「そんな訳で~~。」
耀司。
汐梨、
「階段から転がり落ちたって…。あ~~ん。」
麻沙美、
「おじちゃん、どうしたの~~~。」
麻沙美に耀司、
「麻沙美~~。おじちゃんさ~~。はは。怪我しちゃった~~。」
「けが…???」
「うん。だから~~。こんな格好~~。おかしいでしょ。」
けれども麻沙美、首を左右に振って、
「ううん。…でも、痛い…???」
そんな麻沙美に耀司、
「う~~ん。黙っていれば痛くないけど~~。…多分、動くと痛いかも。」
「そっか~~~。気を付けてね~~。」
そんな麻沙美に耀司、ニッコリと。
「はい。」
顔をコクリと。
「わかりました~~。」
「でも。」
汐梨。耀司を見て、
「階段から転がり落ちて…。」
耀司、そんな汐梨に、
「うん。」
汐梨、睦美を見て、
「話しを聞くと、睦美さんからカバンのバッグのベルトを引っ張られて。」
耀司、またもや、
「うん。」
「反射的に、睦美さんを抱き締めるように、落ちた。」
目をパチクリと。
「でぇ~~~。その…。」
睦美を見て。
「睦美さんは~~。何ともない。」
睦美、申し訳ない顔で。
「え…。あ…、はい。」
汐梨、
「でぇ~~、兄さんも~~。左肩の打撲と、右足の軽い捻挫。」
顔を傾げて、
「それで…。良く済んだよね~~~。…普通なら…。…そんな…。…幾ら何でも、人を抱き締めて階段を転げ落ちるなんて…。」
瞬間、晄史、
「あ。」
誓も、
「あ。」
耀司、そんな汐梨の声に、困ったような顔で、
「いやいやいや。だから~~。…それは…。」
そこまで言って耀司、思わず難しい顔をして、
「ん~~~。だから…。反射的に…???」
汐梨、
「…って言うか、普通なら体のあちこち。しかも…、睦美さんだって、何ともない。」
睦美を見て、
「先生からも言われたんでしょう。特に異常は…。」
睦美、その声に、
「え、え~~。」
汐梨、目を丸く、そして口を真一文字に。そして耀司を見て、
「さすがは黒帯。」
瞬間、晄史、誓、睦美すらも、
「え…???…あっ。」
晄史、目を丸く、
「あ。そっか~~。」
すぐさまフィンガースナップ。高井戸さん、
「柔道~~。」誓
も睦美も、
「あ~~~。確かに。」
けれども耀司、顔をクシャリと。
「いやいやいや。…そんな…。んな…。だって~~。それは…、学生の頃の~~。」
汐梨、ぷ~~たれた声で、
「いや。だって~~。階段から転がり落ちて、この状態。…でしょう~~。それに、睦美さんだって、特に~~。」
耀司、すぐさま、右手を振りながら、
「いやいやいや。…かかかか。買い被り過ぎだって~~。」
汐梨、
「まっ。兄さん本人の意識は、なかったにしても~~。ちゃ~~んと、体は分かってたんじゃないかな~~。それしか考えらんないよ。普通なら間違いなく、そんな…、誰かを抱き締めてなんて…、とんでも。それこそ、ふたり共に、今頃、病院のベッドの上~~。打撲以上に、骨折だってあったかも~~。」
晄史、頷きながら、
「うんうんうん。」
そして、
「高井戸さん、凄い。」
瞬間、睦美、
「晄史。そんな…、怪我している高井戸さんに凄いって。」
汐梨、すぐさま、
「まま。…でも、睦美さん、良かったよ~~。体、どこも~~。」
そんな木守に睦美、また頭を下げて、
「お蔭様で。」
汐梨、耀司に、
「…で、兄さん。立てるの…???」
その声に耀司、
「う…???…うん。」
そして、椅子からゆっくりと。
睦美、すぐさま高井戸に手を添えて…。高井戸の右半身を。
ゆっくりと立ち上がる耀司。
汐梨、
「ほほほほほ。」
静かに両手を叩いて、
「や~~るぅ~~。…で、歩ける。」
耀司、松葉杖を使いながら、一歩、二歩。
「ははははは。うんうんうん。」
けれども、
「あ。…でも、明日になったら…。」
晄史も睦美も、誓も、
「あ、あ~~~。」
「ま。」
汐梨。
「けど、まぁ。それは、それで…、明日からの…。」
晄史、木守に深く頭を。
「ごめんなさい。僕らがいて。」
誓も、頭を。
「ごめんなさい。」
睦美も、
「申し訳ありませんでした。」
すぐさま汐梨、首を振り、
「ううん。不慮だよ。」
睦美も晄史も、
「ふりょ。」
誓、
「あん。つまりは、どうしようもない事。」
汐梨、
「うん。誰のせいでもないって。まっ。睦美さんにぶつかった人も、今や、かなり落ち込んでいる、かも、知れないけどね~~。…もしかして…、あの時、私…???…ってね~~~。…けど、睦美さんも、誰から…。」
睦美、その声に、顔を左右に、
「えぇ。全く…。…とにかく一瞬でしたから。」
睦美に汐梨、にっこりと。そして、
「兄さん。じゃ、帰ろ。」
耀司、そんな汐梨に、
「お、おぅ。」
そして、
「うん。助かる。」
「芙美花も、心配してるから~~~。勝臣には後で電話するわ。」
耀司、
「お、おぅ。」
「今は沖縄に添乗だから。明日、帰ってくるけどね~~。そん時でもいっか~~。旅行中に、怪我した電話なんて。」
晄史、
「かつおみさんって…。」
木守を見て。
汐梨、晄史に、
「私の旦那。東京には、私と旦那と、兄さんと芙美花しかしないから。麻沙美とね~~。」

ママでいい…。 vol,113. 汐梨、「階段から転がり落ちたって…。あ~~ん。」
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
