コーヒーを飲んでいる耀司に睦美、
トレイの上のご飯茶碗と、ヨーグルトらしいものが入っている器も見せて、両眉を上下に。
そして、ニッコリと。
「空っぽ。」
そして。
「熱はあるんだけど、食欲はあるみたいで、ひとまず安心。…逆に、何も食べたくないって言われると、困っちゃいますから。」
耀司、睦美に、
「ありがとうございます。」
「洗濯物、干しちゃいますね。」
すぐさま耀司、
「あぁ、すみません。」
睦美、洗濯室のラックに芙美花のパジャマを。
今、ベッドの中の芙美花は上下に、ジャージを着ている。
睦美、キッチンに戻って、
「耀司さん、夕食、カレーでいいですか…???」
コーヒーを飲み終えての耀司、睦美に、
「あ、あ~~。はい。」
睦美、そんな耀司に、
「ふふ。分かりました。お任せください。」
ニッコリと。
耀司、微笑みながら睦美に、
「じ、じゃあ…、お願いして、俺、もう少し、部屋で仕事…。」
そんな声に睦美、ニッコリと。
「あ、はい。」
椅子から立ち上がり、自室に歩きながら…。
…けれども、僅かに顔を傾げて。頭の中で、
「…お、俺…、何やってんだ…???」
耀司、実は、かなり照れ臭いのである。
芙美花がインフルエンザ…。但し、受診はしていないために定かではないのだが…。
朝からバタバタで。けれども、坂下と連絡して坂下が来てくれて。
そして、今度は睦美が。そして、今度は宮前が…。そうこうしながらも、何とか…。
そして…、ここにきて、ようやく落ち着いて。
多分…。今日一日は、芙美花は、発熱は続くであろうが、朝になれば…。
そう思うと…。
耀司、急に何とか、
「…収まるか~~。」
と、思った瞬間に。急に、睦美と、話す言葉が出て来ない。
片や睦美は…。
無心に料理をしている。ただ、頭の中には、芙美花の熱が下がってくれる事と。
耀司の為に出来るだけの事をしたい。それだけである。
芙美花、一日中の発熱で、かなり体力は消耗していた。
当然である。生まれてこの方、一度も病気をした記憶がない。免疫がないのである。
一気に押し寄せてきた病。朦朧としながらも睦美からパジャマからジャージに着替えられていた。
ただ、芙美花、嬉しくて。睦美には、何も言えなかった。自然に涙が出て来て、ただ、
「ありがとう。」
それだけ。
終始、睦美、芙美花に、優しそうに…。芙美花をベッドに落ち着かせて。
そして…。部屋の中、女子高生の部屋の中を見て、微笑みながら…。
「可愛い~~。」
そして。
「はは。女子高生~~。」
お粥も…。最初は介助で…。
…けれども、途中からは自分で。一口、二口、介助されながらも、
体の中に、染み渡ったのか…。そして、何より、美味しかったのだろう、
それからは、自分で。そして…、ス~~ッと入っていく、ヨーグルト。
芙美花、半ば、満たされていた。
そして…。食べ終えて、睦美から、
「うん。食べれた~~。良かった~~。うんうんうん。じゃ、休もうか。」
その声に安心して芙美花、また体をベッドに。
耀司、パソコン画面を見て、
「ヨシ、オッケ~~。」
すると…。スマホに着電。
「師長…。…もしもし。」
「あ、耀司。芙美花、どう…???」
耀司、
「あ、あ~~。はい。…今は…、多分、落ち着いてる、かも。です。」
スマホから、
「かも…。」
「えぇ。…って言うか、今、睦美さん。眞鍋さんが来てくれていて。」
瞬間、宮前、
「あ、あ~~~。うんうんうん。」
「夕方前から来てくれてて。」
宮前、廊下のベンチに座りながら、耀司の声に頷いて、
「そぉ~~。」
スマホから、
「まだ、熱は38度台…???…でも、何とか。」
「意識は…。」
「えぇ。大丈夫です。着替えも眞鍋さん、やってくれて。お粥とヨーグルト、かな…。」
宮前、コクリ、コクリと。
「うんうんうん。」
耀司、スマホを耳に、
「…で、今、キッチンで、夕食を。」
スマホから宮前の声、
「そっか~~~。あ、でも…。夜はお願い。」
瞬間、耀司、
「え…???…あぁ~~~。」
「芙美花、小まめに見て上げて。熱。」
「あ、はい。」
「木守さんもインフルで、私が見てあげればいいんだけど…。」
耀司、途端に、
「あ、いや…。そんな…。」
「とにかく。夜は耀司、お願いね。眞鍋さん、食事の後に、薬、飲ませてくれたと思うんだけど。熱の方は、お願い。まぁ。一晩くらい寝なくとも…。耀司。」
その声に耀司、
「あ。ははははは。た、確かに。」
「可愛い、愛する一人娘のために、頑張んなさい。」
いきなり耀司、スマホに、口を尖らせながらに、
「と、当然ですよ。はい。」
「じゃ、切るね。」
その声に耀司、
「分っかりました~~。わざわざ、ありがとうございます。」
宮前の声、
「うん。じゃね。」
通話は切れる。その途端、耀司、
「おっと。」
そして、
「は…???…汐梨…???」
スワイプして、
「もしもし、おま、大丈夫なの…???」
汐梨、傍には勝臣。
布団の上で、パジャマの上にモコモコカーディガンを羽織りながら…。

ママでいい…。 vol,308. 自然に涙が出て来て、ただ、「ありがとう。」それだけ。
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
