テーブルの準備をし終えてカウンターに柴乃、
「最近、ルッポラの方々…、見えませんよね~~。」
珂帆に。
珂帆、
「ふ~~ん、そうね~~。まっ、巽君が入院しているからね~~。これだけは…、仕方ないよ。…でも、デリバリーでは…いつも皆さん…、助かってるらしいよ。そんな風に聞いてる。」
「あれから…1ヶ月かぁ~~。ん…、それ以上…???巽君…、入院して…。」
「うん。」
そう頷いていきなり珂帆、
「ぷっ。それにしてもさ。柴乃も気づいてない…???巽君の…なんとも、日増しに顔の表情、良くなってきてんの。」
そんな珂帆の声に柴乃も、
「うんうんうん。そうそう。私もそんな感じ~~。私も…週に、2回くらいは、見舞いに行くけど、今なんて、凄い、にこやかになってるよね~~。」
珂帆、
「なんでだろ。脳梗塞だよ、脳梗塞。普通だったら、体、右側、麻痺してて、そう…簡単に…。」
「うんうん。」
「看護師さんに聞いても看護師さんも驚いてた、昨日見舞いに行ったとき、チラっと訊いたんだけど…。」
柴乃、
「巽君…、もしかして、あいつめ、心臓に毛が生えてんのか~~???」
腕組みをしながら。
そんな声に珂帆、柴乃に指さして、
「もしかしたら…そうかも…。かかかかか。」
「ま~た、またまたまた、店長~~。」
実際、巽の回復力はその若さも体に反映しているのか、早い回復力だった。
そして、遂に、入院40日となった時点で、医師からの退院許可が出た。
病室で知美、医師に向かって、涙を流して、何度も何度も頭を下げて、
「ありがとうございます。ありがとうございます。」
美南、
「遊馬さん。うんうん。ようやくですね。遊馬君の頑張り、凄いですよ、ほんと。」
知美の傍で、知美の右肩を何度も何度も撫でながら達樹。
こちらも涙を流しながら、
「うんうん。かあさん、頑張った、頑張った。」
「奥村師長、沢木さん。本当にありがとうございました。」
麗奈、小さな声で、
「いえいえ…。一番の功労賞は、とにかく…、遊馬君です。とにかく、かっこ良過ぎ。さすがに若いですよ。……そして、なんとも、多くの人に恵まれてる。」
医師、
「とにかく、おめでとう。但し、今後も焦りは禁物。モチベーションは大切に。なっ、巽君。」
巽、ベッド上で、
「はい。富塚(とみづか)先生。ありがとうございます。」
そして、1時間後、達樹が仕事に戻り、知美も買い物をしながらと、病院を後にしていた。
誰もいなくなった病室で、ようやくそれぞれにライン。
翠のスマホに、バッグの中でラインの受信音。
翠、
「…ん…???」
出掛け先の帰り。歩きながら…。
橙のスマホにもラインの受信音。橙の机の上。
橙は離れた場所で、新作の打ち合わせ中。
あれこれとチェックと素材の比較に意見が交わされている。
珂帆のスマホにも、机の上、珂帆、
「…ん…???」
翠、
「う~~わっ。ユウマ…退院決まった~~。はははは。」
珂帆、
「おやおや。巽君、おめでとう~~。」
そしてすぐに指をポン。
けれども、
「あ~~れ~~。話し中って…。…ことは…。かかかか。な~~るほど。」
巽、ベッド上で、スマホの向こうに、
「かかかか。さすがに早い。仕事中じゃなかったの~~。」

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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。