これまであまり外出も出来なかったむー母にはささやかな願望がある。
活気のある
「病院
」へ・・行きたいのだ
「スーパーへ行きたいんじゃなかったのか 母ちゃん」
「スーパーは人が多いけど活気
がないわよ」
「病人ばかりで 病院の方が活気がなかろうが」
「あるわよ みんな忙しそうに働いているし・・」
「スーパーだって忙しそうだぞ 母ちゃん」
「スーパーの客も 病院の患者さんもあまり喋らないで無言の時間が長いでしょ
」
「たしかにあまり喋らんな 喋っても小声だ」
「座って待っているか歩いて欲しいもの探しているか」
「そうだな・・黙々と 自分の世界だな」
「スーパーのスタッフはレジにいて 病院のスタッフは患者の為に懸命に働き 動き回っているでしょうが」
「たしかに人数が多く 動きも多様 声の大きさも違うな 笑顔
もあるし」
「見ていて気持ちいいでしょう~
」
「そう言えば・・急に気持ち良くなってきた
」
「どちらが活気
があるのよ
」
「び・・びょういん・・」
「そうでしょ
」
「勉強になった・・わい」
「バカね 勉強なんて大層なものじゃないし 見れば誰でもわかるでしょうが」
ふつうは・・わからん
たしかに何度か先生やスタッフの女性の親切な対応にお礼を言った。
やはり・・思考の起点が違う、無意識だが物理的思考と観察力が鋭い。
同じような条件を消去して対比、分母を揃える分数計算のようなもので数学センスもある。
病院は活気があって最高・・などという人間には会ったことがない。 行きたくない人の方が圧倒的に多い。
病院に来ても・・本当は来たくない顔をしている。
客を見ず、職場として見た場合、多種に及ぶ仕事ぶりが一目瞭然なのが病院だな。
順番待ちで大繁盛
しているし・・
お金使う場所として、滞在時間はスーパーの比ではなく、映画館よりはるかに長い。
病院からの帰り、淋しそうに母はつぶやいた。
「治るのは嬉しいけど、2週に一度じゃ楽しみがなくなるね~・・・」
「・・・ ・・
」
「治っちゃったら もう行くことないのね・・
」
「わかった母ちゃん 時々連れて行ってやる
」
「ホントに
」
「完治をもっと遅らせればいいんだ
ゆっくり」
「苦しいのはもうイヤよ・・胸に針突き刺すのも痛い」
「じゃ・・健康になったら毎月健康状態を診断してもらえばいい」 また担当の先生に会えるぞ
「それ・・いいわねえ
」
母は嬉しそうに笑った。
きっとその辺の職員を捕まえてお笑いを連発するだろうが、その時は離れて知らんぷりしとこう。
身内と思われたら恥ずかしいしな・・
母からはまだ学ぶことが多い。
むー母のお笑いセンス
http://ameblo.mom/muu8/entry-12077008838.html
迷子のむー母
http://ameblo.mom/muu8/entry-12050412259.html
大声出せなくなったむー母
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むー母の華麗なる棒術

