す いわゆる一蓮托生⋯
平安末の歌謡集『梁塵秘抄りょうじんひしょう』の中に一つ蓮という言葉で出てきます。⋯たとえ今生で結ばれない二人であっても、来世では必ずや蓮の花の上に、ともに手を取り合って生まれ変ろうとの強い願いを表す言葉。今は一蓮托生という語をマイナスイメージで使いがちですが、元々の意味は別のものになります。
梁塵秘抄が編まれた時代は源平の戦いの只中。若き武将平通盛みちもりと、美女の誉れ高かった小宰相の間には道ならぬ恋があり、叶わぬ縁を来世で蓮の葉の上で生まれ変わって結びたい、一蓮托生…と契り合う。
しかし通盛は一ノ谷の戦いで討ち取られて果て…平家物語で語られる悲話の一つです。
写真は湘南藤沢の市街地に残る蓮池でのまさかのショット。⋯何だろうこの人だかり、何とカワセミがきてます。カメラマンの押し合いへし合い。割り込んでスマホで撮ろうという私も、かなり身勝手ではありますね。
そんな小さな蓮池のまわりはびっしり住宅!湘南藤沢のこのあたりの地を鵠沼クゲヌマといいます。鎌倉時代は沼地と海の入り交ざっていた湿地帯でした。
◆夏の和歌 千載和歌集より◆
一声はさやかになきてほととぎす 雲路はるかに遠ざかるなり 頼政
源頼政は平家追討の狼煙を上げ先陣をきり、宇治で討死した源氏の歌人武将。ほととぎすを爽やかに詠む風流心も⋯
あはれにもみさおに燃ゆる蛍かな 声立てつべきこの世と思ふに 俊頼
なおさらに哀れなことであるよ、平然と光を放つ蛍よ、誰もそれぞれに悲嘆の声を上げながら生きるこの世だというに⋯
最近は時間があれば和歌集を開いています。和歌の三十一文字を活字に起こしたものは、私には千年前のメール、LINEとして映ります。そうなんだ⋯、同じだ⋯、確かに気持ちが伝わってくる⋯、そんな感じで私に、古人の想いがショートメール、LINEで直に染み込んできます。特に藤原俊成一人で選を果たした千載和歌集が身近に思えます。
千年前のLINEの三十一文字、恋人同士、関係性ある者同士で、その場で交わし気持ちを伝え、その息遣いが近い⋯。




