◆篠原涼子の「ハケンの品格 2ndシーズン」最終回 | ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

いつしか食べ歩きがライフワークになってしまった今日この頃。
美味しかった店はもちろん、雰囲気の良かった店を紹介していきます。
2023年12月に外食記事 4000号を達成しました。
ちょこちょこ地域別索引も更新中。



#07

東海林は、「営業企画課は危機感が足りない。いずれ誰かの首が飛ぶぞ」
里中は、東海林自身がリストラ候補に挙がっていることを知っているため、聞いていてドキッとした。

里中は、社長にリストラリストについて直談判した。
「直営のコンビニエンスストア」の企画書を出した。
社長「今AIが有れば、顧客の徹底分析ができる。起死回生の一手だな。成功すればリストラの必要もなくなる。業績が回復すれば株主も納得するだろう。言い換えればだ、失敗したら終わりだ」
東海林は指令が来ないんだと言う。

里中は、スペインバルに来た。
大前「AIはあなた方が思っているよりも優秀です。
AIはうっかりミスはしません」
里中は「高校は野球部だった。野球の醍醐味ってエラーだ。エラーしてその後どう頑張るか。エラーしたキャプテンは食らいついて二塁打を打った。ムードメーカーなので、みんな盛り上がって逆転勝ちした。そのキャプテンって、なんとなく東海林さんと似ていて」
大前「話が長い!」
里中「AIには人の心まで読み取れない。挽回したいとか、見返してやるとか、代わりたいとか、そんな心は読み取れない」
大前「言っておきますが、社長賞を取ったくらいでは、何も変わりませんよ。この状況を変えたいのなら、あなたが変わるしかない」
里中「僕はどうすれば・・・」
大前「「私はAIではありません。自分で考えてください」
里中「すみません」
大前「13年経っても、課長になっても、やっぱりあなたは甘ちゃんです。でも、人を動かせる力は備わっています。私の人を見る目はAIよりも優れています」

福岡、三田、宇野がカメラ付きメガネをかけて、普段どおりにコンビニに入って買い物をした。
里中、浅野らが動きを分析した。
レジのところに和菓子があった。

里中に、常務から「プロジェクトが成功したら取締役に推薦する。奮起したまえ」と言われた。
里中「すべて私のやり方でやらせてください」

AIのリストが優秀な社員の間だけで広まっていることが噂になって来た。
「里中課長、常務や社長から呼び出されているしな」

里中は、AIに頼って考えない社員たちにハッパをかけた。
里中の本気に対して、社員たちは付いてこなかった。

会議の場で宇野は「うちの社の商品が主力並ぶわけだから、オリジナリティはあると思うけどなあ」
大前「甘い。そんなことでは大手コンビニには到底太刀打ち出来ません。少子化、高齢化、現代の日本に対応するためには競合との差別化は必要不可欠です」
宇野「だったら、妙案出してみろよ」
里中「大前さん、アイディアがあればお願いします」
大前「派遣の私が社運をかけたプロジェクトに物申すなど、出過ぎたマネです」
浅野「大前さんの力が必要なんです」
大前「ベビーカーや子ども連れの女性客も視野に入れるべきです。特に働くお母さん方には時間がありません。コンビニに来るのは手ぶらでふらっと来れる来店客ばかりではありません。ふらっと来にくい人が、ふらっと来れる店がいい子店なのです」
里中「あーなるほど」
コンビニやスーパーの補助・中間というキーワードが出て来た。
里中「働く女性や働くお母さんをターゲットに、彼女たちが便利に使えるお店を目指すのはどうでしょう。大前さんどうですか」
大前「異論はございません」
そして「アジフライ」と口にした。

店舗の商品の配置が決まった。
黒豆ビスコンティも、置かれた。

昼休みに千葉は簿記の勉強をして、福岡は1人ランチ。
近が様子を見に来た。
福岡は「私みたいな人間が生きていくために、一体何から手をつけていいのか分からなくて」
東海林「大事なのは、目標とするビジョンだな。自分がどうなりたいのか、それがはっきりすれば、自然とやるべきことは見えてくる。
福岡「大前さんみたいになんでもできて、みんなから頼れられるみたいになりたいんですけど」
東海林「大前春子?目標が極端だな。大前春子を目指すってことは、AIを目指すってことと同じだ。人間業じゃ無いってことだ。一回大前春子は忘れようね」

近は出勤データを取りに来たが、里中がいなかった。東海林がパソコンのデータを見ると言う。
人材スリム化リストをみて、「東海林武・バツ」
そこにいた社員たちは疑心暗鬼・パニックになった。

