恋愛とは読んで字の如く「恋」と「愛」。恋と愛は微妙に違う。相手を好きなことには違いないが、恋は求める心、愛は与える心だ。求める心は誰もが同じようなもの。人である以上、心だけ求めるのはやや不完全、体だけ求めるのは恋ではなく本能で、恋心が募れば身も心も求めたくなるのが自然な形だろう。愛には人それぞれ色々な形がある。人を愛するとは無償の愛を与える事だ。心から人を愛するようになれば、どうすればその人が幸せになれるかだけを考えるようになるだろう。求める心と愛する心、恋愛は陰陽のバランスで継続する。人は常に永遠の愛を求め、確かめる事で安心する。全宇宙の道理は「諸行無常」であり「空即是色」「色即是空」だ。新しく生まれ、形あるものは無に戻って行く。たとえ短い間でも命を燃やす事が出来たなら幸せな事だと思う。一瞬でも一年でも十年でも同じ事なのだ。一時たりとも同じ状況などはない。しかし人の欲望は際限がない。恋すれば誰もが永遠を望み、覚めれば一刻も早い別れを望む。継続出来ないのは互いが求め過ぎるからだろう。何でも言い合える関係になると我がぶつかり合う。主張が食い違い、「価値観の違い」なる言葉まで飛び出す。人は価値観で人を愛するのだろうか。世の中にはまったく同じ考え、価値観の人間など存在しない。異なるから死ぬまで退屈しなくて学び合えるのだ。体格、容姿、優しさ、考え方、財力などで相手を選ぶのは、優秀な子孫を残そうとする本能だから惹かれ求めるのは仕方がない。しかし恋愛とはやや異なる気がする。恋愛は心と心のふれあい、恋愛に理由はいらないように思う。母は子に愛を注ぎ、与え、求めない。無理にやらせるのも良否は別にして子の将来を思うからだ。男と女の恋愛も同じものだ。愛に変わりない。愛は求めるものではなく注ぐもの。求めるのは欲望に他ならない。寂しいからと相手を求めるのは恋であり自分一人の欲望だが人である以上それも仕方ない。陰陽のバランスが壊れるのはそんな時だ。愛は誰もが欲しいが、求めて得られるものではない。人は愛を注ぐ事を忘れた時に失恋する。尽くして行動や物を与える事が愛ではない。「こんなに愛しているのに」と思えば思うほど納得が行かず未練が残り、忘れられずに負の心を引きずることになる。心を整理し、傷を残さず新たな道を歩くには陰陽の法則を知り、納得するしかない。そして過ぎ去った自分の心を責めないことだ。そうして人は成長し、やがては自分に合った愛の形を見つけることだろう。どんな形でも自分が愛だと信じれば愛に変わりはない。