今や日本も保険社会。
学校の先生が、入試の際に起こした不手際とか、
子どもの人権損害などで訴えられた場合の損害保険、
なんてのもあるらしい。
色んなリスクに対して保険でバックアップする。
それも間違いではないかもしれないけれど、
逆に「じゃぁ、あとは保険会社がやりますから」
なんてことで、本人はその場に出て来ずに物事がお金で解決されていく
そんなギスギスした世の中に向かっているようで、怖いです。
以前、車のディーラーさんに対する研修の中で
チャイルドシートの付け方を指導する話がありました。
そのとき、最後に講師が
「万が一のときのために、絶対に付けてあげてはいけません」
と言われたのが、ものすごく引っ掛かりました。
万が一事故にあったとき、チャイルドシートの装着ミスだったりしたら
責任が持てないから、ということでしょう。
分かるけどしっくりこない。
やっぱりプロにきっちり付けてほしいと思うのが素人。
「万が一」が起きないように、キッチリ付けることが先じゃないの?
逃げることを先に考えるなんて、なんとも悲しい気持ちに。
でも、最近は多いですね、この手の話。
時計を買った店に、電池を換えに行ったら
販売員が「万が一のために電池交換はお断りしてますが、
それをご了承いただいた上で作業させていただくのであれば
交換いたします。」
ケイタイを新品に交換するとき
「万が一データがなくなることがあってもご了承ください。」
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人間だからミスはするでしょう。
でも、それが起きないようにするのがプロでしょう。
誠心誠意やっても、万が一のことが起きたのであれば
それはもうこちらも諦めますよ。
運が悪かったと。
でも、先に了承を取り付けておいたんだから
万が一が起きても、こっちの責任じゃありませんよ、
なんて言うのは許さない!
ずいぶん前に、NHKのプロフェッショナルという番組で
同じような話があったことを思い出しました。
田舎の診療所に勤めることになった若い医師。
診断ミスで、患者が危篤状態になり
救急車で運ばれた後、何とか一命を取りとめました。
親族と一緒に帰る車の中で、訴訟問題を覚悟して
「本当に申し訳ありませんでした。私のミスです。」
とその若い医師が涙ながらに謝った時、
その親族はこう言いました。
「先生、そりゃ人間だから間違いはあるでしょう。
仕方ないじゃないですか。それもまた運命です。」
これが日本人の心じゃないかと思うんです。
お互いを思いやる気持ち。
運命を受け入れる気持ち。
自分だけを守るために、あれこれ保険をかけてどんどん鎧を厚くしていく。
自分さえよければいいという思いですか?
でも、ぶつかると、結局お互いが血だらけになるんじゃないでしょうか。
・・・少し鎧を脱ぎませんか。