里中は店舗にいた。
窓を取り付ける業者が来なかった。
浅野が電話したら、会社が大騒ぎになっている。
浅野「みんなすごく動揺している」
里中「こっちの仕事も、ギリギリなんだ」
浅野「私は、どうなんでしょう」
里中「浅野くんはリストに載っていない」

福岡、千葉「皆さん大丈夫なんですか?」
大前「そんなことより自分の心配をしなさい
派遣も正社員も一寸先は闇」

里中が会社に戻ったら東海林がいた。
東海林「すぐに説明に飛んでくると思ったよ。
里中「開店準備でそれどころじゃなかった」
東海林「それどころ?なんだよその言い草。大事な昇進がかかっているもんな。弁解もしないのかよ?
あいつら、お前が何か隠してるんじゃないかって、ここ荒らしていったよ。会社は人を変えるってことだな。これだけ必死に会社のために働いて来たけど、捨てられるのは一瞬だな」
里中「まだ決まったわけじゃない。まだ終わってないよ、東海林さん。俺今度のプロジェクトに懸けてるんだ。結果を出せば、リストラのこともすべて挽回できるんだよ。リストラの候補者を選んだのは、血の通っていないAIだ。俺、そんなものに負けたくないんだよ」
東海林「俺たちの首、取り消しに出来るってことか?」
里中「もしこのプロジェクトが失敗したら、俺もこの会社辞めるよ」
東海林「賢ちゃん、だから、そう言うのやめろって言ってんだよ。2人でクビになってどうすんだ?しがみつけよ、お前は。俺たち踏み台にして、のし上がれ」
里中「冗談じゃないよ。AIの言いなりの会社、こっちから願い下げだよ」
東海林「賢ちゃん、たまには自分勝手に生きてみろよ」
里中「どうゆうこと?」
里中「俺や仲間のためになんか戦うな。自分のために戦え。そして、なりふり構わず勝てってことだよ

窓は大前が工事した。
大前がリストラ候補社員に「ちゃんと手を動かしなさい」
リストラ候補が里中に牙をむいた。
「よく俺らを使えますね。出世のためですか?」
「僕たちの気持ち、わかりませんか?」
1人が「やってらんねえよ」と出て行った。

大前「仲間割れは仕事における最大のリスクです。そういういざこざは勤務時間外にしてください。急がないと定時時間までに終わりませんよ」
井手「さすが!ブレない」
ダンボールがショートしてボヤになり、火はあっという間に広がった。
大前が消化器を持ち込んで火は消えた。
消防車のサイレン。

里中「けが人が出なくて良かったよ」
浅野「明日の完成披露会、これじゃあ・・・」
5時になって、大前は出て行った。
里中「これだけは、諦めるわけにはいかないんだ」

「明日もう間に合わないですね」
「再就職で一番苦労するのは管理職らしいですよ」
「俺も?」
「とりあえず、しごとやってるフリでもしますか!
東海林「バカやろう。そんなことだからAIなんかにペケ付けられるんだよ。そんなことだからリストラされるんだよ。俺たちが足引っ張ってどうするんだよ。同じ釜の飯食った仲間だろ? ピンチ救わねえでどうするんだよ」
「本当の意味でのピンチはぽくたちですけど」
東海林「里中課長はな、俺たちのために頑張ってんだよ。このプロジェクトを成功させて、お前らを救おうとしているんだ。里中賢介っていうのは、そういう奴なんだよ。新入社員の時からずっと変わらねえんだ。首になるにしても、俺たちも最後ぐらい意地見せようじゃないか。代わりの在庫確保だ。急ごう」

三田「明日の披露会って、延期できないんですか?」
浅野「株主や投資家が来るんだ。そう簡単にはできないだろう」
井手「里中課長、俺辞めてもいいですよ」
里中「は?」
浅野「こんな時に何言い出すんだよ」
井手「東海林さんを代わりに残してあげてください。自分はクビになるのに、里中課長のために一生懸命やってます。そういう人は会社に残るべきだなって。
なんならうちの親に直談判してリストラ候補チェンジしても
浅野「そんな簡単な問題じゃないんだよ」
里中「井手君ありがとう。君の気持ちはよくわかったよ。

三田「入る会社間違えちゃったな」
井手「そうかな、いい会社だと思うけどな。
三田「じゃあ、なんで辞めてもいいって言ったの」
井手「いい人が多いじゃん」
トラックとともに、
職人が5・6人歩いて来た。
「1級左官技師の大前春子です」
職人たちの作業が始まった。
東海林が調達した商品も新たに納品され、櫓も組み立てられた。

