメンを探訪し、その流れで地元の人たちと勝負。
 

第6期:芹沢との全面対決期(21巻~26巻)
 芹沢率いるラーメンテーマパークとの全面対抗戦。そして夢だった独立開業へ

 

…会社勤めしていて自分の人生に心から満足してる人ってあまりいないと思うんです。
アタシもそうだけど…、たいていの人は誰にも命令されず、誰にも頼らず、自分一人の力で生きていく人生に憧れてる…
(10巻,p191)

 26巻、10年にわたる長期連載を半分に分けるとしたら、この10巻までで一区切りと考える事ができる。9巻では芹沢が店長候補岩下を藤本にけしかけ、「画期性に溢れた麺」というテーマで店長昇格試験をさせる。藤本は一杯の中に太さが違う3種類の麺を入れ込んで勝利。芹沢は負けた岩下に「相手が悪かった」と、店長に昇格させた。確かに当時このアイデアは画期的でした。


 9巻から10巻にかけての、そして連載では5か月をかけた最長のシリーズが「ラーメンマニアキング」。石神さんが2連覇した「テレビチャンピオン ラーメン王選手権」をモチーフにしたと思われるけど、賞金は20倍の1000万円(いいなー)。藤本はその資金で独立開業を考えて出場。
 この出場者の中には、お色気キャラの川瀬や、ライバルになる千葉といった重要なキャラが出てきますが、このシリーズだけの出演ながら、クイズ研究会の大学生という三樹の事は、個人的には忘れられません。「食べてもない店をクイズの知識で当てる」というのは、どう考えても私がモデルですから(笑)。


 でも、私はラーメンに水を入れたりはしてないですよ(笑)

 大会は、ラーメンマニアを嫌う千葉の過去が語られ、彼が藤本を追い詰めつつも、藤本は屋台でのラーメン作りの経験を元に逆転し優勝。ここまでの描写で、藤本は優勝賞金で独立開業を目指すと当時は思ってました。しかし、ここから新たなステージに突入する事になる。


 藤本が「大地」で出そうとしていた期間限定ラーメンに、芹沢は凡庸さを指摘してコンペに持ち込む。「動物系素材を使わない」という括りを与えたことで藤本は芹沢と引き分けるが、その後に芹沢が投げた「オマエには本当に作りたいラーメンがないんだよ!」という指摘に、藤本は打ちのめされてラーメン作りから逃げてしまう。そこに佐倉がやってきて、雨の中藤本を励ましていく。
 

 そこが冒頭の引用部からのこのページに繋がるんですが、この時の、雨に立ち尽くす佐倉さんがすごく印象に残るんですよね。
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 その後に入る一話のタイトルが「原点」。川瀬の元カレから原点を聞き出し、ラーメン店を立て直した後、自分の原点を考えていく事になる。ここから続く後半のテーマであり、原点を発見するフェーズに移る事になる。

 

 「ラーメン発見伝」というタイトルは、ラーメン界の様々な視点を読者に発見させるだけでなく、主人公が自分のラーメンを発見するまでの物語でもあるわけですよね。こういうタイトルをつけられるようになりたいものです。