供養の陽光桜 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

陽光桜をご存じだろうか。

愛媛県東温市の高岡正明さんは、第二次世界大戦中、青年学校の教師をしていた。

校庭には大きな桜の木があり、招集されていく生徒たちを「再びこの桜の木の下に集まろう」と励まし、戦場へと送り出した。

だが、その約束は果たせないままに敗戦を迎え、高岡さんは、罪の意識にさいなまれた。

極寒の地、灼熱の地、遠い国で戦死した教え子の供養のために、高岡さんはどんな気候の土地でも花が咲く桜を作ろうと思い立った。日本全国の桜を見て周り、研究に研究を重ね、私財を投入し30年の歳月をかけて「陽光桜」を作り出した。

天城吉野(アマギヨシノ)と寒緋桜(カンヒザクラ)との交配によって開発し、華やかなピンク色が特徴だ。

陽光桜は、気温マイナス40度の極寒のシベリア、40度の熱帯のインドネシアでも咲く。

その桜を「陽光桜(ようこうさくら)」と名づけ、『平和の桜』として世界27カ国に無償で送り続けてきた。

 

その陽光桜をめぐる逸話に感銘を受けた人がいる。

草木染作家の高野葉(よう)さんは、もともとソメイヨシノや八重桜で染めていたが、陽光桜のことを聞きつけ、父の遺志を継いだ息子の高岡照海さんに会いに行った。

高岡正明さんの生き方を知るにつけ、少しでも陽光桜を知ってほしいと思い、平和への願いを込めて、陽光桜で染色を始めた。

試行錯誤を繰り返して抽出した染料で優しい色合いが出せた。

 

葉さんは、「かくれ家 風(ふう)」という名で、カフェも開いていた。毎日仕入れる新鮮な野菜を使って、緑に囲まれたゆったりとした空間で味わえる創作料理を提供していた。

しかし、新型コロナの影響で一時休業したが、カフェの名を「摘み草かふぇ陽光桜のかぜ」と改めて再びオープンした。

草木染めの染料だった野草を食べてもらい、免疫力を上げて自然治癒力をアップし、コロナ菌に負けない体をつくるきっかけにしてほしいと考えた。

そして、この場所で、正明さんの命日に、陽光桜のことを描いた『桜物語』を朗読しながら、正明さんの偉業を伝えてきた。

 

ちなみに、高岡正明さんの生涯は、笹野高史さん主演で映画化され、Amazonプライムで観ることが出来る。
映画『陽光桜ーYOKO THE CHERRY BLOSSOM』公式ウェブサイト
http://www.movie-yoko.com/

 

実は、葉さんは、片道2時間かけて、名古屋ことば磨き塾に来てくれている。そこで出会ったボイスパフォーマーの白樺八青さんと意気投合し、葉さんのカフェで朗読&コンサートをすることになった。直感人間のボクは、三重県玉城町のカフェまで行ってきた。そこは、佳き氣の流れる場所だった。気持ちを落ち着かせてくれる場所だった。また行きたいと思わせる場所だった。

 

 

5年前に植樹した、陽光桜が、きょう初めて開花したそうだ。

 

陽光桜のことを描いた『桜物語』を朗読する高野葉さん。

おおたか静流作詞「陽光桜」を歌う白樺八青さん。

ピアノは平山晶子さん。

 

山に水を 花に風を 空に光を

どこにいても 君への思いは深く

桜 海を越えて咲き誇る

夜に歌う夢の鳥は北へ南へ

どんなときも心の扉を照らす

桜 千の星を見上げている

地上をめぐりつなぐ言葉

君に伝えよう

いつの日にか笑顔が溢れますように

桜 海を越えて咲き誇る…

 

カフェ「陽光桜のかぜ」

高野さん手作りのランチ