大前「私に出来るのはここまでです。あとはあなた次第です」
里中「はい」

「この状況を変えるなら自分が変わるしかない」「なりふり構わず」
里中は、2人の言葉を思い出した。
そしてS&F市場の発表会。
里中「本社から独立します。出資者の皆さんには今後とも変わらぬ支援をお願いします」
社長「君、何を言ってるのかわかってるのか」
常務「いったん中断いたします」

この模様を見ていた東海林は会社を飛び出した「ダメだだめだ」
戻って来た里中と大前と会った。
里中は大前に「僕のためにアジフライを作ってくれませんか。ついて来て欲しいんです。未来に」
大前「里中課長、失礼ですが、今日は頭がとっちらかっているのではないでしょうか」
里中「一生同じ方向を見て歩いていきたいんです。公私ともに、僕のパートナーになってください」


#08
東海林「賢ちゃん、ぶっ壊れちゃったのか?」
大前は、里中のひたいに手を当てた「平熱です」
東海林「賢ちゃんまず落ち着こうか。プロポーズするなら今じゃないよな」

里中は冷静になり、「違う違うこれ違うんだよ。同じ方向を見て、仕事終わってからも飲みに行って、たわいもない話をして笑ったり、そう言う関係を築けたらいいなって。大前さん、混乱を招いて失礼しました」
大前「あなたが混乱を招いているのは、株主と投資家の皆さんですが、なにか?」
里中はS&F市場に戻った。

東海林「とっくり、今がっかりしたよな」
大前「何でじゃ?」

内覧会が再開した。
投資家からは、通路の広さとか、レジ前におかずなんかいらないなどの批判が出た。
大前「あなたがたは、夕食の献立を考えたことがありますか?」
投資家「あの方、どなた?」
里中「スーパーバイザーです」
常務が後ろから「いち派遣です」
大前「アジフライは外せません。最高の一品です」

会社に戻った大前は東海林らに吠えた。
「このお時給泥棒たち。こんな人たちを雇っているS&Fに同情します。目の前の仕事に集中しなさい」

里中は社長に「あの店のターゲット層ではありません。彼らの判断だけで決めるのは間違いです。子育てのお母さんとか、その世代の人たちです」
社長「いいでしょう、だがアジフライはなしだ。AIの予想だって、アジフライ成功の確率は0.001パーセントだって。ハケンノ思いつきとAIと、どちらの案を信じるかは一目瞭然だが」
里中「一緒に働いてくれる仲間を信用します」

部に戻った里中は大前に「AIと囲碁で勝負してください。大前さんが勝てたらアジフライを置けるんだ」
東海林「なんで囲碁?」
大前「リストラ対象は黙っていてください」
東海林「一言一言グサグサ刺さるんだよ」
里中「アジフライを置けなかったら、このプロジェクトの意味がなくなるんだよ」
宇野「そもそも大前君は囲碁はできるのか?」
大前「アマチュア7段ですが、何か?」

東海林はスペイン料理店に来た。
「やめとけ、と言いたいところなんだが、今回は奥の手を使え。電源引っこ抜くとか」
大前「はあ、昭和ですか」
大前「それよりもあなたは会社にしがみつくことを考えた方がいいんじゃないんですか?
東海林「俺のことはどうでもいいんだよ。俺のこと、切り捨てる会社、こっちから願い下げだよ」
東海林「でも、あんたのことに関しては話は別だ。
今朝、賢ちゃんがプロポーズもどきのことを言ったとき、心底焦った。お前が取られちまうんじゃないかと。俺は本気で・・・」
話終わった時、大前は居なくなっていた。

東海林、里中、浅野はS&F市場にいた。
その頃、大前とAIの対決が始まった。
社長もモニターで戦況を睨んでいた。

大前「ちんたら、ちんたら」
エンジニア「ごめんなさい」
大前の手が早すぎて、AIが追いついていなかった。
大前の戦法がトリッキーすぎて、AIが付いて来れていない。
ところが大前「参りました。5時なので失礼します」
見守っていた宇野はへたりと座り込んでしまった。
大前は碁石で「ムダ」と置いていったことがわかった。

