こんにちは

陶芸家の辻本喜代美です。

 

久しぶりのブログとなりました。

 

今回は、先日わたしが体験した

「人生初めての大緊張のチャレンジ」について

お話しさせてくださいね。

それは……「箱書き(はこがき)」です!


 

そもそも「箱書き」ってなぁに?

 

「箱書き」と聞いても、

あまりピンとこない方も多いかもしれません。

 

これは、陶磁器や掛け軸などの

高級な美術品を納める

木の箱(桐箱など)のフタに、

作者の名前や作品のタイトルを

毛筆で書きつけること。

日本の伝統的で、とーっても

格調高い行為なんです…!

 


 

私の作る作品は、

いわゆる「お茶道具」のジャンルではないので、

これまでの長い陶芸人生で、

実は一度も機会がありませんでした。

ところが先日、その瞬間が

突然やってきたのです…!

 

 

 


 

ギャラリーのオーナーさんから
突然の連絡

 

4月に開催した個展でのこと。

いつも応援してくださる大切なお客様が、

私の陶のオブジェ作品を気に入って、

お求めくださいました。

(本当にありがたいなぁ、

と感謝でいっぱいです!)

 

 

 作品は配送でお届けすることになり、

個展を企画してくださった

SAN-AI-GALLERYのオーナーさんが

手続きを進めてくれていました。

すると数日後、オーナーさんから連絡が・・。

 

「作品をお届けするにあたり、

桐箱をご用意することにしました。

喜代美さん、箱書きをお願いできますか?」

 

「は、箱書き……!?」

 

初めてのご依頼に、

一瞬、頭の中に???が舞いました。

そこで恐る恐る、オーナーさんに

書き方について聞いてみたのです。

 

「あの、毛筆はちょっとハードルが高くて……

何を準備していけばいいですか?」

 

するとオーナーさんは、

「大丈夫ですよ!

筆ペンやサインペンでも全然かまいません。

20分ほどあれば書けますからね〜♪」

 

と軽やかに伝えてきました。

その言葉に少しホッとして、

自宅にあったお気に入りの画材を

カバンに詰め込み、

いざギャラリーへと向かいました。

 

 

 


 

目の前に現れたのは、
想像以上の大物!

 

ギャラリーに到着して、事務所に入った瞬間。

わたしの目に飛び込んできたのは……

想像していたよりも、ずーっと大きく、

立派な桐箱でした。

 

「こ、これに書くのか……!!」

 

途端に、背筋にピシッと緊張が走ります。

 

「練習用の紙を

たくさん用意しておきましたから、

いろいろ試してみてくださいね。

時間はたっぷりありますから」

 

優しいオーナーさんに背中を押され、

まずは練習に、自分の名前やタイトルを

何度も書いてみました。

 

でもね……練習すればするほど、

迷いが生じてくるのです。(苦笑)。

字にものすごい自信があるわけでもない私。

練習用紙の前でフリーズしそうになりました。

 


 

 

「よし、やるか!」腹を括った瞬間、
魔法が起きた

 

どこかで腹をくくらなければいけない。

「よし、やろう!!」

覚悟を決めて、

サインペンを手に取りました。

 

 

まずは箱の表に、タイトルと、

いつもの自分のサインを入れます。……でも。

それだけだと、なんだかちょっと物足りない。

せっかくの大切なお客様へのギフトなのに、

私の体温が足りない気がしたんです。

そこで私は、桐箱の側面に

下書きなしの即興で、

絵を描き始めました。

 

お求めくださったお客様の、笑顔。

そして、お届けする作品の佇まい。

それだけを頭に浮かべながら、

ただただ、夢中でペンを走らせました。

 


 

 

20分のはずが、気づけば・・

 

最初は緊張して、ぎこちなかった手の動きが、

だんだん、だんだん、滑らかに。

つまり、楽しくなってきたのです!

「20分もあれば書けますよ」

と言われていたのに・・

 

気づけば1時間、時間を忘れて

ノンストップで絵を描き続けていました(笑)。

まさに、無心になる。

「ゾーン」に入っていたんだと思います。

 


 

描き終えた箱書きを見て、オーナーさんは

「これはお客様、とっても喜ばれますよ!

作者直筆の絵が入っているなんて、本当に素敵!」

と、喜んでくださいました。

 

 

その言葉を聞いて、やっと、

深〜く深呼吸(笑)。

 

こうして、私の初めての箱書き体験は

無事に幕を閉じました。

 


 

お一人お一人の笑顔を想って

 

陶芸家として長く活動してきましたが、

いつもとは少し違う、

ものものすごく温かい挑戦ができた一日でした。

 

「あぁ、なんだか嬉しい日だったな。

またいつか、こんな風に心を込めて

箱書きができる機会が来たらいいな」

 

そんな風に思える、

私の記念すべき日になりました。

 


 

私の手を離れた作品と、

世界にひとつの桐箱は、

そろそろお客様の元に届いている頃でしょうか。

 

箱を開けた瞬間、お客様に

「やわらかくて優しい気持ち」のギフトが

届きますように。

喜んでいただけていたら、本当に嬉しいです。

 


 

今日も最後まで読んでいただき、

ありがとうございました!

 

そんな私の作品は、

明日から、日本橋三越で

ご覧いただけます!

(このブログの最後に詳細を掲載中です見てください)

 


 

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