「直感で決めた」「最初の直感が正しかった」…そんな経験、ありませんか?
でも、その直感、本当に正しいのでしょうか?
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン博士の名著『ファスト&スロー』が、私たちの思考に潜む「3つの罠」を教えてくれます。
起業家こそ、この罠にハマりやすいんです。
「直感」に自信がある人ほど、危ない
起業家のあなたは、きっと「直感で決断する力」に自信があると思います。
私もそうでした。「これはイケる」と思った瞬間、動き出す。それが起業家の強みだと信じていました。
でも、この本を読んで気づいたんです。
直感は、思っている以上に間違える。
しかも、自信がある人ほど、その間違いに気づかない。
人間の思考は「2つのシステム」で動いている
著者のダニエル・カーネマン博士は、ノーベル経済学賞を受賞した行動経済学の創始者。
その博士が、人間の思考を2つのシステムに分類しました。
システム1:直感的・自動的・高速(ファスト)
- 1+1の計算
- 人の表情から感情を読む
- 瞬間的な判断
システム2:論理的・意識的・低速(スロー)
- 17×24の計算
- 難しい文章を理解する
- じっくり考える判断
面白いのは、私たちの脳は「疲れたくない」ので、なるべくシステム2を使わず、システム1で判断したがるということ。
つまり、重要な意思決定ほど、本当は論理的に考えるべきなのに、直感に頼ってしまうんです。
直感(システム1)に潜む「3つの罠」
この本で最も衝撃を受けたのが、システム1に潜む「3つの罠」です。
罠①:確証バイアス
自分が信じたい情報だけを受け入れ、違う意見をシャットアウトする。
例えば、「SNS集客は絶対うまくいく」と信じ込んでいると、SNS集客の成功事例ばかりを探してしまう。
「うまくいかなかった事例」や「他の手法の方が効果的」という情報は、無意識に無視してしまう。
私もありました。「この商品は絶対売れる」と思い込んで、売れない理由を見ようとしなかった。
気づいたときには、もう手遅れでした。
罠②:ハロー効果
第一印象や際立った特徴に引っ張られて、全体を判断してしまう。
例えば、「この人はSNSのフォロワーが多いから、ビジネスも成功しているはず」と思い込む。
でも、フォロワーが多いことと、ビジネスで成果を出せることは、別の話です。
面白い実験があります。
- Aさん:頭が良くて、勤勉、頑固で、嫉妬深い
- Bさん:嫉妬深くて、頑固、勤勉で、頭がいい
どちらに好意を感じますか?
おそらく、Aさんですよね。
でも、特徴は全く同じなんです。順番を変えただけ。
最初に「頭がいい」と聞くと、「頑固=意志が強い」とプラスに解釈する。
でも最初に「嫉妬深い」と聞くと、「頑固=わがまま」とマイナスに解釈してしまう。
これが、ハロー効果です。
罠③:プロスペクト理論
損失を極端に嫌がり、不合理な判断をしてしまう。
次の2つ、どちらを選びますか?
問1
A:確実に9万円もらえる
B:90%の確率で10万円もらえる
問2
A:確実に9万円を失う
B:90%の確率で10万円を失う
おそらく、問1ではAを選び、問2ではBを選んだのではないでしょうか。
でも、これは不合理なんです。
合理的に考えれば、堅実な人は問1でも問2でもAを選ぶはず。ギャンブラー気質の人は、どちらもBを選ぶはず。
でも、私たちは「損失を確定させたくない」という感情に支配されて、問2ではギャンブルに走ってしまう。
これが、投資で損切りできない理由。
これが、失敗を認められない理由。
起業家にとって、この罠は致命的です。
まとめ:直感を疑う勇気を持つ
もしあなたが、「直感で決断する力」に自信を持っているなら、この本を読んでみてください。
直感は、思っている以上に間違える。
でも、その仕組みを知っていれば、罠を避けられます。
- システム1(直感)とシステム2(論理)の違いを理解する
- 確証バイアス、ハロー効果、プロスペクト理論に気をつける
- 重要な意思決定ほど、「本当にこれで正しいか?」と疑う
この3つを意識するだけで、あなたの意思決定は確実に変わります。
私も、まだまだ道半ばです。でも、この本を読んで「直感を疑う勇気」を持てるようになりました。
あなたも、ぜひ試してみてください。
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