耀司、睦美から言われたままに…。
そして…。今度は、薬箱も持って芙美花の部屋に。
「アイスノン、溶けてる~~。」
スマホから睦美、
「熱…って、どれくらい…???」
耀司、スマホに。
「朝、測った時には…。」
そして…。芙美花に。
「芙美花、熱…。」
朦朧としている感じの芙美花、虚ろに。
「おとうさん。あ。…うん。」
体温計から電子音。芙美花、父に体温計を。
耀司、
「38度6。」
スマホから、
「耀司さん…???…耀司さん…???」
テーブルに置いたスマホ。
耀司、スマホを持って、
「まだ、38度6。」
「そしたら…。取り合えず、溶けたアイスノンを外して氷枕を。タオルか何かで巻いて…。」
耀司、
「分かりました。」
そして…、
「芙美花、ごめんな~~。アイスノン、外す。」
芙美花の頭を僅かに上げて。そして、氷枕を…。
芙美花、まだまだ弱々しい声で。
「おとうさん…???」
「氷枕だ。」
芙美花、目が動く。
「…おとうさん…???」
耀司、
「さて。これから出掛ける。」
耀司、そのまま立って、スマホに。
「氷…、買ってこないと…。」
スマホから、
「ですね。」
耀司、スマホに、
「睦美さん。ありがとう。」
睦美、
「はい。」
「じゃ。」
「分かりました。」
通話を切った。その途端にまた着信音。耀司、階段を降りながら、
「おっと。師長~~。」
そして、
「もしもし。師長~~。」
スマホから宮前、
「あっ。もしもし、耀司~~。芙美花~~。もぅ~~。あなたからの着信に、麻友からラインが入っていて、び~~っくり~~。芙美花、インフルなんですって。熱は…???」
耀司、自室に入って、
「あ、はい。今、測ったら、38度6。」
スマホからは、
「まだそんな。…で、氷枕は…???」
「今、アイスノン外して…。もぅ、すっかり、溶けて。今度は氷枕に。でも、氷、全然、足りなくって。」
宮前の声。
「そうよね~~。」
「だから今、氷を買いに。」
すると。
「耀司。氷と、アイスノン買ってらっしゃい。どっちみち、足りないから。麻友の話しだと、薬の方はOK。祐里ちゃん、ちゃんとしてあったって。冷蔵庫に保冷剤は…???」
耀司、すぐさまキッチンに。
そして冷凍庫の…。
「保冷剤もあるけど…。でも…。」
スマホから宮前、
「じゃあ…。ブロックの氷。そしてアイスノン。」
「あ、はい。」
そして、バセットに。
「おとうさん、氷買ってくるから、お留守番。」
そんな主にバセット、振り向いて、
「ワン。」
スマホから宮前の声、
「あ、でも…。あなた、氷枕って。やり方、分かるの…???」
耀司、玄関に。
「あ、いえ…。…でも、さっき、睦美さん。あ、いえ。眞鍋さんから電話が来て。」
スマホからの宮前の声、
「眞鍋さん…???…あぁ。うん。」
「やり方は…、何とか。」
「そう。うん。分かった。」
「とにかく、氷。…で、買ってきたら、また私に電話頂戴。そっち行きたいけど、私、今日も日直で…。」
そこまで言って宮前。
「あ。でも…。ほら、あなたの妹の木守さん。」
耀司、既に車に。
「あぁ。でも…。」
口をぐんにゃりとさせて、
「妹も今、インフルで…。」
スマホから、
「え~~~~???」
耀司、ドアを閉めてシートベルトを。
「あ。はい。今朝電話したら…。」
「そぅ~~。あら~~。」
耀司、
「師長、んじゃあ。行ってきます。」
「あ、分かった。じゃあ、後で電話して。」
耀司、スマホを耳にコクリと。
「分かりました。はい。」
通話は切れる。
それから凡そ1時間。
耀司、宮前からのレクチャーで、何とか氷枕を芙美花に。
体温計は、「38度6。」変わらず。
耀司、
「確かにな~~。にわか仕込みじゃ…。芙美花~~。」
芙美花、父の顔を見て。
「…うん。ありがと…。おとうさん。…まだ、頭、ボゥ~~っとしてる。」
耀司、ニコリとさせて、
「当然だよ。まだ38度6。」
「夢見てた。」
耀司、その声に、
「うん…???」
「…高校合格の夢や~~。入学式の時の…。…そして…。定期演奏会。そして…。家の事。」
思わず耀司、クスクスと。
「家の事…???」
芙美花、氷枕の上で僅かにコクリと。
「うん。…最初は、おかあさんがいっぱい、出て来た。コホッ。…でも…。段々、私だけに…。」
耀司、
「芙美花…。」
芙美花、
「…でもね。」
耀司、またもや、
「うん…???」
顔を傾げて…。
「何の曲かは分かんないけど…。ピアノの音が…。睦美さんがピアノ弾いてて、私がクラリネットを吹いて。素敵な曲。」
耀司、ベッド越しに。そして芙美花を見ながら、笑顔で、
「ふ~~ん。」
芙美花、
「…で。」
掠れた声で、
「みんな、いるの。おじいちゃんも、おばあちゃんも、おばちゃん、勝臣おじちゃん。麻沙美に。…そして、晄史さん、誓さん。バセットが私に抱き着いて。」
耀司、ニコニコと、
「ははは。うん。」
芙美花、氷枕の上で顔を。父に向けて。
「おとうさん。」
語尾を強く。
耀司、顔を傾げて、
「うん…???」
芙美花、僅かに目尻から涙が。
「私、睦美さんと一緒にいたい。私のママにして…。」
また、語尾を強く。

ママでいい…。 vol,306. 芙美花、僅かに目尻から涙が。「私、睦美さんと一緒にいたい。私のママにして…。」
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