アルコール依存症
うちの病院ではアルコール関係の患者さんは原則扱わない。このことについて、このブログでも時々触れている。これはいくつか理由があるが、もともとは理事長の方針で、また病院の特性にも関係がある。だから、別に僕がアルコール関係疾患を診たくないわけではなく、今の病院に勤める2000年以前は、普通にアルコール依存症を診ていた。
以前の病院では、たぶん遺伝的なものだろうと思うが、ある地域で異常なほどアルコール依存症が多く、病院車で何回か往診し収容もしていた。近年は病院車で収容行くことは危険が伴うので、どこの病院もあまりしなくなっている。新患だと、アルコール限らず断られることが多いと思われる。当時は危険と言うより、患者さんのことを考え、なんとか治療にのせるために往診していた。これはその病院の方針だったのである。
往診のアルコール関係疾患の比率は20~30%くらいだったと思う。アルコールの患者を往診に行くと収容自体は楽だった。なぜなら泥酔状態でほとんど動けないことが多かったからだ。
当時のアルコール患者の往診パターンは、主に2つあって、「まだ元気だけど妻などに暴力を振るう」などの暴力的問題と、アルコール飲用の果てに「食事が全く摂れなくなって栄養状態が非常に悪化」して入院となるものであった。
アルコール依存症の妄想は特に嫉妬妄想に親和性が大きく、これははっきり原因がわかっていないと思うが、心理学的には、
①アルコール飲用が続きインポテンツになる。
②自分がセックスをしないので、ひょっとしたら妻がどこかで・・
③おまえ浮気しているだろ。
という妄想形成が生じるように書かれている書物を読んだことがあるが、女性にもアルコール依存症で嫉妬妄想が生じるのでこれはすべてを説明できていない。実は、アルコール依存症の患者さんが奥さんに暴力を振るうのは、この嫉妬妄想に由来していることも多い。
アルコール依存症で動けないほど、あるいは食事がろくに取れないほど飲み続けた後、精神科病院に入院した場合、しばしば「振戦せん妄」が生じる。実はアルコール関係の患者を受けない理由の1つが、ある事情のため、この状態に病院が対応できないからなのである。
現在、アルコール依存症はうちの病院で全く診ていないわけではなく、外来のみ、男性に2名、女性に1名だけいる。入院患者ではアルコール依存症が前面に出ている患者はいない。
外来患者のうち1人は非常に優秀な営業マンだったが、ある時、事故で頭部外傷を負い数日間意識不明になった。奇跡的に意識が回復した後、なぜかアルコールが底なしに飲めるようになったのだと言う。「1升でも飲めるのです」とか。この患者さんは、現在はきちんと断酒会に行っているし、悪くなった場合、他病院に紹介するという条件で外来だけ来ている。
このように、頭部のダメージの後、魔法のようにアルコール依存症になってしまうパターンを稀に診るがどうなっているのだろう?(以前の病院で元ボクサーの人もそうだった)
女性患者は、いわゆるアルコール幻覚症で、一応、入院の心配がなさそうだし、もし入院になっても女性なら対応できるので外来で診ている。
もう1人の男性患者は、アルコールを飲むと喧嘩をしてしまう(街にわざわざ人を殴りに行く)若者。彼はアルコール依存症だけど、ちょっと風変わりなので僕は診ることにしている。アルコール依存症の暴力は身内に及ぶパターンが圧倒的に多く、ちょっと彼は違うと思うのである。
うちの病院には、ずっと嫌酒薬のシアナマイドがなかった。現在、その数名のために置いている。
一応、アルコール関係の病気は一通り診てきてはいるが、僕は未だかつてアルコール専門病院に勤めたことはない。その理由は、毎日、アルコールの患者だけ診るというのも面白くなさそうだし、僕の得意分野が統合失調症と双極性障害というのもある。
以前の病院では、たぶん遺伝的なものだろうと思うが、ある地域で異常なほどアルコール依存症が多く、病院車で何回か往診し収容もしていた。近年は病院車で収容行くことは危険が伴うので、どこの病院もあまりしなくなっている。新患だと、アルコール限らず断られることが多いと思われる。当時は危険と言うより、患者さんのことを考え、なんとか治療にのせるために往診していた。これはその病院の方針だったのである。
往診のアルコール関係疾患の比率は20~30%くらいだったと思う。アルコールの患者を往診に行くと収容自体は楽だった。なぜなら泥酔状態でほとんど動けないことが多かったからだ。
当時のアルコール患者の往診パターンは、主に2つあって、「まだ元気だけど妻などに暴力を振るう」などの暴力的問題と、アルコール飲用の果てに「食事が全く摂れなくなって栄養状態が非常に悪化」して入院となるものであった。
アルコール依存症の妄想は特に嫉妬妄想に親和性が大きく、これははっきり原因がわかっていないと思うが、心理学的には、
①アルコール飲用が続きインポテンツになる。
②自分がセックスをしないので、ひょっとしたら妻がどこかで・・
③おまえ浮気しているだろ。
という妄想形成が生じるように書かれている書物を読んだことがあるが、女性にもアルコール依存症で嫉妬妄想が生じるのでこれはすべてを説明できていない。実は、アルコール依存症の患者さんが奥さんに暴力を振るうのは、この嫉妬妄想に由来していることも多い。
アルコール依存症で動けないほど、あるいは食事がろくに取れないほど飲み続けた後、精神科病院に入院した場合、しばしば「振戦せん妄」が生じる。実はアルコール関係の患者を受けない理由の1つが、ある事情のため、この状態に病院が対応できないからなのである。
現在、アルコール依存症はうちの病院で全く診ていないわけではなく、外来のみ、男性に2名、女性に1名だけいる。入院患者ではアルコール依存症が前面に出ている患者はいない。
外来患者のうち1人は非常に優秀な営業マンだったが、ある時、事故で頭部外傷を負い数日間意識不明になった。奇跡的に意識が回復した後、なぜかアルコールが底なしに飲めるようになったのだと言う。「1升でも飲めるのです」とか。この患者さんは、現在はきちんと断酒会に行っているし、悪くなった場合、他病院に紹介するという条件で外来だけ来ている。
このように、頭部のダメージの後、魔法のようにアルコール依存症になってしまうパターンを稀に診るがどうなっているのだろう?(以前の病院で元ボクサーの人もそうだった)
女性患者は、いわゆるアルコール幻覚症で、一応、入院の心配がなさそうだし、もし入院になっても女性なら対応できるので外来で診ている。
もう1人の男性患者は、アルコールを飲むと喧嘩をしてしまう(街にわざわざ人を殴りに行く)若者。彼はアルコール依存症だけど、ちょっと風変わりなので僕は診ることにしている。アルコール依存症の暴力は身内に及ぶパターンが圧倒的に多く、ちょっと彼は違うと思うのである。
うちの病院には、ずっと嫌酒薬のシアナマイドがなかった。現在、その数名のために置いている。
一応、アルコール関係の病気は一通り診てきてはいるが、僕は未だかつてアルコール専門病院に勤めたことはない。その理由は、毎日、アルコールの患者だけ診るというのも面白くなさそうだし、僕の得意分野が統合失調症と双極性障害というのもある。