
土御門では、皇子の産養が行われた。
道長がサイを振って、五の目が出た。
一同から「おおー」
まひろの実家に正月用のお酒と米とお菓子と、賢子に織物
まひろ「賢子の裳着もぎに何か頂戴したいと申し上げたら、この織物を賜ったの」
惟規「やっぱり自分の子はかわいいんだな」
為時「ちょっと待て。惟規・・・今何と申した?」
惟規「父上 知らないの?」
為時「賢子は左大臣様の子なのか? なんということを・・・」
まひろに「宣孝殿は何も知らずに逝かれたのであろうな」
まひろ「いえ、何もかもご存じでした。その上で一緒に育てようと仰せくださり本当にかわいがってくださいました」
為時「はあ・・・ 左大臣様はご存じなのか?これはいい折ゆえお話ししたらどうだ?」
賢子が帰って来て「どうかしたの?」
為時「今左大臣様からのお前への贈り物を見ていたのだ」
賢子「要りませぬ。そんなの」
1010年
子の日の宴に、道長も為時も出席した。
道長がまひろに「何か私に言いたげでずっとこちらを見ておった。そして宴のさなかいきなり帰っていった」
まひろ「きっと華やかな場所で調子が狂ったのだと存じます。父にはきつく申しておきますのでお許しくださいませ。これより中宮大饗の支度がございますので、失礼いたします」
公任「道長の御孫君が東宮となられるのは随分と先の話だな」
道長「できれば俺の目の黒いうちに敦成様が帝とおなりあそばすお姿を見たいものだ」
伊周は横になって寝込んでいた。
「俺は奪われ尽くして死ぬのか・・・」
隆家「敦康親王様のことは私にお任せください。安心して旅立たれませ」
「道雅・・・」
手を握り「左大臣には従うな・・・。低い官位に甘んじるくらいなら出家せよ」
道雅「分かりました」
伊周は36年の生涯を閉じました。
一条天皇「伊周は敦康のことが心残りであるはずだ。敦康を次の東宮にする道筋をつけてから、朕はこの世を去りたい」
行成「そのようなことを仰せになってはなりませぬ」
一条天皇の様子がおかしくなった。
「敦康の元服を急がねばならぬ」
行成「ただいま日取りを陰陽寮にはかっております」
一条天皇「これで中宮の出産に紛れることなく敦康の元服を世に示せる。よかった・・・」
道長「伊周の最期はいかがであった」
隆家「怒りも恨みも全て捨て去り穏やかに旅立ちましてございます」
道長「そうか・・・冥福を祈っておる」
隆家「この先は敦康様の後見を私がお務め申し上げたいと存じます。私は兄とは違います。敦康様の後見となりましても、左大臣様にお仕えしたいと願っております。どうかそのことをお認めくださいますよう、伏してお願い申し上げます」
道長「大切にお守りいたせ」
隆家「脩子内親王様、亡き兄を継いでこれから先は私がお世話申し上げます。
脩子内親王「よしなに頼みます」
ききょう「左大臣様はどんなお顔をされているのでしょう・・・。とうとう伊周様まで身まかられてしまいました。悔しくてなりませぬ。あれほどお美しく尊かった方々が何故このような仕打ちを・・・」
道長と倫子の次女・妍子(きよこ)「今日は、姉上にご挨拶に参りましたの」
東宮・居貞(いやさだ)親王の后になることが決まっていた。
「姉上はお幸せですわ。お美しい帝のもとに入内なさって。それに比べて 私は18歳も年上の東宮様に奉られるのでございますよ」
彰子「東宮様は スラ~ッとなさっていてりりしいお姿だったわよ」
きよ子「スラ~ッとしてりりしくとも年寄りは年寄りでございます。それに東宮様は娍子様をこよなくめでておいでとか。私なぞきっと見向きもされませぬ。まっ、年寄りにあれこれされるよりはよいかもしれませんけれど、最初から負けているのも何だか悔しゅうございます」
彰子「宿命にあらがわずその中で幸せになればよい。きっとよいことがあろう」
きよ子「父上は、帝の皇子も東宮様の皇子も自分の孫にして、権勢を盤石になさろうとされるお方。母上も父上と同じお考えでございましょう。私たちは父上の道具にございます」
彰子「道具だなどと・・・」
まひろ「恐れながら、そのようなお言葉は、ご自身をおとしめられるばかりかと存じます」
きよ子「何かうるさい。この人」
まひろ「ご無礼つかまつりました」
居貞親王が道綱に酒「いつも世話になっておる」
道綱「東宮様・・・とんでもないことでございます」
居貞「敦明ともども末永く頼りにしておるぞ、道綱」
道綱が道長へ「きよ子様は相当な宴好きだな。毎日宴をやっておるのだよ」
道長「東宮様のお怒りを買わねばよいが・・・」
道綱「それが案外お優しいのだ。やっぱり 若い女は いいのかな?」
道長「ふ~ん・・・。まっ、東宮様がお許しくださるならばそれでよい」
右大臣・顕光は、次女延子の婿に東宮の皇子・敦明を迎えた。
