生成宇宙論ver.1.1
――意図・参照・生成・制限としての世界
本理論は、可能世界を実在的存在論として扱う立場および多世界解釈を否定しつつ、意味論的道具としての可能世界概念を生成論的に再定義する。
世界とは、主体の意図に基づき参照され、その都度生成され、即座に制限・削減されていく過程である。
1. 観測とは意図による生成である
観測とは、既存の世界状態を写し取る行為ではない。
また、観測によって複数の世界が分岐的に実在化するわけでもない。
観測とは、主体に内在する意図(生成制約・評価基準)によって、次の世界状態が生成されることである。
- 観測は結果ではなく過程であり
- 意図は結果を決める力ではなく
- 参照可能性を立ち上げる条件
2. 可能世界の再定義
――存在ではなく、意図による参照
可能世界は物理的実在ではなく、主体の意図によって一時的に参照される内部モデル・イメージ・仮構である。
参照とは、意図することである。
参照には注意・計算・記憶といったコストが伴い、参照されない可能世界は主体にとって意味を持たない。
3. 可能性保存理論の否定
可能性を保存する理論は、計算量を爆発させ、生成を空洞化し、共有現実を説明できない。
- 計算量:有限主体には実装不可能
- 生成の不可逆性:保存は生成と矛盾
- 共有現実:共有されない構造は現実にならない
4. 自我と意図
意図は主観に属し、その担い手が自我である。
意図とは、生成過程における制約条件・評価関数の選択であり、参照可能性と生成経路を決定する。
5. 自我の抽象度構造
自我は単一ではなく、抽象度の異なる複数の自己モデルからなる。
生成経路の包摂関係によって定まる半順序集合束(ラティス)
6. 分岐・回収・収束
- 分岐:低抽象度での自由な生成
- 回収:高抽象度による最小上界
- 収束:長期的制約への収斂
分岐は許されるが、終域は強く制限される
7. 抽象度と時間
時間とは、ラティス上での具体化と抽象化が連続する生成過程である。
- 現在:低抽象度・高分解能
- 未来:高抽象度・低分解能
世界は存在するのではなく生成される。
観測とは意図による生成であり、参照とは意図することである。
可能世界は保存されず即座に削減される。
生成は高次意図へと収束する。