僕は“ステージ催眠術師の通訳兼アシスタント”として

1時間半のTBS特番に出演することになりました。
 

そもそも僕は、アメリカに住んでいた経験から英語が多少話せるけどプロの通訳ではないし、俳優として芝居の舞台はしていたけど、エンターテイメントのステージの経験もない。


そんな僕ではあったけど、持ち前のチャレンジ精神で、日本初のステージ催眠ショウを成功させるために、とにかくやれることはすべて精一杯やってやろうという気持ちで臨みました。

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僕はいち出演者という立場を超えて、番組を制作するためのあらゆる打ち合わせに参加しました。

セットの打ち合わせ、照明、音響、衣装、そして、放送作家たちとネタの打ち合わせまで参加したんです。


オーストラリアに住むマーティンに代わってすべてを把握し、その詳細を伝えたり、確認したりして、日本スタッフに指示を出す必要があったのです。

 

TBSの番組スタッフたちも催眠術は未知の世界のこと。

何が必要で、何をしたらいいか、カメラは何を追うべきか、番組をどう構成すれば面白くなるかなど、まったく見当のつかないところからのスタートでした。

そんなふうにすべてに関わっていったから、当然そこにヤラセや仕込みなどなく、インチキでもなんでもないことがわかっていきました。


そうなると僕の好奇心は、ムクムクと盛り上がってきます。


(インチキでしょ? )という疑いと、(ほんとなの? )という好奇心とが葛藤していたところから、次第にその疑いが晴れていくと、好奇心だけが残って、僕はもう興味と好奇心のかたまりでしかなくなっていきました。

 

半年以上の準備期間を経て、いよいよ行われたマーティンの催眠ステージショウの番組収録は、予想を遥かに超えて大成功しました。

 

念の為に3回分の本番ステージライブを、出演者を変えて5日間かけて行ったけど、もう初日から大盛り上がりで大成功したんです。
通訳を介して催眠術がかかるか? というもうひとつの重要なテーマも表面的にはクリアしました。

なぜ“表面的”なのかというと・・・、実はマーティンが催眠をかける肝心のシーンでは、実際にはマーティンはしゃべらずに、僕がオーストラリアで観てきたマーティンのショウから得たものを参考に、僕なりの解釈で “催眠術をかけるような語りかけ”をしたのでした。

“僕なりの解釈”と書いたのは、僕なりに解釈してやってみるしかない状況だったということです。
なぜって、マーティンは僕の日本語がわからないから、僕の語りかける日本語を直しようがない。
加えて、日本人でステージ催眠ショウが行えるほどの催眠術師も存在しない。
そのころ日本の催眠術師がするような、日本語に合った催眠誘導の語りかけでは、テンポが違いすぎてエンターテイメント的催眠状態には誘導できなかったのです。


つまり、僕には参考にできる催眠術のノウハウもなかったし、マーティンも僕に日本語での催眠誘導を教えることはできなかったのです。

 

しかし、もっともデリケートな催眠誘導は、どう考えても日本語で語りかける必要がありました。
もちろん、マーティンは日本語を話せない。


僕なりに考えて書いた日本語の原稿をローマ字に書き換えて、マーティンに覚えてもらおうと試みましたが、それは無理でした。
マーティンが覚えたのは、最初の1行だけ。
「さあ、わたしの めを みなさい」
この先は、すべて僕がマーティンに代わって言わなければならなくなったのです。

でもなぜ、通訳としての僕が、そこまでやろうとしたのか。

それはマーティンが本番収録のために来日していたとき。
僕は彼とホテルの一室でマーティンのショウのビデオを見ていたときでした。
「ほらね、ジョイ、オーストラリアじゃ、私の催眠ショウはこんなに盛り上がるんだよ」とマーティンに言われたんです。

僕はそのとき気づきました。
もしも万が一、TBSでのショウが成功しなくても、マーティンにはオーストラリアという帰る場所がある。
そこに戻ればいつだってマーティンは大スターなんです。

TBSにしても、ショウが成功しなければ、“やはり通訳を介しては催眠術はかけられなかった”という結論に行き着く1時間半の番組枠を埋めることができます。

そして肝心の僕はというと、まだ新人で無名の俳優が催眠術師の通訳を務めてみたけれど、誰ひとりとして催眠にはかからず、ショウは失敗してしまった。

それは、通訳をやった僕がイマイチだったから・・・という惨めな批評が下されてしまう。
そしてそれは、そのままそのあとの僕の俳優としてのキャリアにも傷がついてしまう。

