
第92回
昭和33年元旦
初めての家で迎える初めての正月。
「新しいことを始める、それはまだわからない」
対照的に克子の家では賑やかな正月を迎えていた。
鈴が「そろそろひ孫の顔が見たいわ」と言って神部はむせかえった。
福子たちのところに真一が年始の挨拶
専務理事としてがんばっている。
取り付け騒ぎで預金を下ろした組合員たちもだいぶ戻ってきたとのこと。
それを聞いて萬平は安心した。
真一が萬平への退職金を出した「5万入っている」
「萬平は家まで担保に入れて組合を守った」と真一が進言したら新理事長が承認してくれたという。
敏も、世良も訪ねて来た。
「次はなにを発明するか、僕は大いに期待している。おもろいもんを作ってくれたら、僕がどんどん売ったるから」
そして、克子家族が全員来ておせちを持って来た。
克子「ほんまはね、お母さんがここに来たいって、言い出したのよ」
寂しく迎えた福子と萬平の元旦もどんどん人が集まった。
みんなが福子たちのことを心配していたのだ。
第93回
正月から1週間たった。
萬平は畑に種を撒きながら世良が言ったことを思い出していた。
戦争が終わって、ラーメンを食べたことも。
パーラー白薔薇にテレビが入った。
マスターが「これで3種の神器がそろった」
福子は「ウチには1つもない」
忠彦の絵が完成「自信作や」
鈴や克子たちはテレビを見て大笑い、絵を見にこないため、呆れ返った。
鈴は「急に福子がふびんになって。萬平さんと結婚したのが間違いやったわ」
萬平は「貧乏になって僕は暇になったけど、福子の忙しさは変わらないからな。何が一番大変なんだ?」
福子は「一番大変なのは、毎日の食事を考えることです。
萬平さん言ってましたよね。人にとって何より大事なのは食べること」
萬平はこれまで食べていたことを思い出した。
「ラーメン」
戦後闇市の屋台で見たあの行列
「みんな温かいラーメンを食べたかったんだ。どうして家で食べることができないんだ?見つけたぞ、福子。ラーメンだ」
そして就寝、福子の前に咲が現れた。
「おうちで出来るラーメンを作るんやない?萬平さんは何かひらめいたのよ。不安なわけやないんでしょ。楽しみやって言うてたやない
萬平さんをしっかり支えてあげなさい」
第94回
克子の家で「ラーメン?」
皆は事態が飲み込めなかった。
この日の昼は福子と萬平は2人屋台で並んでラーメンを食べた。
屋台の店主の話では、スープも2日煮込んでこの味になるまでどんだけ苦労したか。
「最初はどんだけまずいもん出してんねん」とお客から怒られたことも。
「60年の人生がかかってるんや」
萬平は「家でパパっと作れませんかねえ」
店主は今にも怒りそうだった。
萬平は「世の中の主婦を楽にさせたいんだ
うどんやそばは家でできる」
パーラー白薔薇で世良は「あかんあかん、誰も欲しかってないやん。売れる商品はみんなが欲しがっているものや」
アキラは「男のロマンだ」
神部はラーメンの話をタカから聞いて、「今すぐ仕事辞めて手伝いたいぐらいだ」
福子と萬平は4人での食事中に、たくあんは何週間も準備に要することを福子が説明
福子「萬平さんが言っているラーメンは一夜漬けですね。もやもやが晴れてきましたか?」
萬平「まだ全然見えない。一夜漬けラーメン」
福子はぐっすり眠っていた。
第95回
「一夜漬けラーメン」
この名称が、パーラー白薔薇でも、アキラからも誤解を招く
福子「家で簡単に作れるラーメンなんです」
アキラは「男のロマンや」
萬平や中華料理屋や屋台を回って色々なラーメンを食べ歩いていた。
神部が家に帰り、タカは病院に行ったと話したが、神部は話すら聞かずに家を飛び出した。
萬平はラーメンの条件として、
第1に美味しいもの
第2に安いこと
第3の条件:簡単に出来ること
缶詰などはすでに考えたが麺が伸びきってしまうから適さない。
神部は「手伝わせてください」と宣言。
自宅に戻った神部はみんなから睨まれた。
タカが大事なことを言おうとしたら飛び出して行ったため。
タカが子を授かり、3ヶ月。
「毎日まっすぐうちに帰ってくるのよ」と鈴からクギを刺された。
