人々は無関心

 

 

 

 あれだけ大きな災害も

 

いろいろなことが起き続けています。しかし、日常で起き続けることは、かなり大きな出来事でも、たとえば自分には直接的にはあまり関係のないと思われることについては、本当に忘れていきます。

 

ほんの 3日ほど前に起きたベネズエラの地震も、本国や周辺国以外では急速に忘れられている気配があり、それでも、この災害は、いまだに行方不明者が数万人規模でいることは現実であり、そして、生存したまま救出できる時間はどんどんと過ぎています。

 

つまり、そのような途方もない数の人名が損なわれた事象である可能性があります。

 

ベネズエラ地震での行方不明者数は、大ざっぱな部分にしても、まだよくわかっていないのが現状で、行方不明者を探すサイトのベネズエラの市民プラットフォームの登録者数はいっとき 5万人を超えていました。

 

今は 4万6000人前後で表示されていますが、クリスチャン・ポスト紙は、約 7万人が依然として行方不明となっていると報じていたりと、詳細はわからないままです。

ヨーロッパの熱波もそうです。

 

気候変動だとか地球温暖化だとかいうような言葉のカテゴライズはともかくとして、「異常に暑い」ことは事実のようです。

 

 

 

 これだけ大きな人道的な危機も

特に、フランスやイギリス、ドイツなど、エアコンの普及率が著しく低い国で(病院にもエアコンはあまりない)、40℃を超えたりすれば、どうしても死者も増えるとは思いますけれど、ドイツの報道は、ヨーロッパでの熱波による超過死亡数が 1300人を超えたと伝えています。

 

欧州の熱波:WHOによると、超過死亡者数は1300人を超えた

 

DW 2026/06/29

 

世界保健機関(WHO)によると、記録的な猛暑が始まった 6月21日頃から、ヨーロッパでは 1300人以上の超過死亡が記録されている。ドイツでは 41.7℃という新たな最高気温記録が樹立された。最新の情報は以下のようになっている。

 

・世界保健機関(WHO)によると、ヨーロッパでは熱波により 1300人以上が超過死亡している

 

・ドイツで気温 41.7℃を記録し、またもや記録更新となった

 

・ドイツ:週末に水泳中に少なくとも7人が死亡

 

・少なくとも1億9100万人が 35℃の猛暑に直面する見込み

 

エアコンがどこにもないような状態で、今後も繰り返し高温がもたらされるのだとすれば、そして、れがヨーロッパの 2億人近くに影響を与えるというのなら、人的被害はさらに拡大するでしょう。

 

今後、一時的には気温が下がるようですが、 7月にはまた極度な気温が戻ってくるようです。

 

以下は、2026年7月8日の平年との気温の差異の予測です。

 

2026年7月8日のヨーロッパの平年との気温の差異

tropicaltidbits.com

 

薄いピンク(フランスからドイツあたりにかけて広がる色)のエリアは、平年より気温が 12℃から 16℃くらい高いことを示していますので、またもかなりの高温となる予測のようです。

 

まだ 6月、7月でこれで、仮にこんな状態が 8月や 9月にまで続くとした場合、人道的な危機に発展する可能性もあります(現時点の 1300人の超過死亡もそれなりに人道的な危機ですが)。

 

本来なら重大な出来事です。

 

しかし、一方、最近は毎年過酷な暑さに包まれていた「日本」が、今年はいつまで経っても、その気配がありません。

 

私の住む埼玉県のベルサイユのばら市でも(市の名前いい加減にしろ)6月はおそらく、最高気温が 30℃に届くことがないまま過ぎていきそうです。

 

ここ 2日間の気温などは以下のような感じでしたし。風の強さによっては、十分に肌寒い気温です。

 

最近の所沢市の気温

 

こうなってくると、他の国の「信じられない暑さ」というものが、文字通り「信じられない」まま、傍観して過ごすということになってしまいます。

 

どんなことでもそうなのかなと思います。

 

夏になりますと、今度は世界中で大雨や洪水などの被害が出ることが最近の普通の状態で、まして今はエルニーニョの渦中(実際、この春からエルニーニョは始まっていて、現在そのレベルがどんどん高くなっているというだけです)。

 

気象分析サイトのシビア・ウェザー・ヨーロッパは、エルニーニョによる 7月の欧米の気象を分析していましたが、もちろん、一様に気温が高いとか低いということはなく、アメリカの中でも、平年より気温が著しく高くなるところもあれば、平年より涼しくなると予測されている場所(米国北東部やカナダ東部など)もあります。

 

降雨量も同じ国の中でも、地域によって異なるわけですが、いずれにしても、極端化しやすいという側面はありそうです。

 

また、シビア・ウェザー・ヨーロッパは、以下のように書いています。

 

下の予測図からもわかるように、異常値は最大で +5℃を超える可能性がある。これほどの異常値であれば、これは歴史的に見ても記録的な強さのエルニーニョ現象と言えるだろう。

 


severe-weather.eu

 

+5℃を超える可能性と書いてありますが、エルニーニョ現象が発生したという定義は

 

「エルニーニョ監視海域の海面水温が基準値より 0.5℃以上高い状態」

 

のことを言うんです(上のマップの濃い茶色のエリア)。

 

監視海域の水温が 0.5℃高いだけでも、世界の気象に大きな影響を与えるというのに「 5℃も高くなる可能性があるというのですから、本当にモンスターエルーニョだと思います。

 

以前、このクラスのスーパーエルニーニョが発生した約 150年前のことについては以下で書きました。

 

大量飢餓の別の要因:エルニーニョが「スーパー」を超えて「メガ」になりつつある。同様の現象が起きた1877年には飢餓により全世界で5000万人以上が死亡した
In Deep 2026年5月13日

