先日。
その日も学校の帰りに、高校受験を控えたある中学三年の女の子(以下、麻衣子=仮名、としておきます)が塾に自習しに来ていました。
麻衣子は端的に言って、学力はあるほう。ただ、口癖が「無理」、「わからない」、「できない」という『ワタシは出来ないの』と思い込んでいる娘。
自習をしていた彼女に「自分が声をかけると、麻衣子曰く、「ねぇ、なんか理科、ヤバイんだけどぉ。どうしよぉ」。
自分が「やるしかないっしょ。(入試の)過去問でも、何でも問題を用意してやるから、ガンガンやんなきゃ駄目じゃん」と言うと、
「もぉう、無理。駄目だよぉ。ウチ、もうヤバイ」と麻衣子はネガティヴなセリフばかり。
何気なく自分から出たセリフが、「あのさ、麻衣子ってカナヅチ?」
「ううん」と麻衣子は首を振りました。
「じゃあ、考えてごらん。今、麻衣子はプールの飛び込み台にいるんだ。25メートル先がゴールだ。ヨーイドン!って、ピストルがなって、麻衣子はいつまでも飛び込み台の上で『あ~どうしよ、無理!』とか言ってるの?とりあえず、飛び込んで泳いでみないとわかんなくない??」
自分は反射的にそんなことを口走ってしまいましたが内心、『あ~なんとクサイことを・・・』と猛省していたのでした。
しかし、麻衣子は「あ、そうか。そうだよね。ウチ、がんばるよ!先生、とりあえず、問題、コピーしてもらっていい?」と表情を明るくしていってくれました。
コピーした問題を彼女に与え、自分の持ち場に戻りかけたとき、後から塾に来た麻衣子の友達が麻衣子に「何!?そんな問題をたくさんやるの?」と麻衣子に話しかけていました。
それに対し、麻衣子は明るい声で「うん!『がんばる』宣言したから、ウチ、やるんだ!」と果敢に問題に取り組んでいました。
まるでNHKのドラマみたいなベタなクサイ展開でしたが、素直に嬉しかったです。こちらも元気、もらいました。こういう生徒ばかりだと少しはラクなんですけどね・・・。