倶楽部クミシュラン主宰 皆川公美子です。
雁の童子(宮沢賢治)
〜笛とオイリュトミーによる平和の祈り〜
雲龍さんの笛は、いつも神様に献笛される《響き》として聴かせていただいてたんですが、
今日は宮沢賢治さんの【雁の童子】という物語を推進する《演奏》としてひとつの流れを創られていたのがすごく印象的でした。
オイリュトミー(オイリュトミー(Eurythmy)とは、オーストリアの神秘思想家、教育家であるルドルフ・シュタイナーによって新しく創造された運動を主体とする芸術である。ある種の舞踊ないし総合芸術、パフォーミング・アーツであるとも言われる。)の
はたりえさんの舞と創られた場は、
宮沢賢治のかたりであくまで淡々と流れていました。
題材となった「雁の童子」は、大乗仏教の源流となっている地域であるタクラマカン砂漠のオアシス都市を舞台としています。
その地域での天使の壁画の発掘をきっかけにして、雁の老人から須利耶圭に託されて育てていた雁の童子の前世の関係(須利耶圭の雁の童子は前世には親子で画家の須利耶圭が童子の壁画を描いた)が明かされ、
雁の童子は天に帰っていくという物語です。
親子の悲哀の場面、
子供が天に還っていくという
なんとも胸を締め付けられる場面を
ただあること
として、そっと置かれたような最後の台詞で
なんだか涙が出そうでした。
・・・・・・・・・・・・・
ものすごく起伏があるというのではない、
静かに流れる多様な笛の音と
淡々とした語り、
そして地面に深く根ざしていると感じるような舞。
終始静かな空気のなかで、物語が進行しました。
観客は頭のなかで想像の翼を広げていたと思います。
何を見ているかわからない、
でも深い味わいの空気のなかで
時間は進みました。
こういうびっくりさせる仕掛けを持たないステージは
昨今では珍しいと思います。
人の注意を引こう!としないで
人を1時間半引きつけておくのはむずかしいことだからです。
でもこのステージではそれがなされていました。
だまって大人が自分のなかに世界を作っている。
ひとりひとりが自分のなかに集中していたと思います。
すごい!
感性上級者でないと、
長時間意識に集中するのはむずかしい。
でもそれができたならば
今、ここにいる自分のなかにいて、
残る映像の旅が自分のなかに永く残ります。
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