
#05
東海林の北海道の時の企画・黒豆ビスコンティをみんなに配った。
全国展開すると言う。
味はみんなから大好評。
社長がテレビモニターに映った。
「黒豆にはダイエット効果もあるそうだね」
大前も食べたが「味は行けますが、不祥事の匂いがします」
東海林はネーミングを提案した。
「細い恋人っていうのはいかがでしょう?」
宇野「俺は細いよりポッチャリの方が好きなんだよ」
東海林「それならば、やや細い恋人で」
大前「くだらなすぎる。自分の仕事をしてください」
東海林「いちゃもんお時給ロボットが」
大前「フン!」
里中「この社運を賭けたビスコンティ、ウチの課でもフォローするからさ」
東海林「ありがとう、賢ちゃんは永遠にいいやつだよな。永遠に俺の足引っ張ろうとするやつ、いるけどな」
里中「大前さんが褒めるってことは、ものすごく美味しいってことだよ」
東海林「ホント?あいつそんなこと言ってた?ホントにあいつ素直じゃないねえ」
東海林は他の派遣社員に「派遣を何十年もやっていると、ああいうねじ曲がった人になっちゃうから、君たちも気をつけた方がいい。お時給がいくら良くても、ああなってはいけないというお手本だから」
戻って来た大前「ねじ曲がっているのは、あなたの頭ですか?」
東海林「黙ってろ、お前は。びっくりするんだ」
大前「この枯れたマリモはいつまでここで、油売っているんですか?」
東海林「これはマリモじゃねえ、地毛だ」
浅野「2人とも大人になりましょ」
大前「一体、いつまで大人になれないのかしら」
北乃菓子工房へ東海林が電話した。
「本社でも評判ですよ。これ、絶対当たるから」
北乃友造「ウチのお菓子が日本中で食べてもらえるなんて、夢みたいだな。売れたら、工場の借金返せるかな?」
東海林「大丈夫ですよ。大船に乗ったつもりでいてください」
浅野のところにも、黒豆ビスコンティを置きたいと、デパートからもオファーが殺到。
宇野「ダイエットは現代人にとって普遍のデータだからな」
東海林は、月刊おやつ倶楽部から取材を受けた。
ダイエット効果について、食いついて来た。
大前は「まずい、大風呂敷広げ過ぎ」
東海林「黒豆の皮のシアニンジンには、ダイエット効果があると権威ある先生のお墨付き」
大前から「シアニジン」だと訂正された。
大前「失敗はその腐れマリモだけにしてください」
スペインバルで里中、東海林と浅野。
東海林は名古屋にいた頃、電撃結婚して、電撃離婚していた。
「人生いろいろあるんだよ」
浅野は先に帰った。
東海林「出世もしない、ボーナスも退職金も無いのに、何が悲しくて派遣なんかやってるんだろうねえ」
里中「本当は人一倍責任感が強くて、情の深い人だと俺は思うな」
東海林「酒、お代わり」
突然大前が出てきた。
「もうこれ以上あなたたちに出す酒はありません」
おやつ倶楽部が発売になった。
記事には「黒豆ビスコンティは痩せない。むしろ太る」
東海林は愕然とした。
周りは、成分データが間違っていないか指摘した。
東海林は「信頼できる部下が調査したデータなんだ」
宇野「本当に大丈夫か。社運がかかっているんだぞ」
東海林が旭川支社に連絡した。
調査した高沢が会社を辞めていた。
東海林は、漆原教授の元を訪ねた。
東海林「データ改ざんなどはして無いですよね」
漆原「何を言っているんだ、君は」
東海林「奥様にもそれは誓えますか」
漆原「データをちょこっとだけ上乗せした」
東海林「教授!」
里中は、大前が検査分析士の資格を持っていることがわかった。
大前は白衣をまとい、成分を分析し始めた。
大前はシアニジンが正確な数字の約10倍で書かれていて、データの改ざんがあったと確認した。
記事を見た社長からも呼ばれた。
東海林「成分表示に誤りがありました」
常務「謝罪会見を行うんだ」
社長「君の未来も白紙だ。処分は後でゆっくり考えることにする」