福子は萬平に「性に合わなかったですか、理事長の仕事は。
織田島製作所では生き生きしてました」
萬平「自分にとってはいい経験だった。やはり万能調理器を初めて見た時、血が騒いだ。」
「今は幸せですね」
「ああ」
子ども2人での会話
幸は源に「学校行きたくないの。いじめられるから」
「あんなん相手にするな、僕は平気や。いじめられたらにいちゃんのところに来い」
「分かった」
「お父さんやお母さんには言うな」
こんな会話をしていることを萬平も福子も知らないでいた。
第96回
神部からタカが子を授かり、釘を刺されたことを報告。
萬平は「今はタカちゃんのそばについてあげなさい」
吉乃は「お父さんみたいに旦那は一日中家にいた方がいい」
克子「忠彦さんはたまたま、成功しただけよ」
鈴「萬平さんは落ちぶれてしもうたやないの。お父さんみたいな人を好きになるのはわかるけど、結婚は別」
克子「おかあさん、言い過ぎ」と叱った。
忠彦はしばらくニンマリしていた。
福子はタカのために卵を持ってきた。
パーラー白薔薇から安く分けてもらったものだった。
しのぶに子どもが6人いると聞かされてビックリした。
アキラは父親が不動産屋でボンボン
しのぶもお嬢様だった。
萬平は「3種の神器がなくてもできるラーメンが理想。
常温で保存できること。妊婦や子どもも食べられる
安全な食品であること。
5つの条件が全部揃ったもの。」
子どもたちがケンカをしたと言って帰って来た。
萬平が信用組合をクビになってルンペンになったと言われた。
「お父さん、ラーメンなんかやめてまた信用組合で働いて。貧乏は嫌だ」
萬平は「ラーメンを作ることは、恥ずかしいことではない」
福子「あなたたちが不便な思いをしたことはありますか?ラーメン屋になって何がわるいのよ?あなたたちもラーメン屋をバカにしてるの?」
2人は首を振った。
「お父さんはほんまはものづくりの人なの。みんなを笑顔にする発明家なの。いじめていた子も、お父さんの作ったラーメンを美味しい美味しいって食べて笑顔になってくれます。せやから
誰に何を言われようと気にしたらダメ、喧嘩したらダメ。
今に見てろって思うこと。」と諭した。
第97回
萬平はますます新しいラーメンの研究に没頭。
毎日ラーメンを食べていた。
外食費は痛かったが、福子の頑張りで生活費はなんとかなった。
萬平が鶏ガラを1キロ買ってきた。
ごま油をパーラー薔薇から借りれた。
「足せばいいのか、引けばいいのか、わからなくなってきた」
生麺は理屈で考えるより、やってみようと。
スパゲティの麺での「汁麺」は子どもたちから不評
福子も「ごめんなさい」
「失敗に失敗を重ねて、初めて本物ができるんです」
乾燥した昆布をお湯を入れるを柔らかくする
萬平のヒントになった。
克子のところに福子と萬平は行った。
「誰にも想像できないということは、世の中にないこと」
忠彦が「せめて名前だけでもつけてくれよ」
吉乃「すぐ食べられる魔法のラーメン」
萬平「ちょっと長いかな」
鈴が「即席ラーメンはどう?」
萬平は「いいですね」
カレーを食べに来ていた世良は「そんなん無理や、やめとけ」
福子が「僕が悪かった、その即席ラーメン売らしてくれ」
と真似したのが大爆笑。
福子がパーラー薔薇から戻った頃、萬平は畑にいた。
「研究所を作るから畑は諦めてくれ」
福子はあぜんとして何も言えなかった。
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ここからあと2ヵ月、即席ラーメンの試行錯誤が続くのか。
池田市在住の同僚からのメール
「インスタントラーメン記念館、ってのが駅裏にあって
田舎なのに連日すごく人が来てますよ~。
お家が記念館の前にあるのです。おそらくお子さん?まだ住まわれていると思います」
前回の「まんぷく」記事はこちら(2019年1月21日)
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http://ameblo.mom/miyacar/entry-12434260934.html
では、明日。