スペイン店に里中と東海林。
東海林「最初っから、勝負投げてたろ。ムダなんて書いて、ふざけてんのか」
里中「残念ですが、アジフライはおけなくなりました。大前さんは、僕の苦労なんか全部ムダだったって言いたいんですよね。代表になるとか、みんなをリストラから救うとか、甘ちゃんが、甘いこと言ってすみませんでした」
大前「このすっとこどっこい。13年経って少しは成長したかと思ったけど、何もわかっちゃいませんね」
東海林「何だと?」
大前「しょっちゅうミスしたり、サボったり、へこたれたりする人間の脳みそがAIの頭脳に勝てるわけないでしょ。AIはこの先も永久に勝ち続けます」
里中「人間は負け続けるだけですか」
大前「でも人間にはたった一つだけ、AIにできないことがあります」
東海林「なんだよ、その一つって」
大前「ムダなことです。失敗したり、ヤケ酒飲んだり、仲間を思いやったり、嫉妬したり、恋したり、失恋したり、ショックで仕事に手がつかなかったり、全部無駄」
里中「たしかに」
大前「無駄を切り捨てれば、業績は一時的に上がる。
無駄な社員をリストラして、派遣を労働力として切り売りする。13年間、私はそんな企業ばかり渡り歩いていました。何のために働いているのか、どこに向かっているのか、迷う無駄、考える無駄を忘れた人たちを私は死ぬほど見てきました」
里中「そのうちきっと、もっと大きなものに、俺たちは飲み込まれる」
東海林「日本沈没・・・。おい、助かる道はねえのかよ?」

大前「東海林武」
東海林「初めて武って、呼ばれた」
大前「私はあんたじゃないのでわかりません。そんなこと、自分で考えなさい」
そして「里中賢介」
里中「はい」
大前「あなたはまだ失敗しかしてないじゃないですか」
里中「失敗は人間だけにできる無駄」
大前「またそこから立ち上がればいいんです。何度失敗しても、働くことは生きることです」と笑った。
里中は立ち上がって「大前さん、ありがとうございます。ちょっと行ってくる。東海林さん、お会計頼むよ」
東海林「どこ行くんだよ、お会計って、注文もしてねえよ。気の利かねえ店だなあ」

里中は会社に戻り、設計図を片手にした。
大前は相模湾に出て魚を取って、会社の食堂でアジフライを揚げていた。
そこに警備のドローンからの警告。
「シャラップ」
ドローンを仕留めて、警備員に連れて行かれた。
エレベーターですれ違った東海林に
「S&F市場に、アジフライを。お願いします」

働くママさんやOLさんを呼んでの内覧会。
里中はアジフライを置いた。
東海林が持ってきた。
「揚げたてのアジフライですよ」
大盛況だった。

大前はアジフライのかぶり物を付けて現れた。
「春子お姉さんです」
なぜか、東海林が原稿を考えてきた。
「晩ご飯のもう一品にサクサクのアジフライ」
飛ぶように売れた。

笑顔でアジフライを売り捌く大前。
浅野が見ていて里中に「大前さんのあんな笑顔、初めて見ましたね」
アジフライは17時前に売り切れた。
大前「里中課長、アジフライ売り切れました」
里中「ありがとうございました。5時ですね」
大前「これ、差し上げます」かぶり物を手渡した。
里中「ああ、かぶれってことですね。明日から責任持ってかぶります」
大前「今日は最高に無駄な1日でした。お疲れ様でした」
笑顔で帰って行った、しかし大前は泣いていた。

会社では、東海林が「とっくり、今朝クビになったんだ」
里中「えっ」
東海林「ドローンぶっ壊して、器物破損だって」
福岡「そんな、大前さんが契約打ち切りだなんて」
千葉「有り得ない」
東海林「今日はどうしても店に行きたいって、あいつ、今日はただ働きだったんだよ」
里中「ウソだろ」
浅野「カッコつけ過ぎだよ、大前さん」
宇野「せっかく分かり合えたと思ったのにな」
東海林「あいつ、賢ちゃんにも何も言わないで去っていったのか?」

社長が常務を連れて降りてきた「S&F市場、大盛況だったそうじゃないか。あっぱれだ。おめでとう」
東海林「里中が成功したのは、アジフライのおかげです」
里中「仕事帰りに赤ちゃんを連れたお母さんが、レジの横で一品アジフライを買う。そういうお店ができたら成功する。それを教えてくれたのは大前春子さんです。社長は成功率0%とおっしゃいましたが、大前さんがいたから成功できたんです」
常務「今日クビにした派遣のことか」
里中「クビを撤回していただけませんか?」
社長「君たちが肩いれしている、その大前君。君たちだって、彼女がロボットのように正確で優秀だから重宝したわけだろ?」
常務「これからの時代はああいうロボットが100人、いや100体いれば会社はまわりますね」
東海林が里中を遮った「お言葉ですが、社長。あの派遣はちっとも優秀なんかじゃありませんよ。派遣という立場も忘れて、ドローンぶっ壊すような、大馬鹿やろうです。社員には盾つくし、とんでもないあだ名つけるし。時々バグ起こすし。ポンコツな人間ですよ。
大前春子はロボットじゃない。ここで動いている人間です。あいつのおかげで何度も俺たちは救われたんです。何度も失敗から立ち直れたんです。あいつは血の通った、無駄だらけのどうしようもない、いいやつです。最高の仕事仲間です」
社長「どうも、熱弁ありがとう。だが、それが何か?いくらでも取り替えが効く派遣じゃないか」