休憩室で落ち込む東海林に、里中と大前が顔を出した。
東海林「あんたの言う通り、部下に任せないで自分で調査すれば良かったよ」
大前「珍しく殊勝ですね。
と言うことは、ホントに取り返しがつかないと言うことですね」
里中「今からできることしようよ」
東海林「今さら手遅れだ。土下座でもなんでもして、謝罪するしか無い」
里中「大前さんに謝罪会見の原稿書いてもらおう」
大前「お断りします」自分のお尻は自分で拭いて下さい。フショウジ課長」
里中「いくらなんでも、この状況でそれはちょっと」
大前「5時なので失礼します」
東海林「俺は東海林課長だ。東海林課長って、言ってみろ」
里中「やっといつもの調子に戻ってきたね」
東海林「アンケートにも、応援してますって声が結構あったんだよ。友造さんのためにも、その人たちのためにも、踏ん張らないとな」
里中「東海林さんの気持ち、絶対にわかってくれる人いるから」
宇野は「どうせこんなの嘘だよ」福岡にアンケートをシュレッダーにかけさせた。
浅野「いいんですか」
宇野「処分したって言えば、調べようが無いだろ。騒ぎが大きくなったら、責任を取らされるのは俺だぞ」
里中は戻って来て「部長、何考えてるんだよ」
北乃菓子店の2人が来た。
ちょうど大前が通りかかった。
「このままじゃつぶれそうなんで、やって来たんだ」
東海林が1階に降りてきた。
「うちのお菓子が何か叩かれているんだってな
あんたは大丈夫なのか、上の人に怒られたりしていないのか。あんたに認められて、うちの商品は幸せだった」
こんな時に東海林のことを心配してくれる友造に、東海林は感動した。
大前は、会社に戻ってシュレッダーを確認した。
大前と里中はゴミ捨て場に来た。
袋ごとオフィスに持って来た。
えっこれ復元するんですか?
ジグゾーパズル検定1級の大前春子です」
浅野も戻って来て、手伝うことになった。
大前「色で識別してアンケート用紙だけを取り出してください。メンディングテープとボードを持ってきて下さい」
東海林は居酒屋でノートパソコンで、謝罪文を考えていた。
大前「失敗しても、ハエがいなくなるだけです」
地道な作業が続いた。
大前は2人の倍の復元をしていた。
朝になった。
東海林が出社して「みんな早いな、どうしたんだ」
大前「自分の言葉で謝りなさい」
東海林「無理だ、ごまかすしかない。それが会社の方針だ」
大前「いいえ、あなたには無理です。あの時だって無理にごまかせば、社長賞を取れたはずです。なのに土壇場ですべて派遣がやったことですと言った、アンチ派遣にはあるまじき事です」
東海林「朝からベラぺらとうるさいんだよ」
大前「とにかくこのオヤジは、大風呂敷を広げるくせに、一番大事なところでウソを付けない、そんな男です」
東海林「いや、今回ばかりはやるしかない。証拠と言ったって、データもアンケートもないんだから」
大前「ありますが、何か?」
東海林「嘘だろ、これは」
里中「大前さんが復元するって言った時は、本当に信じられなかったよ」
浅野「大前さんが残業したのが、一番信じられませんよ」
大前「ジグゾーパズルはたまたま一番ハマっている趣味ですが」
そして、謝罪会見。
社長もテレビを見ていた。
宇野は、確信のデータもアンケートも破棄した、と派遣社員のせいにした。
記者「調べられると困るから、証拠隠滅したんじゃないんですか?」
テレビを見ていた浅野「やはり上司には逆らえないですね」
東海林「申し訳ありません。黒豆ビスコンティは痩せません。その後の調べによって、公表したこのデータにはウソがあることがわかりました」
「改ざんを認めるんですね」
「はい、すべて私の責任です」
記者「今すぐ回収、発売禁止」ざわめきは治らなかった。
東海林「でもあの商品にウソはありません。本当に素晴らしい商品なんです」
