銀座7丁目の電通銀座ビル。
1933年の竣工で、8階建ては当時銀座随一の高さであった。
1936年に電通の報道部門を引き継いで当時日本最大の通信社となった「同盟通信」のオフィスが入った。事実上の国策通信社であった。
ビルの最上階8階はロイター、AP、UPなど有力な国際通信社をはじめ、各国の特派員が支局を構える専用フロアであった。
そしてヴァイス博士が支局長のDNB(ドイツニュース)も入っていた。
ソ連のスパイであったリヒャルト・ゾルゲは、ドイツの主要紙「フランクフルター・ツァイトゥング」東京特派員の記者証を持っていた。(正式な特派員ではなかったという)
彼は情報収集のために、このDNBの支局に顔を出すのを日課としていた。
1939年9月、ポーランドへ侵攻したドイツに対して英仏両国が宣戦布告した翌日、フランスの通信社アヴァス(AFPの前身)の特派員ロベール・ギランはこの8階でゾルゲと鉢合わせした。彼はその時のエピソードを自著『ゾルゲの時代』に記している。
そんなビルが今も銀座にあることに、現代史研究者(ファン)として胸が揺さぶられる。
正面玄関上部には当時の社章の五芒星、その左に吉祥天、右に広目天のレリーフが飾られている。
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