倍音トレーニングを受け始めて、来月で一年になる。
最近、衝撃的な気づきがあった。
先生は専門用語を使わない。
だから自分が今何をやっているのか、
あとから自分で整理するしかない。
いわゆる「鼻腔共鳴」に近い話だと思う。
今回気づいたのは、
「鼻の上に響かせる」のではなく、
“鼻の後ろに細く抜けていく感じ”
だったこと。
それまで私は、
もっと「鼻の上に当てる」と思っていた。
でも違った。
先生に「もっと細く!」と言われ続けていた意味が、初めてわかった気がした。
バイオリンの弓で、
極細の音の線を、
頭の奥へ擦っていくような感覚。
細く、細く、繊細に通していく。
“響きの通り道”みたいなものが、
別に存在することを初めて体感した。
衝撃すぎて、しばらく固まっていたら、
「ちかさん!大丈夫ですか!?」
と先生に言われ、ハッと我に返った。
大げさに喩えるなら、
ヘレン・ケラーが「water」を理解した瞬間みたい。
最近は、高嶋ちさ子さんのシャンプーを使いながら、バイオリンの音や、厳しい鍛錬を勝手に想像している。
すると不思議と、その感覚が身体の中に少し残りやすい気がする。
こうして、ある日突然、
身体の中の“回路”がつながる瞬間がある。
この一年は、そういう瞬間を少しずつ集める時間だった気がする。







