映画やドラマを観てどちらが悪役かわかりますか? | kyupinの日記 気が向けば更新

映画やドラマを観てどちらが悪役かわかりますか?

今日の記事は10年前にアップした「水戸黄門」の記事も参考になる。興味のある人は最初に下の記事を読んでみてほしい。

 

 
映画やドラマを観る際に、製作者の意図を汲み取り内容を把握することが苦手な人がいる。若い人が数人で映画を観に行き、1名だけ内容が理解できていないなどの経験を持つ人もいると思う。
 
例えば、スターウォーズは善悪が明確で、宇宙の戦闘場面は何も考えずアクションを楽しめるので子供でもわかりやすい。これは制作する人たちが、いかなる人たちが視聴者なのかをよく理解して制作していることもある。それに対しストーリーが複雑で、善悪が逆転することもある映画やドラマでは理解が難しくなる。これはスターウォーズや水戸黄門とは異なり、悪役がそれらしく見えなかったりするためである。
 
映画やドラマの理解にはある種の認知能力を要する。それは単に知能が高いとか国語の成績が良いとか単純なものではない。
 
近年、インターネット詐欺がしばしば話題に出る。インターネットはそれなりに知識を要するため、騙される原因として「ネットリテラシーが低い」などと言われるが、実はネットリテラシーの良し悪しはそこまで大きい要因ではない。関係はあるものの、主因ではないと言ったところである。なお、ネットリテラシーとは、インターネットを適切に使いこなす能力のことを言う。
 
例としてインターネット上のあるSNSアカウントが詐欺的を企んでいたとしよう。検索などを使い、あるいは親や友人に意見を聴くなど十分に検討すると、それが発する情報にはおかしなことがたくさんあることに気付くと思われる。例を挙げると、この商材を使えば「月利10%」になるなどである。そのくらい儲かるのなら、わざわざ人に教えないでしょう?という疑問が湧くと思うが、騙される人たちは、そのような疑念は他の良い話にかき消されるのであろう。
 
これを信じてしまうかどうかは、ネットリテラシーの有無とはさほど関係がない。プログラムも組めるほどITに習熟している人でもこのタイプの詐欺に騙されることがある。
 
映画やドラマでは、俳優や女優の風貌、表情、服装など視覚的なものに加え、ストーリーの把握ができるかどうかが理解の程度に影響する。実社会での詐欺師はそれらしく見えないように振る舞うので、視覚的なものだけでは判断できない。またインターネット上では相手が出てこないことがあるので視覚的な情報は制限されている。
 
詐欺師が誠実そうに見えても、矛盾を感じられる人には感じられる。これは総合的な認知を含む判断である。ここでは、「映画やドラマを観てどちらが悪役かわかりますか?」という話になるが、胡散臭さ、不自然さ、疑念を感じ取れる人は決して騙されない。
 
このような際には一般常識や社会経験などのインターネットとはあまり関係がないスキルも必要になってくる。安全に生きていくためには、このタイプのアナログの部分も必要と言えるのである。現代の若者はややこれらアナログ部分に弱い傾向がある。
 
詐欺的なものにハマる過程では、1つのプラス情報を重視し、他の多くのマイナス情報が脳内から追いやられるなどが見られる。心がときめきドパミンが出た瞬間に他のことを総合的に判断できなくなるのだと思う。悪質な新興宗教にハマる人たちにも、このタイプの認知能力の偏りがみられる。また、ポンジスキーム的な儲け話が大学生の間では流行ることがあるのも同様である。
 
ポンジスキームは当初は被害者だが、やがて加害者になる経過になることが多い。なぜ加害者にもなるかと言えば、その儲け話が他人へいかなる影響を及ぼし、最悪どのような結末になりうるかなど将来的な見通しが全くできてないことが大きい。つまり想像力を含む認知機能が不十分なことに由来している。
 
このタイプの被害に遭いやすい人たちには、誤りあるいは嘘を見抜き、正しく判断するための認知能力の障害が見られる。ただしこれは狭義の知能ではない。だからこそ簡単には修正されず、2回目、3回目の被害にも遭いやすいのである。
 
高齢者の場合、文字通り認知機能の後天的低下による部分が大きいが、若者の場合は、生来性の認知機能の問題も関与しているように思われるのである。