私は小児科とアレルギー科も標榜していて、この17年間(神奈川県で内科・小児科医院を営んでいた時から)継続してほぼすべての患者さんの食物アレルギーを調べ続けています。
この17年で、3大アレルゲンは、「大豆、ミルク、卵」から、「小麦、ミルク、卵」に変化しました。学校給食と日常生活での主食がご飯から、パン食に変わってしまった事が最大要因の一つです。
一方この17年来、かなりの患者さんでアレルギー反応が同じように出続けている食べ物が、エビ・カニの甲殻類アレルギーと、マグロと牛肉という二種類の赤身肉に対してのアレルギーです。
(ちなみに肉に関しては、日本人では鶏肉と豚肉のアレルギーはかなり稀です。これは日本人が長く鶏と豚を食べて来た歴史があるためです。トマトとキウイに対してのアレルギーも多いのですが、これはトマトがまだ日本では200年、キウイに至っては数十年しか食べられていない歴史の浅い食べ物だからです。)
エビ・カニは明瞭なアレルギーがあれば、しばしばアナフィラキシーショックに結びつく場合もあり、多くの人は食べないで暮らせますが、牛肉やマグロは、アレルギー反応の激しさが、甲殻類アレルギーとひかくすると穏やかな人が多く、採血して初めてアレルギーがあると気づく人も多いのです。
そして、特にマグロに対してのアレルギー反応(血中アレルギー抗体価)は、妊娠可能な年齢の女性ほど高く、高齢者になると減弱する傾向があります。これは、女性の身体が将来の妊娠に備えて、メチル水銀を含むお魚を食べたくないと言っているのだと私は判断しています。
2005年11月、厚生労働省は、魚を食べることにより摂取される微量のメチル水銀が胎児に影響を与える可能性があるとして、妊婦を対象とした魚介類の摂取に関する「注意事項」を公表しました。注意の必要な魚種として、前回のサメ、メカジキ、キンメダイ、一部のクジラ(7魚種)に、マグロ類(クロマグロ、メバチマグロ、ミナミマグロ)3種をはじめ8種類が追加され、全部で15種類の魚種について、妊婦が1週間に食べてもよい量と回数が目安として示されました。(表1)
この知らせを受けて、私は厚生労働省が発表している日本全国の漁港における魚類の水銀含有量調査の結果を再度確認して、メチル水銀の多いお魚一覧を作りました。(図1)
水銀蓄積の問題は、子ども自身の発達障害をもたらすだけではなく、胎児の先天性異常や流産の原因にもなります。
女性と女の子達には、このお魚たちは、あまり食べないようにしましょうと、私は特に指導しています。
これから子どもを産む年代の女性達と、将来母になるであろう女の子を育てている親御さんにとどきますように。
クリニック光のいずみ院長
自然療法医 石川眞樹夫
追記ーカラスカレイは、深海魚で、とても大きなカレイです。普通のカレイは問題になりませんのでご注意下さい。
図1
表1

