翌朝、
「行ってきま~~す。」
玄関を出ていく奈都美。
「ふ~~ん。少しは…気持ち…落ち着いたか…???」
コーヒーを飲みながら広武。
奈留美、朝食の後片付けをしながら、
「ふん。どうかしらね~~。」
広武、壁時計を見て、
「おし。そろそろ俺も出るか。」
バッグの中から新幹線のチケットを出して確認して。
奈留美、
「帰り、何時頃になりそう…???」
「そればっかりは…。ん~~。向こうでの…打合せ…次第だな~~。」
「遅くなりそうなら…電話して~~。」
「おぅ。分かった。」
広武、大阪に出店される店舗の打ち合わせのための大阪出張である。
レストランや居酒屋、他にもホテルなど、
飲食や宿泊に関しての店舗や企業を傘下に持つ、
「R・Fホールディングス」の東京中央支部長を任されている。
奈都美、昨夜は、幾ら母親と朋代と話しはしたものの、
さすが、いざ眠ろうと思うと、中々寝付けなかった。
自然に思い出し、そしてやはり胸が痛み、枕は涙で濡れた。
けれども、何とか眠ろうとすると、今度は伸永の顔を思い出すのだった。
それにむしゃくしゃしながらいると自然に葉月や木綿子の顔を思い出し、
徐々にまどろみの中に吸い込まれて行ったのだった。
仕事中、アレフーズ東京の名前を口にするスタッフは誰もいない。
けれども、夕方近くになり、ようやく…。
「さて、翔のヤツ、今頃何してんだろ…???」
勇喜雄。
「仕事したくってうずうずしてんじゃない…???」
靖子。
「そういえば、アレフーズの話、ないけど…、どうなってんだ…今…???」
康。
その声に内海、
「ん~~???今…、そっち、加瀬と紀本主任、入ってるらしい。翔があの状態だから。」
康、勇喜雄、そして靖子の3人、
「ふ~~ん。」
奈都美と葉月は沈黙状態。
靖子、奈都美に、
「ねね、ナツ~~。翔…今…???」
その声に奈都美、
「へっ…???」
「翔、ひとりで…アパート…???」
「あっ。え~~、へへへへ。うん。…そう…でしょう。あの状態だから…。」
キョトンとした顔で…。
靖子、そんな奈都美を見て、
「えっ…???何…、その…、曖昧な…。」
康、
「ナッちゃん、翔のアパート…行ったんじゃないの…、心配で…???…課長から…住所、訊いたって…。」
奈都美、
「えっ…???あっ、あ~~。」
靖子、
「な~~んだ~~。」
実際、あれから翔とはまだ一度も電話もラインもない。
靖子、
「翔のアパート…行ってんじゃ~ん。」
奈都美、
「えっ…。あっ。あ~~、うん。うんうんうん。」
「ナツ、翔に、料理…、作ってあげたりして…。」
そんな靖子の声に、無理やりの笑顔で…、
「あ、はははは。うん。まっ、そんなとこ…。」
葉月と伸永は、静かに、
「……。」
康、
「それにしても、さすがに翔とユッコいないと…静かだよな~~。」
その声に靖子、
「こら~~、蔵ノ介~~。」
「いやいいや。悪い意味じゃ…なくって…。…なんか…こう…、一種の…、テンション…ていうのが、足りないって…意味でさ。」
靖子、
「くく。…なら…分かる。」
内海、何かしら奈都美の様子を気にして…、腕組みしながら、奈都美をちらちらと…。
夕方、スタッフが全員帰った部署内。
瀧澤、
「え~~へへへ…???ナッちゃんが~~???」
内海、腕組みしながら、
「え~~。な~~んか…、様子が…。いえね。七瀬と神田が、翔の住所教えてくれって…俺に…。…で、教えた訳ですよ。」
「うん。」
「なんだけど~~。翔の部屋に…まだ、行ってないのか…、どうなのか…???…、けど、翔が今、あの状態で…。七瀬も心配して…。いるはず…なんだけど…。なんとも…様子が…。ねぇ~~。」
瀧澤、
「う~~ん。」
左手中指で顎を撫でて…。
「本人に…聞いてみよっか…、それとなく…。」
内海、
「えぇ~~。」
そして次の日、お昼休みの休憩ラウンジ。
瀧澤、
「おっ、いたいた。」
奈都美、葉月、
「部長~~。」
「丁度お昼休み。ふふ~~ん。ちょいとした差し入れで~~。」
紙袋からそれぞれの目の前に。

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