こんばんは〜!
今日は久しぶりに西加奈子さんの名作、『i(アイ)』を読み返しました。
 

 
前回読んだのが4年前!!
そんなに時間が経っていたとは驚きです。
 
 
自分の読書感想文を読み返しましたが、けっこうまとまっていたので(自画自賛笑)あらすじは割愛します。
あらすじが気になる方は4年前の記事をご覧ください^ ^
 
 
本書を出産前になぜ読み返したかというと、本書の装丁の絵(ぐるぐるうずまきのような絵)を「母体をイメージして描いた」と西さんがおっしゃっていたことが印象に残っていたから。
 
 
(西加奈子さんは絵も描く方で、著作のほぼすべての装丁は西さんご本人が描かれています)
 
 
改めて『i』を読み返してみて、装丁の雰囲気だけでなく、作品全体が母体に包み込まれているような、そんな温かさを感じました。
 
 
妊娠しているからこそ思うのかもしれませんが、『i』の主人公・アイは胎児のようだと思いました。
 
 
アイはシリア生まれで日本人の母とアメリカ人の父に養子として迎えられた、という自分の環境をありがたく感じ、そしてありがたく思いすぎて悩んでしまうのですが、そんな風に自分自身のことに真剣に・一生懸命になるアイの姿が「胎児」のイメージと重なって感じられました。
 
 
そしてアイの周りにはアイを肯定する温かい人たちばかりで。
 
 
両親はもちろん、ミナという親友にも恵まれるのですが、彼らの存在が繊細すぎるアイを守る母体のようにも見えてきたんですよね。
 
 
新たないのちを産もうとしている今だからこそ、恵まれたいのちもあればそうでないいのちもある、というこの世の不条理を心から痛ましく思います。
 
 
それと同時に、いま一緒にいられるいのちがある・つながっている人たちがいることへの喜びも強く感じます。
 
 
アイの繊細さは、いまの環境が愛おしすぎるからこそ裏返ってしまった反応なんですよね。
 
 
周りの人たちがそんなアイの繊細さを愛をもって全肯定してくれていて・・という関係性が今回の再読ですごく見えてきて、「なんて愛に溢れた作品なんだろう!!」と改めて感嘆してしまいました。
 
 

そしてもうひとつ思ったのは、自分が「満たされる」ことの大切さです。

 

 

自分はここにいてもいいんだ、と心から満たされることで、大切な人へ愛を注ぐ・愛を返すことができる。

 

 

これは31年生きてきて自分が実感していることなのですが、『i』を読んで「やっぱりそうだよな」と改めて思いました。

 

 

『i』の神秘的なラストシーンは、たくさん悩んだ末に周りの人たちから注いでもらった愛に気づき、そして心から「満たされた」アイが大好きな人たちへ愛を注ぎ返していくはじまりのシーンのように感じます。

 

 

自分が満たされることで愛に気づくのか、それとも愛に気づいて自分が満たされるのか、どっちが先かはわかりませんが、自分が他の誰かに愛を注ぐためにはまず自分が満たされることが重要だと改めて強く感じました。

 

 

(余談ですが、今、わたし自身はたくさんの愛に気づいて、たくさん満たされていると自覚しています。

だからその愛を子どもに思いっきり降り注いであげたいなと心から思いながら過ごしています^^)

 

 

そして最後にもうひとつ、こじつけかもしれませんが、ラストシーンがお産の瞬間のようにも感じられました(妊娠中であることに引きずられすぎ??)。

 

 

アイとミナが抱擁するシーンはカンガルーケアに見えて、「私はここよ。」という最後のセリフは産声に聴こえて。

 

 

光あふれる情景描写もお産のイメージと重なって、生命の強さや生きていることの喜びが強く伝わってきたんですよね。

 

 

お産メンタル(?)がゆえの感想だとは思うのですが、『i』を出産前に読んで本当によかったなぁと強く思ったのでした・・。

 

 

感受性強めな方、自分は繊細だと思う方は揺さぶられるかもしれませんが、光ある素敵な物語です。

 

 

素敵な装丁とともにぜひ作品世界にどっぷり浸ってほしい一冊です。

 

 
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