心理カウンセラー・公認心理師の
栗林あや(いがぐりこ)です。
理不尽なことを言われたのに、何も言い返せなかった。
そんな経験、ありませんか。
私はあります。
15年以上前、大姑(旦那のお婆さん)から、
子育てのやり方を、あれこれ口出しされたことがありました。
その口出しされた内容が、昭和初期の育児の話だったので、
「今はそれは違う!」と心の中では思ったのです。
でも、口から出たのは「あ・・そうですね・・・」だけ。
若かった私は、「嫁ぎ先で口ごたえしてはいけない」と思ったのです。
あとから旦那に愚痴ったら「なんでその時、何も言わなかったの?」と言われて、自分でも悔しかったです。
でも、もっとつらかったのは、言われた悔しさじゃなくて。
「言い返せばよかった」
「なんで言えないんだろう」
「言い返せなかった自分が情けない」
「私は子供を守れなかった」
そうやって自分を責めたことでした。
それがいちばん、きつかったです。
SNSを見ていると、なにか理不尽な出来事があって、
「私、こんなふうに言い返してやりました!」
みたいな投稿、ありますよね。
「スカッとした!」「すごい、羨ましい!」ってコメントがいっぱいついてる。
私もそういう投稿を見て、「こんなふうに言い返せたらなぁ・・・」って思ったことがあります。
でも現実には、なかなかそうはいかないですよね。
その時は、びっくりして言葉が出ない。
黙ってしまうし、笑ってやり過ごしてしまう。
で、後になって、「なんであの時、何も言えなかったんだろう」って悔しくなる。
心のことを学んで、今ならちょっとわかります。
あの時、私の脳は「固まる」を選んでいたのです。
子どもの頃に、親や大人に意見を言えなかった記憶が、
大人になっても自動的に動いていました。
言い返せないのは、気が弱いからじゃなかったのです。
脳が「今は黙ったほうが安全だ」って判断した結果です。
言い返せる人は、脳が「戦う」というパターンを選んでいるだけ。
言い返せない人は、脳が「固まる」パターンをを選んでいるだけ。
勇気があるとか弱いとか、そういう話じゃなかったのです。
それを知ったた、ちょっとだけ楽になりました。
気が弱いとかじゃなくて、脳が、私を守ろうとしていたんだなあ、って気づきました。
もし、言い返せなかった日があったら、
落ち着いてからでいいので、やってみてほしいことがあります。
目を閉じて、あの時の場面を思い出す。
で、黙って立っていた自分に、心の中で声をかけてみる。
「怖かったよねぇ。」
「あの場でよく関係を壊さないでやり過ごしたね。」
「何を言い返せばよかったか」を考えるんじゃなくて、
あの時の自分に、優しく声をかけてあげる。
黙って固まっていた自分は、実はあの瞬間、自分を守っていたのです。
それって、「生き延びる力」です。
言い返せなくても大丈夫です。
言い返せないことより、
そのあと自分を責め続けるほうが、心にはずっとダメージがあります。
まず止めるのは、相手への反撃じゃなくて、自分への攻撃のほう。
そういうこと、なんだと思います。
この話、YouTubeでもうちょっと詳しくお話ししています。
よかったら見てみてくださいね。
▼言い返せなくて悔しい。気が弱いからじゃなかった【公認心理師が解説】
何度も繰り返して抜け出せない悩みに
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