ケン・グリムウッドの小説「リプレイ」を紹介します。
人生をもう一度やり直せたら!という夢を、望んでもいないのに叶えてしまった男の物語です。
ニューヨークでニュースディレクターをしているジェフは心臓発作で突然死んでしまいます。43歳の若さでした。ところが気がつくと18歳に戻っており、43年間の記憶や知識は残っているのに、身体は若いころに戻り、時間も当時に戻っているという話しです。
18歳からすべてをやり直し、やり直しきってまた43歳で再び死にます。事件や事故は同じまま、だからすでに経験したこととして未来を知っているという設定です。
そしてこの小説が秀逸なのは、この「リプレイ」を何度も何度も繰り返すことです。
記憶はずっと継続したまま、繰り返し繰り返し輪廻転生を経験したら・・・
そんな体験ができる小説です。
ご存知の通り、脳は自分がリアルだと思ったことがリアルです。ですから小説世界も脳にとってはリアルな体験です。それがリアリティの新しい定義です。
是非、記憶が継続する輪廻転生の世界を体感してください。
前世があり過去世があり未来世があるというおとぎ話しのような輪廻転生とはまた違う世界観が得られると思います(輪廻転生思想が簡単に差別思想へ落ち込んでしまうことは過去記事でも紹介しました。カースト制度が一つの例です)。
輪廻という宗教的な情報空間から一つ抽象度が上がった世界を体感できます。輪廻があろうが無かろうが変わらない、いまこの瞬間しか生は存在しないという当たり前のことを圧倒的な臨場感で気付かせてくれます。
リプレイ (新潮文庫)/ケン・グリムウッド

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