最近読んで面白かった本をご紹介します。
- ボタニカ問答帖/京阪神Lマガジン

- ¥2,160
- Amazon.co.jp
筆者が、擬人化された植物にインタビューするという
ユニークな形式で
植物の面白い特徴や生態が描かれています。
美しい植物の写真も同時に楽しめます。
一部を引用してご紹介します。
**********************
サルビア~蜜を持て余す女~
「(花粉を)ハチドリに運んでもらう約束なのよ。
それでわざわざ彼ら好みの体にしてるのに」
----彼ら好みの体に。
「そう。彼らは燃えるような赤が好き。地味な色には見向きもしない。
しかも決して花にはとまらないわ」
----花にとまらずに蜜を吸うのか?
「彼らの得意なホバリングよ。
せわしなく羽ばたいたまま長いくちばしを差し込んで
事が済めばさっさと行ってしまう。
でもそれってお茶を出しても座らないようなものじゃない?」
----うむ。なんだか切ない話だな。
「決して深入りしない男なの。憎いわよ。だけど彼が必要。
だからこっちも羽ばたく邪魔にならず
簡単に蜜が吸えるよう横向きで筒状の花を仕立てたわけ。
寸法もくちばしに合わせてね」
(中略)
かくしてサルビアは今日もその蜜を人に吸われる。
特定の付き合いばかりに入れ込むと
リスクも高いという話である。
**********************
鳥を花粉媒介者にする花は
香りを出さずに鮮やかな色を持つ植物が多いそうです。
それは、鳥は虫よりも嗅覚が弱く
色覚が発達しているためだから。
・・・というように
植物図鑑に載っているような知識を
植物自身のセリフで読めるのが、面白い!
植物は、蜜で虫を溶かしたり
他の木にからみついて高いところに咲き
日の光を浴びようとしたり。
とにかく、種の保存のためになりふり構わず
あの手この手で戦略を駆使し
時には自分の体の形を変化させながら
生き延びようとします。
そのサバイバルな生命力は
実にたくましくひたむきで感動してしまいます。
同じ種の人間同士で殺し合いをしたり
必死に生きよう、婚活しようとする人を馬鹿にしたり
自ら自然を壊しておいて、
自然環境が狂いだすと慌ててなんとかしようとしたり。
植物からみたら、そんな人間の姿は
さぞかし滑稽に見えるのではないでしょうか。



