そして…。いよいよ薫子の、ナターシャ、特集の取材当日。
茉祐子、
「おかあさん…、今日だよね~~。ナターシャの取材。特集の~~。」
ジョギングウェア姿で、フィットネスバイクで、
「ふっ、ふっ、ふっ~~。あ~~、うん。」
茉祐子、ドアからにっこりと…、
「頑張って~~。行ってきま~~す。」
ドアが閉まる。
薫子、顔をにこりと…、
「はははは。」
そして1時間後には薫子、仏壇の前で両手を合わせて、
「行ってきます。」
TBAテレビ局内。
実は、ナターシャの薫子の特集取材は、実際の薫子の料理番組から始まったのだった。
以前から一颯と面識はあったナターシャの侑里は、一颯に、
「お世話になります、今回はよろしくお願いします。」
一颯、
「こちらこそ~~。じっくりと観て行ってくださいませ~~。彼女には既に、その旨、伝えてますので…。」
侑里、
「ありがとうございます。」
凛久も、
「うんうん。中々どうして…。確かに…、これなら人気…想像できますね~~。」
薫子の番組は、確かに、料理を視聴者にどう伝えるかもそうではあるが、
その作り方もさることながら、素材や時間、それまでの調理法から徹底したリサーチから…、
恐らく、男性でも、「やってみたい。」と、思える、
薫子独特の演出効果も想定した番組として成り立っていた。
凛久、
「うんうんうん。これなら…僕も作りたくなってきますよね~~。」
侑里、
「は…ぁ…???」
「いやいやいや。だって…、見ていて…気づきません…???」
その声に侑里、
「うん~~。まぁ…。ねぇ~~。…あっ、いや…。女の側から…、今…、思わず、極端に感じちゃった。かかか、申し訳ない。」
「…って、言うか、羽田さん…、料理上手って…。専らの評判ですもんね~~。」
近くでその声に一颯、
「ほぅ~~。」
侑里、
「ばか。何言ってんのよ~~。」
凛久、
「旦那様が…羨ましい~~。」
侑里、思わず凛久の右脇腹を左二の腕に…。
凛久、顔くしゃりと…、
「痛っ。…って、今…、本番中…。」
侑里、小さな声で、
「分かってるよ、この~~。」
一颯、
「ぷっ。」
そして、番組終了。
スタッフ全員、
「お疲れさまでした~~。」
薫子、
「お疲れさまでした~~。」
一颯、
「成宮ちゃん。」
薫子、一颯と一緒にいる男女に丁寧にお辞儀をして、
「ありがとうございます。」
凛久、
「お疲れ様です。…そして…、初めまして…。鳳出版社、月刊雑誌ナターシャの霧島凛久と申します。…なんだかんだで、一度もお目に掛れてないのに…、取材が初対面で、申し訳ございません。」
薫子、凛久から名刺を受け取って、
「はい。霧島凛久さん。初めまして…。」
一颯、
「成宮ちゃん、少し…落ち着いてから…???」
その声に薫子、
「ふん…。ん~~。でも…、今のこのムードなら、いいんじゃないかしら…。」
一颯、
「こっちは…、全然平気だけど…。んじゃ~~。」
薫子、
「OK~~。やっちゃいましょうか。」
侑里、
「ありがとうございます。」
凛久、
「いやいやいや。嬉しいですね~~。」
一颯、
「かかかか。当然。こう見えても…、成宮ちゃん、鍛えてますからね~~。」
その一颯の声に、侑里、凛久、
「はい…???」
凛久、
「鍛えて…るって…???」
一颯、
「あっ。あ~~。」
頭を掻いて、
「ま~~。まっ。はは。まずは…場所を変えて。」
侑里、凛久、
「あ~~はい。」
一颯、
「では…。こちらです。」
一颯の後ろから歩く薫子。
その薫子の歩いている姿勢を見て凛久、
「えっ…???」
侑里、
「ふん…???どうかした…???」
凛久、
「あ…、あっ、はは…。いいえ…。うん。行きましょうか。」
一颯が用意した取材に使う場所。
「どうぞ、こちらになります。」
室内に入った瞬間、侑里、
「わお。」
凛久、
「へぇ~~。こういう場所…、嬉しいですね~~。」
薫子の仕事に反映した室内のアレンジになっていた。
薫子、
「六条さ~~ん。もぅ~~。」
一颯、
「いやいやいや。ここまでは…やらせてもらわないと…。かかかか。」
「ありがとうございます。」
薫子、丁寧に一颯に頭を下げて…。
凛久、
「こっちの必要なもの…、全部、揃ってるわ。凄ぇ…。」

薫子と茉祐子~その愛~ vol.21. 薫子の、ナターシャ、特集の取材当日。
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。