大前は勝どきを歩いていた。
スペイン料理店に東海林と里中。
「大前さんは?」
スタッフは首をひねった。
近が店にいた「後3ヶ月は戻って来ませんよ。今度はもっと長いかな、初めての派遣切りで、さすがにめげてましたから。あの良かったら一緒に飲みませんか。大前さんのボトルですけど」

里中「東海林さん、俺S&F辞めるよ」
東海林「何でまた」
里中「社員も派遣も一丸となって働く、そんな組織を作りたかった。でも偉そうに言ってて、そんな理想を実現できるかな?S&Fの看板を下ろしてやってみようと思ったんだ。
東海林「独立するのか?」
里中「うん。東海林さん、一緒にやろうよ」
東海林「誘ってくれるのか」
里中「うん」
東海林「うれしいけど、賢ちゃんがホントに誘いたいのは、俺じゃなくて、とっくりだろ?」
近「そのうち、舞い戻って来ますよ」
里中「次に会えるのは、13年後かな」
東海林「俺と賢ちゃん、おじいちゃんになっちゃうよ」
東海林が近に「ところでさ、本当のところ、とっくりいくつなの?」
近「それはちょっと・・・。個人情報なんで、すみません」
東海林「でもあんだけの資格、全部取るには100年かかるよな。ってことは、次に会えるのは、113歳の大前春子か」
里中は咳き込んだ。

福岡は「私はあんなに強くなれない。だから、正社員の試験、片っ端から受けようと思う」
千葉「派遣辞めるんですか?」
福岡「ううん、どっかの会社に引っかかったらの話」

里中は辞表を出した「お世話になりました」
社長「これからどうするんだ?」
里中「自分のやり方であなた方に勝とうと思っています」
社長「後悔するぞ」
里中「後悔しても構いません。しなかった後悔は、日に日に大きくなりますから。失礼します」
社長のパソコンに、人材スリム化リストが表示された。
社長は自分にバツが付いていた「そう来たか」

1年後。
浅野課長、宇野、東海林、誰も辞めていなかった。
浅野「みんなクビにならなくて、本当に良かったですね」
宇野「これもこれも浅野課長と東海林課長の頑張りのおかげだよ」
東海林「おっ、今日だなオープン」
浅野「僕はてっきり、東海林さんは付いて行くと思いましたよ」
東海林「俺はね、終身雇用が好きなんだよ。年功序列もどんとこい、残業後の飲み会、花見。会社の無駄が大好きなの。たとえ沈没しようとね」

「まさかと言えば、宮部社長だよな、まさか自分が導入したAIにクビ切られるとはな」
小山田が社長に昇格していた。
(恐らく、自分のクビが切られる前にAIを廃止したのではないだろうか)
宇野「まあ、俺たちもいつまたペケ判定くらうか分からないから」
浅野「守りましょう、この会社を」
宇野「うん」
東海林「ライバル企業の偵察に参りましょうか。浅野課長」
浅野「東海林課長も、好きですねー」

里中は4人とともに、総菜屋を立ち上げていた。
なぜか井野は本人の希望で派遣?
初日に東海林と浅野がお祝いに駆け付けた。

東海林「ライバルになるとはなあ」
福岡「近さんが今日のオープンにゲストを呼んでくれたそうです」
東海林「ゲスト?」
福岡「なんか、演歌歌手の方みたいです」
近「お待たせいたしました」
着物を着た大前春子だった。
「新人演歌歌手のリュウゼンジアキ子でございます」
東海林「新人?いくつだよ」
「夢を叶えるのに、年なんか関係ないよ」
アキ子はステージで歌い出した。

里中の独り言「大前春子さんは僕たちの人生にものすごいインパクトを与えた。
そしてとても大切なことを教えてくれた。働くことは生きることだ」


前回の「ハケンの品格」の記事はこちら(2020年9月12日)
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では、明日。