こんにちは、内科医 ひとちゃんです![]()
九州などでは、強い南風「春一番」が吹いたというニュースがありました
暦の二十四節気では、雪から雨に変わる頃とされる「雨水(うすい)」となっていますね
本格的な「春の季節」の到来も間近(まじか)というところでしょうか
皆さまの体調は、いかがでしょうか?
「春眠暁を覚えず(しゅんみん あかつきをおぼえず)」という言葉を
ご存知でしょうか?
春の朝の心地よさを表現する言葉で・・・「春の夜は心地よいため朝になったことに気づかず、思わず眠り込んでしまう」という意味を持ちますね
まだ、寒さが残っていますので、「春眠」とはならないのかもしれませんが・・・ね
さて、今回の話題は、良質な睡眠を作り出す作用のある「メラトニン」してみたいと思います
「メラトニン」は、体内時計に働きかけることで、「覚醒」と「睡眠」を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています
また、眠りを誘うばかりでなく・・・「メラトニン」は、抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促したり、疲れを取ってくれるなど、さまざまな効果を持つと考えられており、注目されているホルモンのひとつとされています
現在、「睡眠障害」は世界的に見ても・・・ホットな話題となっています
最近の調査では、米国では25歳から59歳までのアメリカ人の約75%以上が「睡眠障害」に苦しんでいることが明らかになっています
今後の「睡眠障害」の市場規模は、2026年には13億1,000万米ドル以上に達すると予想されているのですね
さらに新型コロナウイルス オミクロン株感染の後遺症では「不眠症」が多いことも報告されており、「睡眠障害」が注目されているのですね
もちろん、睡眠を誘導するための「睡眠薬」もあるわけですが・・
現在承認されている「薬物療法」は、有効であるのですが・・・ベンゾジアゼピン系、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、抗不安薬には、依存症や中毒になる可能性があるとされています
さらに、これらの薬の中には、「認知力」を徐々に低下させるものもあると報告もされているのですね
このような状況から、自然な眠りを取り戻す意味からも「メラトニン」が注目されている・・・ということになるのです
そんなに「メラトニン」が影響しているのかなあ〜と思う方もいらっしゃるかもしれませんね
そのような方のために・・・ひとつの質問をさせていただきたいと思います
あなたは、10歳代の時のような「睡眠」がとれていますか?
どうでしょうか?・・・睡眠時間の長さばかりでなく、中途覚醒をしたり、すみやかに入眠できなかったり、早朝に目が覚めてしまうなどがある場合には、以前のような「睡眠」が取れていないと考えてよいかもしれません
実は「メラトニン」は・・・年齢を重ねるとともに分泌量が減ることが明らかになっているのです
年をとると朝早く目覚めたり、夜中に何度も目が覚めたり、若い頃より睡眠時間が減ってくるのは。このためかもしれません
(図はお借りしました)
「メラトニン」は、脳の松果体から分泌されるホルモンであり、ヒトの睡眠覚醒周期と「概日リズム(サーカディアンリズム)」の調節に関与していることも知られています
不十分な睡眠は、肥満、糖尿病、心臓病、うつ病の危険因子であることが知られているわけですが・・・
かといって、いわゆる「睡眠薬」も有効であるものの、副作用が出ることもあるので・・・
今後、「メラトニン」をサプリなどとして補充していくことも、重要かもしれませんね
個人的には、「メラトニン」が「概日リズム(サーカディアンリズム)」を調節している可能性があることにワクワクしますが・・・ね
A good laugh and a long sleep are two best cures for anything
(よい笑いとよく眠ることは、万病の治療法である)
とは、アイルランドに伝わる言葉のようですが、そのとおりかもしれませんね
素敵な1週間をお過ごしください![]()
それでは、また![]()
(参考)
1.neurological Reseach.Vol.39, 2017
A review of sleep disorders and melatonin
Zizhen Xieら
2.News Cast記事など
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< ブログ後記 >2月21日
今回は「睡眠」に関与する「メラトニン」についての話題にさせていただきました。
言うまでもないことですが・・・
「睡眠」は、ヒトの健康にとって、非常に重要なものですよね。
「睡眠障害」は、社会的および職業的機能に著しい障害をもたらす一群の疾患であるという見方をする専門家もいます。
本文内でもご紹介したのですが・・・「睡眠」は、あるプロセスによって、厳密に制御されていることが知られているのですね。
このプロセスで重要な役割を果たすのが、「メラトニン」というわけです。
さらに「メラトニン」は、「睡眠」を調節する因子というばかりでなく、「概日リズム(サーカディアンリズム)」の調節を補助する物質であることも知られています。
それ以外にも、免疫システムの調節、および下垂体ホルモンと副腎ホルモンの調節にも関与していることが報告されています。
では、「メラトニン」は、どこで産生されるのでしょうか?
その答えは、主に脳内にある「松果体(しょうかたい)」という部分で、産生されます。
(図はお借りしました)
「松果体」の近くは、「視交叉上核(しこうさじょうかく)」が存在することがお分かりいただけると思います。
「視交叉上核」という部分は、「概日時計(サーカディアンリズム )」のペースメーカー、つまり、中枢であるわけですが、「松果体」に近いことが理解していただけると思いますね。
実は、「松果体」と「視交叉上核」の間には、次のような連携があることが知られています。
目の「網膜」から入った「光刺激」は、「概日時計(サーカディアンリズム)」 のペースメーカーの存在する「視交叉上核」を経て、
「松果体」に達するわけですね。
「松果体」においては、「メラトニン」が産生されるのですが・・・
明るい光によって「メラトニン」の分泌は抑制されるため、日中には「メラトニン」分泌が低く、夜間に分泌量が十数倍に増加する明瞭な日内変動が生じるとされているのですね。
(図はお借りしました)
ただし逆に強い照明(1000ルクス、コンビニの店内など)を浴びれば、夜間であってもメラトニン分泌量は低下してしまうことも確認されています。
これらの現象から考えますと・・・「メラトニン」の分泌は、「概日時計(サーカディアンリズム )」と、外部から目に入る「光」の両方から調節を受けていると考えられているのですね。
また、長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)から作られる「Sirt 1(サーチュイン ワン)」蛋白の合成を「メラトニン」が促進することや
神経の炎症を鎮静化するなどという話題もありまして・・・かなり、
興味深く思えます(個人的に・・・ですが
)
よい睡眠を取り戻すには・・・「メラトニン」分泌の状態を意識していくことも大事かもしれませんね。
もちろん、「メラトニン」の分泌不全などには、サプリメントも有効とされているわけですが・・・ね。
続きは、またの機会にしたいと思います。
今回も最後までお読みいただきまして
ありがとうございました![]()
参考)
1. Nutriens.2021 Oct; 13(10): 3480.
Circadian Rhythm Dysregulation and Restoration: The Role of Melatonin
Clayton Vasey ら
2.Molecules. 2022 Nov 10;27(22):7742.
Melatonin: A Neurotrophic Factor?
Armida Miranda-Rieataら
3. Open Heart. 2022; 9(2)
Review
Nutraceutical activation of Sirt1: a review
James J DiNisolantoniaなど
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理事長、院長
小笠原 均 (Hitoshi Ogasawara)
医学博士, 内科医
新潟大医学部卒
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