まな板いっぱいの大型黒鯛
丸々と太った大型の黒鯛をさばいた。重さは1,5kgで卵を持って太っている。黒鯛は今がのっこみと言われる産卵期だ。この時期が一番脂がのって美味しい。産卵が終わるとげっそりと痩せて美味しくなくなってしまう。黒鯛釣りに熱中する人は多いが、食べるのが目的ではなく、繊細なあたりと強烈な引きに惹かれるようだ。中学高校の時、黒鯛は潜っていやと言うほど突いた。行けば必ず持って帰る。今もその気で潜れば必ず数枚は手モリで突いてくる。筏の上でじっと待つ釣りは苦手だ。食べるなら突いたほうが早い。
黒鯛は頭も骨も良いスープがとれるからいらない内臓以外は捨てない。とても食べきれないから小分けして冷凍ストック、最初はゴリゴリの身を焼き霜造りにした。カツオと同じように皮を焼いて氷水で冷やす。魚は皮と身の間が一番美味しい。火と氷だから「焼き霜造り」とも言うが湯でもかまわない。皮に熱湯をかけて火を通せば「湯霜造り」になる。カツオの皮は薄いが、魚によっては熱の通りがあまいと皮が硬くて噛み切れないから加減が必要だ。マダイや黒鯛のように皮の厚い魚は熱湯を二回くらいかけたほうが最初は無難だろう。タンパク質は熱を加えることで旨味が増す。タタキは9割の刺身と1割の焼き魚のサンドイッチのようなもので、表面の生臭味も消して魚を美味しく食べる日本人の食文化とも言える。カツオのように平たく並べて薬味を混ぜて庖丁で叩けば「タタキ」にもなる。タタキと似たような中華風、洋風刺身もそのうちに紹介する。カルパッチョのようなものだ。そのほうが単調にワサビ醤油で食べるよりも食欲が進んでたくさん胃袋に入る。

