野人流剛式呼吸法のやり方を参考までに書いておくが、おいそれとは出来ない。
最大の特徴は、瞬時に汗が吹き出ると言う事だが理由がある。どんなスポーツでも武道でも今流行りのエアロビクスのような減量法でも使う筋肉は限られる。つまり何処かの筋肉に集中するのだ。一瞬に全力を集中させるウェイトリフティングのようなスポーツは少ない。この剛式呼吸法は、体中の筋肉と言う筋肉のパワーを全開させ、これ以上ないくらい力を出し切る。足のつま先から腹筋背筋、腕の内側も外側も手首も握力も全開だ。しかも呼吸はこれ以上空気が出ないくらい吐き出した状態で数秒やる。体中の筋肉すべてを同時にパワー全開することなどは人生ではあまりないはずだ。それをやってのける。意識も集中させるから体中から強烈な「気のパワー」がブワ~!と吹き出るのを感じる。「魔も恐れをなす」パワーだ(笑)。指揮系統の「気」が体の全ての細胞に「パワー全開」の号令をかけ、全身を鋼のようにしてしまう。これ以上一瞬でエネルギーを使う運動など存在しない。汗が瞬時に吹き出るのも当然だ。「火事場のクソ力」と言われるパワーがこれに当たる。意識と、脳の指揮系統と筋肉細胞が「一体」になる呼吸法なのだ。一回で相当疲れる。
やり方は、肩幅で騎馬立ち、爪先は前方よりもやや内側、膝を少し曲げて腰を落とし、背筋を垂直に伸ばす。両手を後頭部に組み、肘を横に開くようにして思い切り鼻から息を吸い込む。今度は口から、細く長く息を腹から搾り出すと同時に組んだ手を後頭部から離し、横綱の土俵入りのように横から回すように前方に持ってくる。その間10秒で8割吐いて、手の平を上に向けて重ねる。くるりと滑らせるように手の平を内側に返しながら左手で右の手首を強く握る。右の拳も強く握り締める。腕ごと引き寄せればわき腹まで挟みこむように密着する。その姿勢で腹を締め付けながら最後の二割の息をハッ!ハッ!ハッ!っと3回に分けて無理やり絞り出す。吐ききった状態で最後に「カアー!」っと5秒間「全筋肉パワー全開」だ。拳に力を入れて腕で腹を思い切り締め付ける。足の爪先から腕も背筋も腹筋も全力を出し切る。体中の全ての細胞のエネルギーが数秒間「一丸」になる5秒間なのだ。その時の肉体は石そのものだ。振り下ろされた角材すら跳ね返してしまうはず。体中がそうなのだから普段は指揮系統が及ばない内臓も「非常事態宣言」でキリリと引き締まるのだ。息を吐き出さないと出来ない理由がある。全て筋肉を硬直収縮させると「肺」は空気を満たす事が出来ない。中途半端に入っていると筋肉も収縮出来ないのだ。試しに息を吸ったまま力んでみればわかるはず、そのまま口の力を緩めたら「ボシュ!」と空気が口から吹き出るはずだ。体内に空気が入ったままパワー全開は無理だ。力を出し切った瞬間に汗腺も全開、汗が滲むはず、出なければパワー全開にはなっていないということになる。この呼吸法は3回以上やっても意味がない。そう何度も出来るものではない。半端な呼吸法はやらないほうが良いのだ。一回だけでも十分効果がある。全身フルパワーが出来るようになるには練習しかない。森羅万象からいただいた「五体の天性機能」を発揮するには、瞬時ではあるが、たまには「合同訓練」も必要だ。宇宙に存在するものすべてに陰陽があるように、剛も柔も必要なのだ。ゆっくり呼吸する健康法も、ジョギングのような持久力も、パワー全開の瞬発力もすべてバランスが大切だ。体の電位は欲を張れば+に無気力は-になり類は類を呼ぶ。いい加減、適当が丁度良いのだ。理性も感性も、バランスのとれた野人でいたいと思っている。