 

この際には、世界人口の 3〜 4%が異常気象による食糧危機により死亡したとされています( 5000万人以上が死亡)。しかし、今回のエルニーニョは、その規模を上回る可能性さえ指摘されています。

 

この予測通りにエルニーニョが「スーパー」あるいは「ゴジラ級」になった場合の影響は大きいでしょう。

 

1877年のように、世界人口の 3〜 4%に影響が出るとすれば、人口が 82億人の現在ですと、最大 3億5000万人に相当します。

 

3億5000万人が亡くなってしまうような大きな環境災害は想像もできないのですが、しかし、理屈でいえば「決してないとはいえない」

 

そういう時にも、「無関心」で忘れられていくものなのかどうかは微妙です。

 

ちなみに、その危機は基本的には、エルニーニョは食糧危機であり、そして現在はエネルギー危機が隣り合わせで存在しているわけですので、それがクリアされている国なら「他の国の出来事」だと無関心でいられるのかもしれません。

 

しかし、日本は食糧もエネルギーもどちらも脆弱ですので、あまり無関心ではいられないかもしれません。

 

そんなわけで、さまざまな災害や戦争や人道危機が、あまりにも多く起きている中で、

 

「むしろ、何に対しても無関心になりやすい」

 

という最近の社会を思ってみました。

 

私も人のことは言えないです。

 

 

 

 これもまた別の超過死亡

そういえば、アメリカで、

 

「ピックアップトラックの普及の増加で、車に轢かれて死亡する人の数が爆発的に増えた」

 

というニュースを見ました。

 

これも「超過死亡」といえるのだと思いますが、年間で歩行者の死亡が 200人〜 400人増えたのだそうです。この超過死亡は「車が小さければ避けられた」死亡だそう。

 

ニューヨークタイムズ紙が報じていました。

 

ピックアップトラックとは、大きい貨物自動車ですね。SUV というスポーツ用多目的車と共に、アメリカで大人気だそうですが、ニューヨークタイムズによると、「フードの高さが 1インチ (2.5センチ)上がるごとに歩行者死亡リスクが 2.8%上昇」するのだそう。私は車には詳しくないですが、日本ではビックアップトラックは道路などの環境に合わないので、あまり見ないですが、SUVは月間販売上位だそうで、車の大型化が進んでいる傾向はあるようです。

 

その記事を一部ご紹介して締めさせていただきます。

 

いろいろなところに超過死亡の原因は転がっているものです。

 

 

 


巨大なピックアップトラックが歩行者を驚異的な数で殺害している

Giant Pickup Trucks Are Killing Pedestrians in Incredible Numbers
futurism.com 2026/02/28

 

 

 

アメリカの道路を本当に悩ませているのは、穴ぼこでも、ラッシュアワーの渋滞でも、追い越し車線をのんびり走るおばあちゃんでもない。それは、大型ピックアップトラックと SUV (スポーツ用多目的車)だ。

 

ニューヨーク・タイムズ紙による新たな調査によると、2009年頃に大型車両が爆発的に増加して以来、歩行者の死亡者数は 75%も急増しており、これは小型車に轢かれていれば助かったはずの数千人もの歩行者が命を落としていることを意味する

 

これは、道路安全における前例のない逆転劇と言えるだろう。この転換点以前は、アメリカの道路は数十年にわたり着実に安全性が向上しており、車両設計の改良やシートベルト着用義務化、飲酒運転といった問題への多大な努力が大きな成果を上げていた。

 

専門家は主に 2つの問題点を指摘している。大型車は死角が大きくなる。また、ボンネットの位置が高くなるため、車体の重さと相まって、事故発生時の危険性が高まる。

 

「歩行者が前方に投げ出されるため、低速でも多くの悲惨な衝突事故が発生しています」と、ニューヨーク・タイムズの調査のために衝突実験を行ったフォレンジック・ロックの創設者、ショーン・ハリントン氏は語る。「運転手が何が起こったのか理解する前に、歩行者の頭は車輪の下に埋まっているのです

 

これらの要因は互いに独立しているわけではない。ボンネットが高いほど、前方の死角が大きくなる。

 

今日の平均的なボンネットの高さは約 90cmを超えており、人気のピックアップトラックの中にはさらに極端なものもある。例えば、2021年型シボレー・シルバラードのボンネットの高さは驚異の 120cmで、平均的な人の重心よりもはるかに高い位置にある。フォードF250のような高価なトラックの中には、高さが約 140cmのものもある。

 

ニューヨーク・タイムズの分析によると、平均的な身長が 175cmの典型的なアメリカ人男性は、今日の車の 39%に轢かれる可能性が高いという。

 

これらの巨大な車両がアメリカの道路を席巻したスピードは驚くべきものだ。2000年代初頭には、乗用車の半分以上がセダンなどの低車高の従来型車両だった。

 

しかし 2010年までに、SUV やピックアップトラックがアメリカで最も人気のある車両となり、アメリカの道路を席巻するようになった。この新たなパラダイムを定着させるべく、フォードなどの一部のアメリカ自動車メーカーは、米国での従来型4ドアセダンの販売を完全に中止した。

 

分析によると、車高の高い車両への移行により、2016年から 2024年の間に約 3,000人の死亡者が出た。

 

ニューヨーク・タイムズ紙は、この数字は過小評価である可能性が高いと指摘している。なぜなら、このデータには駐車場などでの衝突事故が含まれていないからだ。

 

駐車場では毎年数百人の歩行者が死亡していると推定されている。全体として、2000年以降、車両が大型化していなければ、毎年約 200人から 400人、歩行者の死亡は少なかっただろう。ボンネットの高さが 1インチ上がるごとに、歩行者の死亡確率は 2.8%増加するという。

 

 

 

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