【一義流気功 技術と哲学】勝利と敗北 | 壱義流気功 創設者「小池義孝」公式ブログ

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治療家、作家です。異常反応の解体、愛05、固着した悪意の解体、先天的な左右の生命力差の解消など、世界で初の治療法を開発。著書は「ねこ背は治る!」(22万部)を始め、「知るだけで防げるうつの本」、「はじめての気功」など多数。台湾、韓国での翻訳版も。

 

 

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 勝利と敗北

 

 試験の点数、営業成績、スポーツ競技、コンクールなどは、明確に数字や勝敗判定などによって勝者と敗者が分かれます。ただ精神にとって、勝利と敗北の定義はやや異なります。勝利とは、相対的に優越している認識です。敗北とは、相対的に劣等している認識です。

 

 心にとって、勝敗は主観です。優越していようが劣等していようが、本人がそこに焦点を合わせていなければ、勝ちも負けも生み出されません。例えば、ファッションにまったく興味のない人が、服装で劣っていたとしても、その人にとってその劣等は敗北ではありません。

 

 ある勝利条件上は勝っていたとしても、心が他の理由で劣等を認めれば、心にとっては敗北です。例えば、音楽のコンクールで圧倒的なパフォーマンスで技術の差は歴然であるけれど、審査基準からは逸脱していたために賞を取れなかったとします。最優秀に選ばれた人は、コンクールの枠組みでは勝利者ですが、自らが音楽家として劣っていると認識すれば心の中では敗者です。試験で猛勉強して良い点数を取ったのだけれど、授業くらいでまったく勉強しない他の人と僅差であったら、どうでしょうか。点数では勝っていますが、能力としては負けていると認識されるでしょう。アマチュアゴルフではハンデキャップを用いて、実力が異なる者たちとでゲーム性を成立させます。そのような感覚で、猛勉強の自分と授業以外に勉強をしない相手とを比較して、このハンデでこの点差なら負けたのと同じと認識されるかもしれません。要は、何に焦点を合わせてどう比較するかで、心の勝敗は決するのです。

 

 嗜好品であるゲームの側面からは、勝利と敗北は価値として等しいものです。しかし楽しく競っているわけではなく、単に優劣を認識する敗北に直接的な価値はありません。勝利は高揚をもたらし、敗北は苦痛をもたらします。

 

 勝利と敗北は、一定水準以上の知性があれば、ただそこに比較対象があるだけで生み出されてしまいます。優劣を比較する意識はなくても、外見に関心の高い個人が、自分よりも美人を目の前にすれば、容姿で劣っていると認識するのは避けられません。

 

 自動的に勝敗を判定してしまうがために、優劣による精神状態への影響も避けようがありません。よって、そこには必然的に何らかの勝利が求められます。敗北ばかりでは、心が耐えられないのです。敗北による苦痛と、勝利への渇望は、心を歪ませる大きな要因となり得ます。

 

 他人と優劣を比較しない、自分は自分、という価値観があります。しかしこれは勝敗判定を下した後に、それを無意味だと意志の力で意味づけを変えているに過ぎません。勝利と敗北に対する心の反応自体は、何も変わってはいません。

 

 

 

 

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