こんばんは〜!
現在妊娠9ヵ月、産休直前であわただしい日々を送っています。
 
 
妊娠発覚直後からこうなる未来は予想できていましたが、、、とっても疲れてます。笑
 
 
まず自分の身体の変化に毎日のように驚き、妊娠線ができてないか怯え、日々主張が激しくなる胎動にほっこりしながらぽんぽこりんなお腹に圧倒され、さらに仕事の引き継ぎやらベビー用品のチェックやらなんやらで大忙しで。
 
 
身体も心も変化がすごくてやらなきゃいけないことも多くてエネルギーをめちゃくちゃ消費します!!
身体が重くなってるからいままで通りぱきぱき動けないのがこれまたもどかしくなります😂
あともう少しだけ頑張ります。
 
 
そんなあわただしい最中に読むのは現実から別世界にトリップできる小説に限ります。
「別世界に」と書きましたがわたしと同じ妊婦さんの物語なので、読みながらうるうるきちゃいました。
 
 
 
角田光代『予定日はジミー・ペイジ』(新潮文庫)
 
 
「妊娠・出産×ロック」という、真逆のイメージの言葉がミックスされたタイトルに惹かれて読みました。
 
 
(ジミー・ペイジは英ロックバンド、レッド・ツェッペリンのギタリスト。参考動画↓)
 

 
 
日記形式で主人公「私」の妊娠期間が語られる物語ですが、妊娠への戸惑いや実感のわかなさ、既存の母親像への反抗が率直に語られていて親近感が湧きっぱなしでした。
 
 
「ぼんやり椅子に腰掛けている私を、白髪の医師は不安そうにのぞきこむ。私がこの妊娠を、喜んでいるのかそうでないのかさぐっているらしい。じつは私も喜んでいいのかそうでないのかよくわかっていない。こういうとき、どういう顔をすればいいんだろう。」(12頁)
 
 
読みながら自分の妊娠発覚時をつい振り返ってしまいます。
わたしは妊活していたので大きな戸惑いはありませんでしたが、妊娠検査薬で線が出ても産婦人科でみてもらっても「本当に・・?」と思っていました。しばらく実感が湧かなかったです。
 
 
妊娠初期の「私」は子どもができたことを素直に喜ぶ夫に温度差を感じ、不思議なつわり症状としてまわりにあるものを嘗めたくなるという衝動に駆られ、食生活を気をつけはじめ、妊娠日記をつけるようになります。
 
 
感情の起伏が激しくなったり怖い夢を見て不安に押しつぶされそうになったりする姿に大共感。
「私」がこの気持ちをひとりで抱えている姿も非常にリアルでした。
 
 
職場にいつ言おう・・言ったあとに何かあったらやだな・・ちゃんと育ってくれているかな・・ちゃんと母親になれるかな・・と悩んでも仕方ないことを悩み(悩むなっていう方が無理)、そしてこの情緒不安定さを周りに言えなかったのがいちばん辛かったです。何かあったら・・という不安がいちばん大きかったので。
 
 
「私」もわたしと同じように不安定になりながらもなんとか日々を切り抜け、準備をすすめ、昔すごく好きだった人をふと思い出して懐かしくなったり母親学級で母性あふれるプレママに出会って圧倒されたりしながら少しずつ自分の変化を受け入れていきます。
 
 
この物語を読みながら、わたしの場合とは全然違うのに「私」の心情がまるで自分のことのように感じられて本当に泣けてきました。
 
 
こんな風に思うのはわたしだけじゃないんだ良かった〜という安心感とこれまでの日々が懐かしくて時間の経過があっという間だったことへのさみしさと、そしてそれがはっきり言語化されたことへのスッキリした感じもあって、感情が昂って後半はずっとうるうるしていました。
 
 
「子どもができるとね、時間が過ぎることが心底実感できるんだよね。それで、過ぎたものは過ぎたもので、もう二度と帰ってこないって思うわけ。(中略)」
子どもを産むということは、時間を手に入れることかもしれない、と私はふと思い、思ったままを言ってみた。
「そうね、そうだ、ほんと」
Kはまじめな顔をして幾度もうなずく。「時間ってのはいつもいつも流れているんだけど、子ども産んだとたん、それが目に見えるようになる」
「そうか、ここには時間が詰まってるのか」突き出たおなかを神妙にさすると、Kは笑った。
(203頁)
 
 
つきでたおなかをなでさする。赤ん坊はちいさく動く。流れる窓の外の光景を見遣り、しげピーと会ったときに思ったことを思い出した。おなかのなかの生きものは、私たちが幾度もくりかえしてきた祈りみたいな気分でできている、ということだ。あの夜夫も言っていた。海や空を見てきれいだと思う気持ち、そういうものだけ吸い取ってこの子は生まれてくるのだと。
(242頁)
 
 
「私」は夫とふたりで過ごす最後の日々を噛み締めながら、新たな日々のはじまりへ思いを馳せていきます。
さみしい、懐かしい、楽しみ、嬉しい。
いろんな思いがごちゃ混ぜになりながら新たないのちが産まれようとするラストに涙が溢れて止まらなくなりました。
思いっきり泣いたら心がスッキリして、わが子の誕生が待ち遠しくなりました。
 
 
出産経験なしで本作を執筆された角田さんの筆力に脱帽しながら(本当にすごすぎる・・!!)、この物語に出会えてよかったと心から思いました。


妊娠中で未読の方全員におすすめしたいです!
新刊在庫がなかったのが残念・・書店の妊娠・出産コーナーに面陳してほしい名作です。
 
 
ちなみにわたしのベビーの予定日はゴーギャンと荒木飛呂彦(ジョジョの作者)です。笑
 
 
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