記者「データ改ざんした貴方が言うのは、説得力ゼロからだよ」
大前が会見に乱入した。
「こんなこともあろうかと、読んでください。大逆転スピーチです」と東海林にメモを渡した。
近も手伝い、「北海道から痩せないけど美味しいから食べてます」との動画が映った。
「私たち成分なんて気にしてないから、美味しいから食べちゃう、それだけ」
何十人の動画が流された。
大前「シアニジンはほんの少ししか入っていないけど、栄誉価の高い天然の食材しか入っていないから体が喜びそうですよね。私もこれのおかげで一晩徹夜してもすこぶる元気なんですよ」
記者からも少々批判はあったが、混乱は収まった。
近「部長、今や派遣なしに会社は回りませんから、派遣の力を侮ると、今にえらい目にあいますよ」
宇野「悪かった」
宇野が会社に戻ったら、鳴り止まない電話
宇野「またクレームか」
浅野「違いますよ。注文が殺到してるんですよ」
宇野は驚いた。
東海林は電話「友造さん、ありがとう。忙しくなるよ、こっちも売って売って売りまくるから」
北乃「頼んだよ」
東海林は、復元されたアンケートを見つめた。
浅野「深夜のジグゾーパズル、楽しかったですね」
里中「深夜のご指導ありがとうございました」
大前「お礼を言われるサバ味噌定食はありませんが、なにか?」
東海林「大前さん、ありがとう。俺のために残業してくれて」
寝不足の大前は、不可解な行動を取り出した。
東海林「悪霊が何か取り憑いているぞ」
社長室で東海林には処分は無かった。
常務「結果オーライ」
「今日ここに呼んだのは、社長が本社に呼んだ本当の意味を知ってもらおうと。13年間本社から離れていた君にしかできない仕事だ」
#06
東海林は一斉メールを送っていた。
「業務の合理化スリム化運動」
社長直々の特命で、東海林は業務合理化の戦略担当に任命された。
「命がけでやらせていただきます」
「みんなで一丸となって、この難局を乗り越えようね」
大前「経験上、急に消耗品や備品をけちり出した会社は黄色信号」
東海林「ケチじゃねえよ。合理化、エコなの。不安を煽るんじゃないよ」
大前「経験上の話をしたまでですが」
里中「素直に大前さんに手伝って欲しいっていいなよ」
大前「お断りします」
東海林「頼んでねえよ」
大前「合理化するなら、その無駄極まりないモジャモジャを合理化しなさい」
東海林「これは無駄じゃねえ、大切な髪の毛なんだ」
大前「それと、大前っちと軽々しく呼ぶのはやめてください。鳥肌がたちます」
宇野はペーパーレスになったため、モニターを見ながら
「うーん、紙で見ないと頭に入ってこないな」
さらに東海林は、節電のために3度上げていた。
S&Fが取り扱っているまごころ弁当は隅田フーズは担当。
なぜか里中と派遣を含む5人で見学
「丁寧な仕事を見て欲しい」との思いで里中は連れてきた。
浅野は若手と飲みに行って、東海林が大前に13年前にプロポーズしたことをバラした。
誰かが里中になりすませて「東海林さんを手伝ってくれませんか」
と、大前にメールしていた。
里中は機転をきかし「これは僕が送ったメールです」
大前「業務命令なら仕方ありませんね」
派遣3名は総務局に呼ばれ、まるで試験会場のようなところで大量の入力作業。
顧客の個人情報を入力した。
社内のスリム化運動としてAIを導入して会社の無駄を排除する。
常務は東海林に「リストラをすることになるだろう」と言った。
東海林は1人残業して、まごころ弁当の利益率が低いことがわかった。
S&Fの受付もタブレットに変わっていた。
千葉「大前さん、私無職になっちゃうんですか。AIに派遣の仕事取られちゃう」
大前「派遣は切られる時は切られる、じたばたしたって無駄。あなたたちはここに来て何か自分の価値を高める努力はしましたか?」
千葉「毎日無遅刻無欠勤です」と得意がった。
