ハエとり蜘蛛と遊ぶ | 野人エッセイす

野人エッセイす

森羅万象から見つめた食の本質とは

ヒマそうなハエとりグモと遊んだが結構楽しかった。まあこちらもヒマだったのだ。洋式トイレに座っているとやることがない。正面の壁に1cmくらいのヤツがじっとしていて目が合ってしまった。普段アイツと会話は交わさないが今日は話しかけた。まったく動かず知らん振りしているので強い気を送るとピクリと反応した。やがてモソモソ逃げ始めたので「止まらんかい!」と気を送るとぴたりと停止する。別の方向に歩き始めたのでまた同じ事をするとぴたりと止まる。そして足を上げてこすっている。困っているのだ。アライグマみたいな「洗い蜘蛛」だ。なかなか素直で面白い。指を差し出すとまた逃げ始めた。再び「この指とお~まれ!」と差し出すと今度は飛び移った。そして足早に腕を伝って寄って来る。肩まで来ると背中に回って見えなくなった。しばらくして太腿にあいつの感触が・・下を見るとパンツの下から這って来ている。逃げずに這い上がって来るところがなかなか健気だ。「こらこら~落ちるなよ!」。便器に落ちてもらっては困るのだ。救出しなくてはならない。かと言って変なトコに飛びついてもらっても困る。そこはハエではないのだ。ハエとり蜘蛛は風呂場でも数匹は救出した。お湯を流せば溺れるか茹で上がってコロリだ。世話のやけるヤツだ。こいつはその中の一匹かもしれない。ハエも見かけないのに何を食って生きているのか。蜘蛛はたくさん生まれるはずだが、数が少ないのは生存競争が激しく、こいつも懸命に生き残って来たのかも知れない。

用が終わり、探してもあいつが見つからない。かと言ってパンツの中で悶絶死させるわけにもいかない。トントンと軽く跳ねるとス~っと糸を引いて膝にへばりついた。再び壁に戻してやると先ほどの定位置に戻った。頑張れよと声をかけてドアを閉めた。いや、思いなおして少し開けておいてやった。小さな虫が入ってくるかも知れない。あいつが小さく丸まって死んでいる姿は見たくない。ついでに窓も少し開けておいた。