道長への牽制であった。
彰子「敦康様どうかご立派にご元服あそばしませ」
敦康親王「元服してしまえば藤壺で中宮様と語ろうことも許されないのかと思うと、さみしくてなりませぬ。母亡きあと中宮様に賜りましたご恩生涯忘れませぬ。中宮様のお優しいお心 楽しかった日々・・・」
彰子「これからも敦康様を我が子と思いご成長をお祈りしております。立派な帝におなりあそばすために・・・。精進なさいませ」
敦康「中宮様・・・」
2人は手を取っていた。
道長「ご元服の儀式私が加冠役を務めることとなりました」
敦康「よろしく頼む」
道長「晴れてお独り立ちでございますな」
道長「敦康様は お前の物語にかぶれ過ぎておられる。中宮様のお手を取って、もはや危うい。光る君のまねなぞされては一大事である」
まひろ「つまらぬことを・・・」
道長「つまらぬことであろうか?」
まひろ「もし、そうだとしたらどういたしましょう。この先がご心配でございますね」
道長「からかうでない」
まひろ「ずっと中宮様とご一緒におられましたゆえ、お寂しいだけでございましょう」
道長「光る君も同じではないか。もうよい。なんとかいたす」
道長が行成に「敦康様のことだが、明日のご元服後は速やかに竹三条宮にのみやお移し申し上げろ。頼んだぞ。一日の猶予もならぬ」
惟規が従五位下に叙されました。
「臣惟規 詔を拝し奉り慎みてお受けつかまつりまする」
惟規「いや~ 信じられないな。そんなに 真面目に働いたわけでもないのに」
いと「若様の赤い束帯、ご用意してありますよ。いつかこういう日が来ると思ってひそかにご用意しておりました」
惟規「いとは、俺が赤い束帯を着るほど偉くなると思ってたんだな」
いと「幼き日より私がお育て申し上げたのでございますよ」
惟規「そうだな」
いとはもう泣きそうになり、惟規といとはハグ。
いと「上向いてまいりましたよ ご運が」
更に春の除目で為時が越後守に任じられ、挨拶した。
道長「うむ。帝の御ため一層尽くされるがよい」
惟規「恐れながら左大臣様姉もお世話になっておりまする。姉は気難しくて、人に気持ちが通じにくいのでございますが、どうぞ末永くよろしくお願いいたします」
道長「うん。中宮様のご在所に寄って藤式部の顔を見てやれ」
2人「ははっ」
為時「ここが お前の仕事場か」
まひろ「いかがされたのでございますか?」
為時「左大臣様は やはり お前には親切だな」
まひろ「そんなことありません」
惟規「賢子も 藤壺に上がったらいいよ」
まひろ「父上、越後は越前よりも遠く冬も一層厳しいと聞きます。どうぞお気を付けて」
為時「もう会えぬやもしれぬな」
まひろ「そのような弱いお心では越後守は務まりませんよ」
惟規「姉上は勤めがあるから、こたびは私が越後まで父上を送ってまいりますよ。気分を変えに越後まで父上を送ってまいります」
賢子の裳着
惟規「これでお前も一人前だ。婿も取れるし子も産める」
賢子「重とうございます。今日までお育てくださってありがとうございました。おじじ様のご恩は忘れませぬ」
為時「はあ・・・じじを泣かすようなことを言うな」
惟規「賢子はまことに越後には行かぬのか?」
賢子「はい。もう一人前ですゆえ、いとと乙丸ときぬとこの家を守ります」
まひろ「女房となって、藤壺に上がるのが嫌なのですって」
惟規「宮仕えをしたら高貴な男たちがより取り見取りだぞ」
賢子「宮仕えはいたしませぬ。母上と同じ道を行きたくはございませぬ」
為時「頑固なところはまひろによく似ておる」
惟規「姉上の裳着の時は、姉上と父上の仲は最悪だったな。父上と目も合わさない姉上怖かったよ」
まひろ「思い出したくないわ。あのころのこと」
惟規「親子って変わらないようで変わるんだな・・・」
まひろ「賢子と私の仲もいずれよくなるってこと?惟規「多分ね。だって賢子の母上は姉上だけなのだから。そういえば左大臣様の姉上への気持ちも変わらないな~。斎院の中将の君の心はコロッと変わったけど・・・。それに比べたら 左大臣様はすごいよ。きっと・・・みんな うまくいくよ。よく分からないけど そんな気がする」
まひろ「調子のいいことばっかり言って。父上をよろしくね」
越後へ行く途中、越後の国府で、突然惟規の具合が悪くなった。
文を書きだした。
惟規は為時に見守られながら、息を引き取った。
実家で便りを聞き、いとは嗚咽した。
まひろ「都にも恋しい人がたくさんいるゆえ何としても生きて帰りたいって」
まひろも泣いた。
賢子が背中をさすってくれた。
前回の「光る君へ」の記事はこちら(2024年10月13日)
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では、明日。