将輝、馨の耳に…、
「麗亜が勝手に俺の電話番号、あいつに教えたっつうから…。」
その声に馨、僅かに頷いて、
「あ、あ~~。ふんふん。な~~るほどねぇ~~。」
和真、理沙に、
「またおいで。みんなで待ってる。」
理沙、
「はい。ありがとうございます。」
和奏、
「じゃ、みなさん。」
涼香と共に、体育館を後にする和奏と理沙。
そして部員たち、
「しっかし、凄ぇよな~~。理沙さんの車椅子の使い方。スルスルスル~~ピタッ。しかも…体もぶれない。」
「いやいやいや。俺には無理。…って。言うか、あんな風には…なりたくないけど…。」
そんな部員に別の部員が頭をペン。
「ば~~か。それ、おま、禁句~~。あんな風になっても、あれだけの事が出来るって…、みんな、言ってんの~~。凄ぇぞ、彼女~~。」
廊下を歩きながら涼香、
「そっか~~、将輝君の連絡先…、理沙さん。」
理沙、
「えぇ…。麗亜ちゃんが、スマホで教えてくれて…。」
そして、
「何故か、私の電話番号も、将輝くんに…。」
瞬間、涼香、
「へっ…???」
咄嗟に、
「あ、あ~~~。そっか。…そういう訳か。うんうんうん。」
変に納得する涼香。
理沙、
「えっ…???」
涼香を見て…。
涼香、そんな理沙に、
「うん…???ううん、ふふ、何でもな~~い。」
右手を振って。
そして和奏、車を玄関に。
すると、理沙、自身で左後部座席のドアに車椅子を寄せて、ドアを開ける。
涼香、その動きを見て、
「わお。」
母親が、ようやく車椅子に追いつく頃、既に理沙はアームレストを外して後ろに。
そして座席に車椅子をピッタリ付けて、右手をシートに。
そして自身のお尻を少し浮かせて…、その場所に左手を、その時には既に体全体が右に。
体が完璧に浮き終わった状態で母親の手がほぼ理沙の体に添える程度に。
数秒後、見事に理沙のお尻はシートに収まり、理沙、自身の体を前のめりに。
そして両腕で両太ももに回して。
和奏は右腕を両ふくらはぎに回して、左手で両足首を持って。
涼香、瞬間、
「早っ。凄~~。」
和奏、ドアを閉めて、涼香にお辞儀を。
「ありがとうございました。また、お願いします。」
その声に涼香も丁寧にお辞儀をして、
「こちらこそ。ありがとうございます。」
理沙、窓を開けて、
「涼香さん。またよろしく~~。」
両手を振って。
涼香、
「うん、また。」
車は走り出す。
涼香、
「いやいやいや。凄いね彼女、もぅ、車椅子、ひとりでバンバンじゃん。いやいやいや。」
そして、
「こりゃ、こっちも鍛えられるかな~~。ははははは。」
車の中。
和奏、運転しながら、
「コムサフードで、何か食べてく~~。ちょっと遠回りになるけど~~。」
理沙、
「あ~~。う~~ん、いいかも~~。」
コムサフード、都内に何店舗かあるフードショップのチェーン店である。
三鷹にある三鷹支店には栞奈もアルバイトで働いている。
理沙、
「お姉ぇ、いるかな~~。」
和奏、
「はて…な…???」
イートインコーナーでハンバーガーを食べながらの和奏と理沙。
店内をグルリと見回して…。
「お姉ぇは…。」
和奏。
理沙、
「いない…。ねぇ~~。」
すると、レジの方から、誰かがふたりの方に手を振って。
理沙、その途端、
「あ~~、友梨佳(ゆりか)さ~~ん。」
和奏、
「へっ…???」
理沙、
「お姉ぇの友達~~。」
客のオーダーが収まった。レジの方から友梨佳。
斉木友梨佳(さいきゆりか)栞奈とは高校時代からの同期である。
同じ大学で、バイト先も同じ。
理沙と和奏の席に…。
「理沙ちゃん、こんにちは~~。しばらく~~。どっ???車椅子、慣れた~~???」
理沙、
「うん。あ、お姉ぇは…???」
友梨佳、
「あ~~。私より遅く、休憩に入ったから、もう少しで出てくるかも。はは、伝えておく。」
理沙、その声に、
「うん。」
和奏、
「いつも、栞奈、お世話になってます。」
友梨佳、右手を振って、
「いえいえ。こちらこそです~~。」
そして、
「じゃね。」
理沙、
「うん。」
その時、理沙のスマホにライン。画面を見て理沙、
「えっ…???ゲッ…。」
和奏、
「ん~~~???」
理沙、スマホの画面を母親に、
「ふん。」
画面には、「将輝」の文字。
和奏、
「あらららら、将輝君。さっきはどうも。頑張れよ。ぷぷぷぷ。」
そして和奏、理沙に困ったような笑顔で、
「嬉しいじゃない。ねぇ…。」
理沙、そんな母親に、口を四角にして、
「うぇ~~~。」

信じて…良かった。 vol.073. 「何故か、私の電話番号も、将輝くんに…。」
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