・・・冗談じゃない!
なんとしてもマーティンの番組を成功させなければ、僕の将来は一気に狭まってしまう。


そんな勝手な被害妄想に、自分でもビビりつつも、次第に鼻息が荒くなっていきました。

 

そんなふうにして、本番収録に向け、TBS内のたくさんのスタッフさんたちと一緒に、打ち合わせを重ね、試行錯誤していっていたある日。
確か本番の2週間前だったと思います。
技術スタッフの人たちとTBSのある赤坂で、軽く食事をしようということになったんです。
音響、照明、音効、制作デスクなど、それぞれのチーフたちと、テレビ局内以外で初めていろいろな話をしたんです。
そのとき彼らは言ってくれたんです。

「テレビ屋といっても私たちはTBSという会社のサラリーマンにすぎない。振り当てられる番組を、いつも指示された通りに制作しているだけだ。
でも、今回のマーティンの番組は、本当に成功するかどうかがわからない。

そして、実は僕らはジョイさんにかなり感化されてるんです。

こんなに本気で番組を成功させようと動いている出演者なんて珍しくて。

でも、マーティンとのやりとりは、ジョイさんしかできないし、僕らができることってなんだろうって、いつもチームで話してるんですよ」って。

 

「もうこうなったら、サラリーマンだなんていってられない。

私たちもジョイさんと一緒にとにかくやれることを全部やりきろうって腹を括ったんです」

 

テクニカルチーフも言ってくれました。
「本番前にカメラリハがある。普通は出演者の立ち位置を決めてリハーサルする。

でも、マーティンとジョイさんの立ち位置は決めない。

とにかくショウが成功するために、マーティンとジョイさんは自由に動いてください。

どこに行って、何をやっても、その二人を何がなんでもカメラが追っかけます」

 

「ジョイさんのおかげで私たちも久しぶり熱くなれてるんです。

私たち全員がサポートしますから、本番は思いっきりやってください! 」

 

何なんだもう、この人たちは!?
僕のほうが圧倒されて、泣き笑いでした。
そこにいた全員が目を赤くして本気モード。
本当に熱かったです。

 

そんなスタッフたちの熱い想いも僕の背中を押してくれました。
僕はもう完全にいち通訳ではなくなっていました。
とにかく、番組成功のために、催眠誘導に関しても、自分なりに語りかけを考えて、ショウに参加しているタレントの方たちを催眠状態へと導かなければと、思うようになっていました。

 

ただマーティンの英語を通訳をするだけでよかったはずの僕の肩に、1時間半というテレビ特番の成功か失敗かのすべてが、マンモス級の重さでのしかかることになりました。


僕は青年座という劇団に所属したばかりで、テレビ出演の経験もまだほとんどありませんでした。
その僕が、五十人を超える芸能人たちに向かって、試したこともない催眠術をかけるはめになったんです。


どんな人生だよ、これって! 

と自分ツッコミするしかなかったです。


いま振り返ってみても、そうとう乱暴な企画だったと怖くなります。
よくまあ、あんなに大成功したものだと、遅まきながら感心します。


でも、僕は心の底の方で大放出してるアドレナリンに刺激される面白さに、密かに癖になってしまった瞬間でもありました。

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・・・またさらにもう少し続きます。
是非、次も読んでください。 j

 

こんなふうにnote更新してます。

 

 

なぜ僕が

 

イメージング瞑想というものを

 

世に出しているのか?

 

そしてそもそも

 

どうしてそういうことになったのか?

 

そうした「そもそも論」をしっかり押さえてみる。

 

それが結果的に

 

イメージングの必要性を

 

みなさんに感じてもらえるのではないか。

 

そのつもりで

 

馴れぬnoteをこのブログとは

 

また違う感覚で書いてます。

 

 

けっこう赤裸々です。

 

ぜひnoteの方でも読んでみてください。

 

noteの方が少し先行してるので。

 

 

 

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人間っていろいろ大変そうだね

で、ごはんは?

 

 

 

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