ベッド上、静かに眠っている理沙。
和奏、そして蒼介。それぞれ理沙の左右に、椅子に座り…。
和奏のスマホに着信音。栞奈からである。スマホを耳に。
「うん。分かった。」
そして…、数分後病室のドアが…。
栞奈、開口一番、
「どういうことよ???どうなってんの…???…今まで順調に…。」
母と父を見て。
和奏、
「お姉ぇ…。」
蒼介も、
「お姉ぇ。」
栞奈、バッグを肩から外して、母の下に。
「どういう事…、容体が悪化したって…???」
和奏、そんな栞奈に…。
「お姉ぇ…。ちょっといい…???」
栞奈、そんな母に…、
「うん…???」
和奏、栞奈に耳打ちするかのように…、
「……。」
その瞬間、栞奈、
「!!!!!」
そして、
「え―――――――っ!!!」
いきなり左手で口を塞ぐ。
蒼介、そんな栞奈を見て。
和奏、栞奈に、
「シッ。理沙。寝てる。」
栞奈、瞬間、両目をガッシリと閉じて。理沙の足元で掛布団に顔を埋めて、
「あ~~~~。んもぅ~~。なんで…。え~~~~。」
けれども栞奈、
「えっ…???…でも、なんで…???昨日まで…。全然…。」
そして栞奈、父を見て、
「とうさん。」
そして、
「かあさん。」
和奏、
「あのね、お姉ぇ…。」
蒼介、
「かあさん。それ、俺から…。」
栞奈、父親を見て…。
蒼介、
「あのな、お姉ぇ…。」
そして蒼介、理沙がここまで至った理由を、医師から話されたままに栞奈に。
栞奈、
「あ、あ~~~。」
蒼介、
「だから。今、理沙が。こういう状態になったって言うのは…。医師も予想できなかった。まさか、理沙がこんな事になるなんて、自分ですら…。」
夫の話を聞きながらまた涙ぐむ和奏。
蒼介、続ける。
「それこそ…、こうなってしまって…。その…、麗亜ちゃん。女の子と、男の子を責める事は…、俺たちは…出来ない。…それよりも、ふたりにお礼を言いたい。教えてくれてありがとうって。」
栞奈、
「……。」
和奏、栞奈の隣で、理沙を見ながら、
「逆に…、その女の子、男の子、物凄い、怖かったんじゃ…ないかしら…。自分たちがいながら、こんな事になったって…。男の子は屋上から急いで看護室に、伝えにきてくれたんだって。」
蒼介、腕組みして、
「今頃、多分…、心配してるんじゃ…。」
栞奈、唇を締めて…、
「そう…だったんだぁ~~。」
麗亜の病室。
麗亜から話を聞いての流美、
「そっか~~~。」
麗亜、困ったような顔して、
「お姉ちゃん…???」
すると、そんな麗亜を流美、麗亜に近づいて、体をしっかりと抱いて、
「麗亜~~。怖かったね~~。うんうん。」
将輝、そんな流美を見て、
「流美姉ぇ…。」
麗亜、
「お姉ちゃん。」
流美、麗亜を抱きながら、
「大丈夫。大丈夫。誰も麗亜を責めたりしない。麗亜は悪くない。全然。うん。それに…。」
流美、将輝を見て、
「将輝。良くやった。」
将輝に右親指を立てて。
将輝、そんな叔母の姿に、
「えっ???」
流美、
「ん~~~。まだ…、麗亜と将輝には…、分かんないかも…。うん。その時になれば、分かってくるよ。」
そして麗亜のオデコにチュッと自分の唇を当てて、
「大丈夫、お姉ちゃんが着いてる。」
その日の夕方、理沙は目覚める。
当然、自分がどうなったのか気になり、父と母から、その経緯を尋ねようとするが…。
蒼介、みなに、
「ちょっと…待ってくれ。」
そして蒼介、席を離れて、病室の外に…。
栞奈、
「理沙…。」
和奏、理沙の右手を握りながら…、
「理沙…。」
理沙、
「おかあさん。お姉ぇ…。」
数分後…。蒼介が病室に。
そして後ろから駒田、そして凪。
蒼介、
「先生からの方が…。理沙の…反応も…あるから…。」
和奏、その声にコクリと頷いて…。
蒼介、駒田に、
「先生…、お願いします。」
駒田、
「分かりました。」
そして、
「理沙君。ちょっと先生の話、聞いてくれるかな。」
理沙、唇を尖らせて、頭をコクリと。
駒田、
「実はね。」
理沙に、今までの経緯を話し始める。
話を聞きながら理沙、みるみる涙を…。顔は真っ赤になり、声が感情で出なくなり…。
そんな顔を見ての和奏も涙で顔を濡らして…。
栞奈もハンカチで目を…。そして、
「ごめん。」
後ろを向く。

信じて…良かった。 vol.016. ベッド上、静かに眠っている理沙。
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