睦美、「実は…。マテリカル・ゴールドって… 。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ  睦美、
「実は…。マテリカル・ゴールドって…、その前は、シャーマン・オッズと言うジャズバンドだったんです。」

「シャーマンオッズ。」
耀司。

晄史、
「な~~るほど…。」

耀司、
「…って言うか、みなさん、座りません…???」

晄史、その声に、
「あっ。」
あちらこちらを見て。

睦美、
「あ。…確かに。この時間。」

耀司、にっこりと。
「えぇ。」

そして睦美、仕方なさそうに。
「その…、シャーマンオッズに、私が付き合っていた人がいたの。」

誓と耀司、
「えっ…???」

誓、隣に座っている睦美に、
「うそうそうそ。私、初めて聞く、そんな話。」

睦美、誓に、
「…ってか、敢えて話す必要ないし。」

その声に口をへの字にして誓、顔をコクリとして引っ込めるように、
「た、確かに。」

耀司の左隣に座った晄史に、
「晄史さんは、この話。」

晄史、コクリと、
「えぇ。知ってます。…けど…。その…、姉さんと付き合っていた人。」

睦美、
「亡くなりました。」
ハッキリと。

耀司、誓、
「えっ…???」
「うそ。」

睦美、
「1年前にね~~。」
両腕を伸ばして、両手を組んで、それを裏返しにして。そして睦美、
「私の…、好きだった人。…恋人~~。」
腕を戻して睦美。そして、
「ふふん。」
右見て、左見て。顔を傾げても微笑みながら、
「はは。言っちゃった~~~。はははは。」

耀司、睦美に、眉間に皺を。
「でも、そういうの、話して、良いんですか…???」

睦美、そんな高井戸の声に、
「…って言うかぁ~~。…でも…。」
一気に目頭が熱く…。
「高井戸さん、こんな風になっちゃったから。」
いきなり喉の奥がゴクリと。
「ん。」

誓、
「お義姉さん。」

睦美、目尻から涙が。睦美、誓を見て、涙目でニッコリと。
「へへ。」
そして、高井戸に顔を。涙目になりながらに、コクリと。
「ごめんなさい。」

耀司、慰めるように、
「そんな…。…無理しなくていいのに。わざわざ。」

睦美、前を見て、少し、上を見ながら、
「いいの。…だって…。この世には…、もぅ。いないんですから。」
また、喉の奥をゴクリと。

晄史、
「姉さん。」

睦美、
「ALS…。何とか言う病気。…それも、難病。…筋、萎縮…何とか…。難しい病気。リハーサル中に…、いきなりショックで倒れて、そのまま病院に運ばれて…。…で、1年前に…。」

耀司、
「睦美さん。」

「手も足も動けなくなって…。その内に…、言葉も…。」
睦美。
「話に寄ると、その難病に掛かっても数年は生きていられるって…。」
睦美、上体を微かに前に、そして顔を下に。
「…けど…。」
一度、鼻を啜って。そして顔を左右に小刻みに揺らしながら、また顔を起こして、
「早かった。…症状の進行が…。」
また鼻を啜って。そして今度は顔だけを下に、両手を伸ばして両手握り拳を大腿に。

震えながら…。


耀司、そんな睦美を見て、
「睦美さん。」

誓、義姉の右肩に左手を。
「お義姉さん。」

睦美、けれどもその震えを止めて、一息吐いて、
「ふぅ~~~。」
そしてそのまま顔を上に。涙で濡れた頬。目を真っ赤にさせて、
「5年。」

耀司、睦美を見て、
「5年…???」

また睦美、鼻を啜って、
「えぇ。…彼とは5年。…付き合ってた。」

晄史、
「結婚の約束もね。」

耀司、いきなり晄史を見て。
晄史、高井戸に顔をコクリと。

耀司、また睦美を見て、
「そうだったんですか~~。」

睦美、ポツリと。
「そんな彼が…、入院していた病院が…。…杉並総合病院。」

瞬間、耀司、目を真ん丸に、
「え゛っ…???」

睦美、
「…で、その病院で彼に良くしてくれた看護婦さんが、高井戸さんの。奥様。」
高井戸をチラリと見てニッコリと。

耀司、
「え…???…ええええ…???」

晄史も誓も、
「うそ。」

誓は睦美を見て、
「ほんと…???」

睦美、誓を見て、ニッコリと。
「うん。…だから…。…あの時、一緒に食事した時…???…高井戸さんの写真、見た時、いきなりびっくりした。」

晄史、
「あ。そっか~~~。あの時。」

睦美、
「うん。…とにかく、彼に見舞いに行くと、殆ど、必ず、あの看護婦さんがいた。そして…、私が行くと、必ず、ごゆっくりと。って言って笑顔で、お辞儀をして病室を出る。何だか、毎回のルーティンみたいに…。」

小声で耀司、
「祐里子が…。」
遠くを見るような目をして。
「そうだったんだ~~。」

いきなり、玄関とは違う方向から、
「兄さん。」
麻沙美を連れて。

耀司、
「あは。」

汐梨、ゆっくりと4人の元に。ゆっくりとお辞儀をしながら。
3人が椅子から立ち上がり、木守に深々と頭を下げて。

晄史、
「ごめんなさい。高井戸さんが…。」

汐梨、耀司を見て、
「どうしてこんな事に~~。」

睦美、また頭を下げて、
「ごめんなさい。私がわ。」

耀司、
「睦美さん。…んな事、ないって~~。」
そして汐梨を見て、
「あのね。」

汐梨、
「うん。」
そして耀司、事の顛末を。晄史と睦美、誓を見ながら…。



汐梨、
「うんうん。」
そして…。
「うそ。え~~~~???」








ママでいい…。   vol,112.   睦美、「実は…。マテリカル・ゴールドって… 。」

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