【第3話】「こんな時に裏切るの?」——夫の机から出てきた“1枚の紙”に震えた夜

第2話の続きです。


父の老い。

母の不安。

迫り始めた介護問題。


それだけでも十分苦しかったのに。


人生というのは不思議なもので。


問題って、なぜか重なるんですよね。


その日。


私は夫の書斎で探し物をしていました。


町内会の書類だったと思います。


夫に頼まれて。


「机の引き出しに入ってるから取って」


そう言われたんです。


だから。


本当に偶然でした。


■見てはいけないもの

引き出しを開けると。


封筒がありました。


銀行の封筒。


なんとなく目に入っただけ。


そのはずでした。


でも。


私は固まりました。


そこに書かれていた数字が。


想像を超えていたからです。


カードローン。


残高。


278万円。


■頭が真っ白

最初。


意味が分かりませんでした。


何かの間違い。


仕事関係?


会社のもの?


そう思いました。


でも違った。


名義は夫。


完全に個人契約。


しかも。


別の明細も出てきました。


消費者金融。


クレジットカードのリボ払い。


分割ローン。


次々と。


私の知らない借金が出てきたんです。


■ずっと隠していたの?

その日の夜。


私は眠れませんでした。


隣では夫が普通に寝ている。


でも私は。


夫の寝顔を見ながら思いました。


「この人、いつから隠してたの?」


子どもの学費。

住宅ローン。

老後資金。


私たちはずっと。


二人で頑張ってきたと思っていました。


でも。


その前提が崩れ始めていたんです。


■翌朝の対決

翌朝。


私は夫に聞きました。


「借金あるの?」


夫は一瞬固まりました。


そして。


観念したように下を向いたんです。


「ごめん……」


その瞬間。


怒りより先に。


悲しさが込み上げました。


なぜ相談してくれなかったのか。


なぜ隠したのか。


なぜ私だけ知らなかったのか。


■理由

話を聞くと。


投資でした。


正確には。


「絶対儲かる」と言われた投資案件。


最初は少額。


でも損失が出た。


取り返そうとした。


さらに損した。


借りた。


また失った。


その繰り返し。


典型的なパターンでした。


■50代目前の恐怖

もし30代だったら。


まだ何とかなったかもしれません。


でも私たちは。


もう50歳目前。


老後が見えてくる年齢です。


親の介護。

自分たちの老後。


全部考えなければいけない時期。


その時に。


数百万円の借金。


正直。


目の前が真っ暗になりました。


■人生で初めて考えたこと

その夜。


私は一人でお風呂に入りながら。


初めて考えました。


離婚。


今まで一度も本気で考えたことがなかった言葉。


でも。


頭の中を何度もよぎる。


信頼って。


お金以上に大事なんだと知りました。


そして私は。


これから先。


人生で一番大きな決断を迫られることになります。


(第4話へ続く)


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