フードジャーナリストの山路力也氏が『それでもまだ貴方は「冷やし中華」を許すのか?』という記事を公開している。この論旨自体は「ラーマガ」(是非登録してねw)でも繰り返し発言されていた事で、「冷たくない、ぬるい冷やし中華が許せない」という話。この記事の中では「萬福@銀座」と「蓬来軒@千葉」の冷やし中華を食べてほしいとしている。私は両者とも未食だが、私からも、冷たい冷やし中華を一つ紹介したい。それが「中華のサカイ」の「焼豚冷麺」である。

 昭和14年に喫茶店として創業し、戦後は中華料理も置くようになったこの店、店名は「引越のサカイ」の向こうを張って名付けたという。1953(昭和28)年に考案された「冷麺」は、通年で販売されている人気メニュー。「ハム」と「焼豚」の2種類があったので、「焼豚冷麺」で注文。関西では「冷やし中華」を「冷麺」と呼んでいる。(ちなみに、関西では韓国冷麺も「冷麺」と呼んでいる)



 こちらが、2015年3月に食べた「焼豚冷麺」。少し深さをもった皿を持てば分かるが、驚くほどに冷たい。そして、キンキンに冷やされているスープにも驚いたが、驚くのは温度だけではない。一見すると「胡麻ダレ冷やし中華」のようだが、とろみがついて冷たいスープは、鶏ガラなどでとった秘伝のレシピとの事。

 鶏こってり系のラーメンが多い京都ゆえの味だろうか。そして、単なる鶏の味ではなく、酸味や甘味も感じられ、今まで味わった事のない絶妙なバランスで、麺や具を絡めてもよし、そのままごくごくと飲んでもよし。これを「冷やし中華」と一括りで呼ぶには無理があるほどの、丁寧かつ個性的なメニュー。

 しっかり茹でられ、冷たく締めてシコシコの中太麺を啜れば、麺とほぼ同じ太さに切り揃えられた焼豚・キュウリ・海苔が口の中に入ってきて、暑い時でも口と胃袋を冷ましてくれそう。ラーメンやチャーハンなど、各種料理も気になるが、次に来た時にもきっと冷麺を食べると思う。それくらい衝撃的な一品。



新大宮 中華のサカイ 本店
京都府京都市北区紫野上門前町新大宮商店街北大路上ル92
京都市営地下鉄「北大路」駅からバス「大宮田尻町」下車