ルジオミール100mgとトピナ25mg | kyupinの日記 気が向けば更新

ルジオミール100mgとトピナ25mg

彼女はちょっと変わったきっかけで転院して来た。

主訴は酷いリストカットと不眠。その他、パニック障害もある。症状は約10年間持続し、今は全然働けないという。転院の直前、彼女は他の病院に数ヶ月入院していた。全く改善せず、知人から薦められうちに転院している。そのため紹介状などなかった。(他の病院に入院していて全く良くならず、うちに転院する人が意外にいる。)

初診時、あまりにもリストカットが酷いため、休養も含め入院を薦めた。当初、短い期間入院している。最初はアンプリット25mgから始め、次第にリボトリール1mg、ラミクタール25mgを追加してみた。

ところが中毒疹のためラミクタールは中止。しかしながら、ラミクタールを2ヶ月近く続けることができたこともあり顔つきはかなり和やかになった。

ラミクタールにしろトピナにしろ、中毒疹がいずれ出るにしても、中止までの期間が数ヶ月あると精神に対する影響が大きい。

リストカットだけはすぐに消失したが、ひきこもり、うつ状態、アルコール嗜癖は当初はさほど良くならなかった。リストカットは精神科治療で最も容易に消失する精神所見であり、再現性もかなり低い。

薬に弱いのに、アルコールはかなり飲めるタイプの人がいる。また中毒疹が出やすいのに、アルコールはなんともない人もいるのでちょっと驚く。彼女はそういうタイプだった。

治療の初期、深酒するとリストカットが出現することがあった。アルコールは脳の抑制系を弱め飲酒の時だけ自傷行為が出る人がいる。このような人はやはり断酒は予後に好影響を与える。

リフレックス、ルーランなども併用した時期もあったがうまくいかなかった。特に夜に悪化すると言うため、再び短い期間入院。その後、アンプリット75mgリボトリール1mgで比較的良い時期もあったが、事情があって転院。しかしそこの病院では、いろいろ都合が悪いことがあり、再び戻ってきた。

2度目はアンプリットをルジオミールに変更してみた。彼女はリストカットやパニックなど激しい症状は良くなっているが、働けるレベルまで回復していなかったから。

彼女の性格を聞いてみると、「元々活発。内にこもるのは苦手。周囲の人が自分の方に近寄ってくるタイプ」らしい。

その後、リリカを使ってみた時期もあるが、浮腫が出現し中止。リリカは浮腫の副作用が時々みられる。リリカ中止の後、少量のトピナを追加したところ、精神面の強さが出てきた。またトピナは副作用もなかった。そうして、遂に働けるようになったのである。

ルジオミール 100mg
リボトリール 1mg
レンドルミン 0.25mg
トピナ    25mg


トピナ25mgは適切なのかどうかは不明である。トピナは意外に用量が必要な人と、少しだけ服用していればかなり違う人に分かれるため、実際に使ってみないとわからない。

ルジオミール100mgとトピナ25mgは彼女にはバランスが良く、ようやく働けるレベルに寛解した。今はもう1年近く働いている。

これを見ても、やはりルジオミール50mg錠の製造中止は良くなかったと思う。

参考
リストカットについての私見
精神的渇望とトピナ
抗うつ剤治療と主治医との信頼関係
希死念慮の謎
ラミクタールと中毒疹の悲喜こもごも