大前「小学生デスか?あなたは」
会議室で東海林は「まごころ弁当を、大手に変えよう」
里中「少し待ってくれないか。まごころ弁当の利益率上げればいいんだよね」
1週間猶予をもらった。
里中は隅田に「木の弁当箱をプラスチック、笹の葉も無くしましょう」
里中は直接、葉っぱを送ってくれる加代さんに電話し
リニューアルで、葉っぱが不要になることを伝えた。
加代さんは動揺した。
大前春子は里中と隅田フーズに来て、帳簿類を確認した。
里中「大前さん打開策はありそうですか」
隅田妻の丁寧なレシピノートもあった。
いくつ作るか決めているのは主人だと言う。
おそらくAIは分刻みで予想する。
天気予報が外れた日は売れ残っていた。
気象予報士の大前はこの後晴れると宣言した。
それから、大前は気象情報をチェックして、隅田フーズに連絡した。
ある日の午後、外資系大手のグレートゾーンから300個注文が入った。
隅田は、普段のをこなすのがでいっぱいと固辞した。
大前も隅田フーズに急行した。
里中を始め、全員が手伝った。
小山田常務は、まごころ弁当を即切れと東海林に指示して来た。
大前はスペイン料理店で、踊りのレッスンをした。
東海林がしょぼくれた顔をして入って来た。
東海林が呼び出されたのは、下請けを切り捨てる役だった。
大前「泣き言言いに来たんだったら、帰ってください」
東海林「ひどいってわかっていてもやっぱり好きだ。いや、俺は会社を愛している」
大前「13年前も聞きましたが」
東海林「みんなを守るために、嫌われる役のコストカッターになる。AIは絶対だ。俺はAIの言う通り、隅田フーズを切る]
翌日、里中は東海林に「いい結果が出たら宮部社長に直談判するよ
東海林はネットの天気予報だと雨だ、と見た。
「とっくりの予想と逆だ」
加代が隅田フーズを訪ねて来た。
お礼を言いに来たと言うが、忙しそうなので出直す。
曇って来て、大雨
「大前さんが天気を間違えるとなんて」
里中「申し訳ありませんでした」
隅田「仕方ないです。里中さん、もう十分」
大前は、雨が降ることを知っていて、わざと逆の天気予報を伝えていた。
大前「隅田フーズさんのためにもその方が良いと思ったからです。
S&Fの社員たちは、誰かが仕切っていると勘違いしている。違います。隅田フーズは切られるのではありませんS&Fは素晴らしいお弁当を作ってくれるこの会社を泣く泣く手放すしかなくなったのです。S&Fというデカイだけが取り柄の泥舟に無理に乗っかっていただく必要はありません。
隅田フーズは小舟でも立派に漕ぎ出せます。皆様にはそれができるだけの信念と技術がある。次の居場所を探せばいいのです」
隅田夫妻の前に加代が来た。
大前から折りたたみ傘を預かったことを言った。
隅田「また笹の葉取って来てください。また一緒に仕事しましょう」
虹が出た。
グレートゾーンが隅田フーズと直接契約したことが判明した。
一方、合理化されたS&Fのまごころ弁当は大不評。
ハケンライフの近が頑張りましょ。
福岡と千葉に資格試験案内を持ってきた。
福岡「資格取れば何かが変わるんですか?」
AIが出したさらなる業績改善案に社長は目をまん丸した。
里中が社長から呼ばれ、浮かない顔。
1人会社に残って人材スリム化リストを見た。
東海林の名前にバツがされていた。
突然、大前が現れた
「それがAIが作ったリストラのリストですね。自分たちが安全な場所にいると
まだ信じてたんですね。泳ぎ出さないと溺れる、と警告したはずです。世界も変わってしまいました。切られるのは派遣ではありません。あなた方、社員です。残念です」
前回の「ハケンの品格」の記事はこちら(2020年8月30日)
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では、明日。