取材で、のどかな風景が広がる地域に行った時のことです。
神社仏閣に駐車場がなかったため、少し離れたところに停めました。
そこからてくてく歩いていたら、男性が壁の塗り直しをしていました。
年齢は……80歳くらいでしょうか。
けっこうなお年のようでした。
そばにはラジカセが置いてあり、そこからアニメの主題歌が流れていました。
アニメの主題歌を聴くなんて、粋だな〜、と思いました。![]()
ラジカセは、屋外で、カセットテープとかCDを聴く道具だと思っている私は、
「アニメソングは孫からのプレゼントかな」と考えました。
明るく元気な歌を聴きつつ作業をしているおじさんは、新しいものでも抵抗なく受け入れる、という柔らかい印象でした。
それから参拝をして、帰りに同じ場所を通りました。
おじさんはまだ壁の塗り直しをしていましたが、ラジカセからはニュースが流れていました。
さっきの歌はラジオだったのね、と、そこで気づきました。
ニュースを聞きつつ作業をしているおじさんは、さきほどとは変わって、時勢に詳しく、政治経済もバッチリ、その方面には確固たる意見を持っている、というお堅い印象でした。
おじさん自身は同じです。
けれど、バックに流れているもので、印象が変わったのです。
人間は(というか、私は、かもしれません)耳で聞いたものも、相手の印象に組み込んでいるのだな、と思いました。
面白いな〜、と思った出来事でした。
取材で長時間運転をしていると、頭がぼーっとしてくることがあります。
その日のレンタカーはガソリン車でした。
コンパクトカーなのに、えらくガソリンを消費していました。
「え? こんなに減ってるの、おかしくない?」というほどの減り具合なのです。
「これは、あれだな、ちょっとくらい高くても、ガソリンと電気の両方で走る車をレンタルしたほうがいいな。えっと……ん? なんだっけ? ガソリンと電気の両方で走る車……ええっと〜? なんていうんだっけ?」
ここからド忘れした言葉を思い出そうとして、四苦八苦しました。
出てこないのです。
「2つの動力源だから、デュアル? デュアルなんたら? う~ん、違うな。たしかひとことだったわ。なんだっけかなー」
延々と悩んでいると、1台の車が横道から、私の車の前に入りました。
その車の後部に、「プリウス」「ハイブリッド」という文字がありました。
うわー! どなたか知りませんが、どうもありがとう! スッキリした~! と、爽やかな気持ちになりました。
この時は、五芒星お稲荷さんがついていてくれました。
私があまりにも長々と悩むので、正解を教えてくれたようです。
苦笑していたところをみると、「放っておいたら、こやつはスマホで検索するために、車を停められるところをあちこち探すに違いない」と思ったのかもしれません。
ええ、たしかに。![]()
思い出せなかったら、確実にそうしていたと思います。
とまあ、こんな感じで、毎回取材をしています。![]()













